あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 218 石油の価格差 「ところで、稲葉さん。スーツ一着つくるのに石油は何リットル必要か知っていますか?」 何をきゅうに、石油だなんて……。 白い目でみる稲葉。 「10リットルです。二酸化炭素を先進国では削減しようとしています。何着も服を買うことがモラルに反することのように、私には思いますが……」 「そうですか……」 ビクビクしている稲葉。 立場があちらの世界と、こちらの世界とでは逆だ。 「そして、ガソリン価格はいくらか知っていますか?」 「たしか、180円をこえたそうですね」 「ガソリン価格にもいろいろあるし、国よっても違うらしい。日本は180円をこえているけれど、中国は70円、中東では20円、イギリスなどでは200円をこえるという……」 「どうして、そんなに差があるの?」 「税金が大きい。中国では、税金で安くしている。イギリスなどヨーロッパでは環境税をとっていて、環境をよくするために、使われている。日本では、道路をひたすらつくるために、高い税金をとっている……」 「中東は原産国だから、安いのはわかるわね」 「水とかわらないといわれ、自動車ブームだともいう……」 「世界がこれほど、地球温暖化で困っているときに……」 「それだけじゃない。OPECというカルテルを結んでいる。彼らは自由主義圏の国家でもない」 「そういえばそうね……。でも、少しもそれは問題にならないわね」 「値段が上がれば、増産するという市場原理も動かない。“神の麻痺した手”といわれているのが、現実の国際社会だろう……」 「そうですね、ふつうの商品はそうですよね」 「増産どころか、三分の一売っても、高騰で同じ金額が儲かると、ほくそ笑んでいる……」 「彼らはアメリカがイスラエルに対して二重スタンダードというけれど、彼らの基準は資本主義ではない。このような投棄の対象になったのも、同じ中東の民がアメリカに無惨に殺戮していったのも一因だろう……。戦争によって、ムダに資源も使われていく……」 「戦争って、本当にイヤですね」 「ガソリン税をせめて社会福祉や地域の防犯のために働かれている人たちのためには、無税であった欲しいものと訴えた人たちは正しいことだろう……」 「大儲けしている人たちもいるんでしょうね……。オカネスキーがいたら、この越後屋め! と言っていることでしょうね」
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