『文学史を読みかえる 7 リブという〈革命〉-近代の闇をひらく-』
加納実紀代、池田浩士、他・編/インパクト出版会2003年
いろんな人が、いろんなことを書いていました……。
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女性兵士になれる?……。下「」引用。
「-略-『女性兵士』という問題系ですね。「アルジェの戦い」という映画(イタリア=アルジェリア作品一九六六年)がもたらした影響は大きかったですね。女も革命兵士になれる。自爆さえすれば。」
母性ファシズム=やさしさのファシズム。下「」引用。
「構造的暴力とそれから優しさの暴力。私は母性ファシズムというか、母性愛による抱え込み、非常にソフトな、あらかじめ抵抗の芽を摘んでしまうような力もやっぱり暴力だと思っちゃうんですよね。」
占領下の混血児。下「」引用。
「女はずいぶん強姦されて、たくさん日本混血児が生れましたが、占領による死者は多くなかった。それにしても、ドイツと比べて見ると、あれだけの規模の占領に対して日本における混血児の出生は著しく低いですね。アボーション(中絶)が簡単に行われたからでしょう。」
市川房枝とレイプ……。下「」引用。
「市川さんは、敗戦の一○日後の八月二五日に戦後対策婦人委員会を作りますでしょ。あれは女性参政権獲得のためとか言っているけど、まずは占領軍によるレイプにどう対応するかということですね。市川さんは公職追放になるから直後の発言は見あたらないけど、もちろんRAAについて知らなかったはずはなかったと思います。だけどそれはやっぱり防波堤っていう意識じゃないですかねぇ。」
index
日本人慰安婦と差別。聞いてはならないことと思っていたという。下「」引用。
「-略-「忘れることが優しさか」-略-そこで退いた自分というのはやっぱり正妻の立場にいたんだと思いますよね。」
「男性ライター」批判。下「」引用。
「加納 -略-丸山友岐子さんか。彼女が七七年に『女・エロス』に書いた「男性ライターの書いた「従軍慰安婦」を斬る」。
上野 金一勉さんの書いた「従軍慰安婦」に対する批判ですね。韓国女性の純潔はそんなに大事なもんかっていう。-略-」
「国境を越える性 からゆきさんと「慰安婦」」川田文子・著。下「」引用。
「編者からこのテーマを与えられた時、私は谷川健一のこんな指摘を思い起こした。『娼婦 海外流浪記』(富岡謙二著 三一書房)の解説の締めくくりのことばだ。
-略-よく注意すれば、娘子軍発展の地図が、そのまま、大東亜戦争の皇軍が攻撃侵略した地域と重なりあうのを発見して、おどろかずにはいられないだろう。-略-」
「男性の作者による男性に読まれた「慰安婦」の先駆書」川田。
--千田夏光の前に書かれていたという。下「」引用。
「敗戦間もない一九四八年に田村泰治郎か発表した小説『春婦伝』(東方社)、六○年代の『女の武器・ある朝鮮人慰安婦の手記』(近代戦史研究会編 浪速書房)や『秘められたる女の戦記』(加藤美希雄著 清風書房)などがあった。
また、千田や金の著作の他にも、七○年代から八○年代にかけては、「慰安婦」の徴募や慰安所に直接に関わった当事者の記録があいついだ。「元下関労報動員部長の手記」という副題のついた『朝鮮人慰安婦と日本人』(吉田清治著 新人物往来社 一九七七年)、同じ著者の『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』(-略-)、「支那派遣慰安係長の手記」である『武漢兵站』(山田清吉著 図書出版社 一九七八年)、元漢口兵站司令部・軍医大尉による『漢口慰安所』(長沢健一著 図書出版社 一九八三年)などだ。-略-」
千田の本は元日本兵に読まれたという。下「」引用。
「「読んでくれたのは、ほとんど旧日本兵」だったそうだ。旧日本兵が自分自身の体験を回顧しつつ読んだのだという。山崎と森崎のからゆきさんの本は、もちろん、男性にも読まれたろうが、女性の読者も少なくなかったろう。七○年代には女性の関心はからゆきさんにはあっても、「慰安婦」には向かっていなかったのだ。」
金一勉の『天皇の軍隊と朝鮮人慰安婦』について。川田。下「」引用。
「ひとつには、慰安所で慰安婦を犯した、あるいは、戦場にされた地域や占領地で強姦、輪姦した日本の将兵と、著者の性意識はたいして変らないのではないかと思われるような表現で、性暴力が描写されている。-略-
それに対して、朝鮮人「慰安婦」は年端もいかない「生娘」ばかりという論法である。-略-
しかし、「色世界ではベテラン」の二○代、三○代、はては四○代でも「慰安婦」になっている日本の悲しみには、著者の関心は微塵も向いていない。」
もくじ
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加納実紀代、池田浩士、他・編/インパクト出版会2003年
