あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 ![]() 172 やはり茜は茜? 多くの学生の人だかりができている。 「小一郎さん、がんばって!」 と声援がある。 「がんばるわよ! 奴隷根性まるだしで、まともな論理も言えないのに……。あなたねえ、テレビなんかに出ないでよ、本校の恥よ」 「そうよ、そうよ!」 と、男性たちの茶色の声がこだまする。 これだけの女性が集まると、さすがの但馬教授も、何もできない。 首を左右にふりふり、 「まったく、今日日の学生はいったい何を考えているやら」 と嘆いている。 でも、茜は、それでも、この世界では、女性に生まれた方が幸せだなあー、こっちの世界の小一郎になら、ちょっとは応援してやっかーと思っている。それにしても何をしたらいいのかしら……。 「バーカー!」 と、大勢の男生徒は、但馬の後ろ姿に向かっていっていた。 「よお、茜、今日、コンパがあっただろう」 明代さんが声をかけてきた。 この世界にもコンパがあるのね。 明るいことが好きな茜である。 何が明るいかって、何も考えないで騒いでいられたら明るいと思っている茜である。 強引につれていかれる気分だが、茜は困り顔だが、体はついていく……。 この世界でも学生の多くは貧乏であるから、コンパの会場は居酒屋である。 居酒屋ナルトでは、もう多くの学生が集まっている。 「いやー、私は大崎妙子と申します」 と、女性から名乗るのが、この世界の常識である。 「今日はいろいろ素敵な女性陣がいて、わたしたち胸がどきどきしちゃうわ」 ひどいぶりっ子だなーと茜は思う。 こんな友達がいたら、尻をけりたくなってくる。 --もちろん、けったりなんてしないけど……。
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