いろんな人が、いろんなことを書いていました……。
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女性兵士になれる?……。下「」引用。
「-略-『女性兵士』という問題系ですね。「アルジェの戦い」という映画(イタリア=アルジェリア作品一九六六年)がもたらした影響は大きかったですね。女も革命兵士になれる。自爆さえすれば。」
母性ファシズム=やさしさのファシズム。下「」引用。
「構造的暴力とそれから優しさの暴力。私は母性ファシズムというか、母性愛による抱え込み、非常にソフトな、あらかじめ抵抗の芽を摘んでしまうような力もやっぱり暴力だと思っちゃうんですよね。」
占領下の混血児。下「」引用。
「女はずいぶん強姦されて、たくさん日本混血児が生れましたが、占領による死者は多くなかった。それにしても、ドイツと比べて見ると、あれだけの規模の占領に対して日本における混血児の出生は著しく低いですね。アボーション(中絶)が簡単に行われたからでしょう。」
市川房枝とレイプ……。下「」引用。
「市川さんは、敗戦の一○日後の八月二五日に戦後対策婦人委員会を作りますでしょ。あれは女性参政権獲得のためとか言っているけど、まずは占領軍によるレイプにどう対応するかということですね。市川さんは公職追放になるから直後の発言は見あたらないけど、もちろんRAAについて知らなかったはずはなかったと思います。だけどそれはやっぱり防波堤っていう意識じゃないですかねぇ。」
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日本人慰安婦と差別。聞いてはならないことと思っていたという。下「」引用。
「-略-「忘れることが優しさか」-略-そこで退いた自分というのはやっぱり正妻の立場にいたんだと思いますよね。」
「男性ライター」批判。下「」引用。
「加納 -略-丸山友岐子さんか。彼女が七七年に『女・エロス』に書いた「男性ライターの書いた「従軍慰安婦」を斬る」。
上野 金一勉さんの書いた「従軍慰安婦」に対する批判ですね。韓国女性の純潔はそんなに大事なもんかっていう。-略-」
「国境を越える性 からゆきさんと「慰安婦」」川田文子・著。下「」引用。
「編者からこのテーマを与えられた時、私は谷川健一のこんな指摘を思い起こした。『娼婦 海外流浪記』(富岡謙二著 三一書房)の解説の締めくくりのことばだ。
-略-よく注意すれば、娘子軍発展の地図が、そのまま、大東亜戦争の皇軍が攻撃侵略した地域と重なりあうのを発見して、おどろかずにはいられないだろう。-略-」
「男性の作者による男性に読まれた「慰安婦」の先駆書」川田。
--千田夏光の前に書かれていたという。下「」引用。
「敗戦間もない一九四八年に田村泰治郎か発表した小説『春婦伝』(東方社)、六○年代の『女の武器・ある朝鮮人慰安婦の手記』(近代戦史研究会編 浪速書房)や『秘められたる女の戦記』(加藤美希雄著 清風書房)などがあった。
また、千田や金の著作の他にも、七○年代から八○年代にかけては、「慰安婦」の徴募や慰安所に直接に関わった当事者の記録があいついだ。「元下関労報動員部長の手記」という副題のついた『朝鮮人慰安婦と日本人』(吉田清治著 新人物往来社 一九七七年)、同じ著者の『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』(-略-)、「支那派遣慰安係長の手記」である『武漢兵站』(山田清吉著 図書出版社 一九七八年)、元漢口兵站司令部・軍医大尉による『漢口慰安所』(長沢健一著 図書出版社 一九八三年)などだ。-略-」
千田の本は元日本兵に読まれたという。下「」引用。
「「読んでくれたのは、ほとんど旧日本兵」だったそうだ。旧日本兵が自分自身の体験を回顧しつつ読んだのだという。山崎と森崎のからゆきさんの本は、もちろん、男性にも読まれたろうが、女性の読者も少なくなかったろう。七○年代には女性の関心はからゆきさんにはあっても、「慰安婦」には向かっていなかったのだ。」
金一勉の『天皇の軍隊と朝鮮人慰安婦』について。川田。下「」引用。
「ひとつには、慰安所で慰安婦を犯した、あるいは、戦場にされた地域や占領地で強姦、輪姦した日本の将兵と、著者の性意識はたいして変らないのではないかと思われるような表現で、性暴力が描写されている。-略-
それに対して、朝鮮人「慰安婦」は年端もいかない「生娘」ばかりという論法である。-略-
しかし、「色世界ではベテラン」の二○代、三○代、はては四○代でも「慰安婦」になっている日本の悲しみには、著者の関心は微塵も向いていない。」
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