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しのです。不妊治療と妊娠と。その②

2020年11月05日 | 育児・妊娠出産・家事

しのです

(久々の私にも、コメントいただきましてありがとうございます。

嬉しく拝読しています)

最近のブームは藤城清治さん!

天気予報の番組や童話の挿絵で、きっと誰もは一度は見かけたことのある影絵作家さんです。

 

夏に美術館で本物を見て以来、そのあまりの美しさにものすごい感動を覚え

しばらくあの世界から帰ってこれなくなりました。

木々の葉も小鳥も、彼の絵に変換されて見えるほど。

メルヘンに隠れたすさまじいばかりの画力、色と光の美しさ。

本物は影絵なので、裏側から光に照らされてかがやいています。

印刷物になるとまったく違うのでミュージアムショップで

何も買う気になれなくて当惑したくらいです。

御本人はなんと96歳現役のおしゃれおじいさま!

真っ赤なパンツで毎日一万歩歩いてから制作にむかうとか、

あーもう、だいすきです♡

銀座や全国での展示会、各地の常設展示もあるので、

よかったらぜひ一度、本物に触れてみてください。

 

 

さて前置きはこのくらいにして、不妊治療のお話の続きを

2019年の春、産婦人科のセミナーに参加してすぐ

治療を申し込みました。(私の誕生日は6月)

一口に不妊治療といってもすぐにはじめられるものではありません。

女性のからだの生理周期に合わせて行うものなので、

一か月から二か月のサイクルがあります。

また、普通は最初からいきなりお金もカラダの負担も大きい治療もしません。

(タイミング法、排卵誘発剤などステップは小さなものからさまざま)

私の助成金対象となる特定不妊治療の一回目は、段階をへて5月に開始。

助成金、すべりこみセーフでした。

 

あまり楽しくない話ですが、役に立つ方もいらっしゃると思うので

流れをざっと説明します。

まずはよく聞く人工授精。

これは排卵のベストタイミングで子宮内に精子をスポイトで送り込むものです。

(森三中の大島さんが受けたのがこれに当たります)

次に体外受精。

女性ホルモンを一定期間投与し、卵巣で卵子を育てます。

卵巣での育ち具合を見て、良いタイミングで卵子を取り出す採卵手術と呼ばれる外科手術を行います。

取り出した卵子はすぐに精子と出会わせて受精、培養。

体の外で受精させるので体外受精というんですね。

うまく受精できると卵子は受精卵となります。

受精卵は母体のタイミングに合わせて体内に移植されます。(移植手術と言います。)

このときタイミングが来るまで凍結させておくこともできます。

これがうまく着床すれば生理がストップ。妊娠検査薬で陽性がでます。

その後心音が確認できた時点で、妊娠が成立します。

女性の生理周期にのっとって行うものなので、時間がかかります。

1サイクルで大体2か月弱くらい?というのが私の体感でした。

 

自然妊娠同様、すべての卵子がそのまま受精するわけではありません。

卵子の質にもよりますが、いくつかはだめになってしまうことがあります。

これは本当に個人差の出るところ。

また、受精しても移植すればすぐ着床、というわけではないのが不妊治療の世界であり、

生命の不思議です。(個人差はありますが)

これをふまえ、さらに無事出産にこぎつけるまでの確率はデータで見ると

なかなかに厳しいものがあります。

 

私の抱いたイメージとしては、ガチャガチャ

ガチャガチャの玉を卵子だとして、出産が当たりだとすれば

引いたガチャガチャのその中に当たりは何個あるかわからないけど、

玉は多ければ多いほどよいわけです。

ガチャガチャはお金さえあればいくらでも引けますが、

卵子は体調、体質、その他もろもろがからみあってそうもいかないのが難しいところです。

以上ざっくりと説明でした。ご興味あればお調べください。

 

結論として私が受けた不妊治療は、人工授精1回。(これホント楽だった)(あと安かった)

体外受精は、採卵手術を2回。(ロング法とショート法1回ずつ)

卵子は平均で6個ほど採れていましたが、無事受精卵として最後まで残ったのは4個。

卵子は一度に1個から2個まで移植できます。

受精卵を体内に戻す移植手術は、合計で3回でした。

受精方法は体外受精と、医師の技術を要する顕微授精の2つです。

 

一番大変だったのはこの採卵手術までの道のりでした。

効率よくたくさんの卵子を得るために女性ホルモンの薬を飲み、貼り、吸い、塗り。

様々な副作用に耐えたごほうびにラストスパートで注射を10日間ほど毎日打ちます。

(マゾか!ウケるわこんなん!)しかも最終日は一回2本。

これはほんともう打ち勝った私偉い。

注射のその瞬間、今一番食べたい甘いパンをめっちゃこまかく妄想することで乗り切りました。

大体いつも塩キャラメルナッツおすすめライフハックです。

 

薬の副作用は人それぞれであったりなかったりのようですが

私の場合は足のむくみ、イライラ、うつうつ、ぼーっとするなどで

二日連続で財布を忘れたりカレーの味が原因で夫とケンカして泣いたり、しました~

あと基本的にアホになった。

女性ホルモンを甘く見てはいけない。夫にもずいぶん迷惑をかけました…。

「人類はホルモンの奴隷」という言葉が浮かんだのもそのころです。

もうどうしようもない!という時、全身オイルマッサージと美容院で劇的に気分があがったので

もし同じ目にあわれている方がいたらおススメです!(真の被害者は夫でしたけど)

 

そして卵巣に卵がたくさんできたところで、タイミングをみはからって採卵手術。

私の病院では全身麻酔の手術でした。これはいちばん緊張するし、大変なところでした。

(みなさん、その日の仕事は必ず休みましょうね!

午前休でいけるとか思ったら絶対ダメですよ!)

 

私は最初の採卵手術で6個の卵子がとれました。でもそのうち

移植手術までたどりつけたのは1個。それも着床せずに終わりました。

2か月近くの、これが結果か…と茫然としたのを覚えています。

そして卵子の質が悪い事も判明。

現実を知りました。

 

ただ、はじめての卵子移植手術はとても幸せでした

これは手術といっても麻酔も必要ないほどの軽いものなので

術後の痛みもなく、家に帰ったあとゆっくり夕方の田んぼを散歩して、

夕空の美しさにいつまでも見入っていました。

タマゴがふかふかの子宮に降りて、しっかり着床するまでの期間は5日くらいと言われています。

ハリの先生いわく、卵が子宮の壁にほそい糸でぶら下がっている状態を想像するといいよ、とのことでした。

(だから飛んだり跳ねたり重いものを持ったりしません。自転車も乗らないくらいでした)

金とピンクと紫がまじりあう夕空の下でお腹にふれながら、

5日間の間だけでも、私は、あなたがだいすきだよ…。

来てくれてありがとう。あたたかいかな、大丈夫かな。

私はもうなにもできないけれど、あなたのいる場所がせめて

きれいなあたたかい海みたいな水で満ちるよう、過ごすからね…と語りかけました。

この先どんな結果になろうと、今この瞬間はお腹に受精したタマゴがいる。

絶対にゆるがない事実です。

そう思うと、生まれて初めて味わう感覚が体のそこからこみ上げて

満ちてゆきました。あの気持ち、あの美しい空。

いとしい。いとしい。

本当に味わえてよかったです

それから時がたち、たくさん泣きましたが今もあの時の思いは正しかったと思っています。

 

結果として私は移植手術三回目ではじめて妊娠しました。

身体、心、現実、収入、身の丈の暮らし。全部をよく考えて、

これで最後にしようと決めた三回目がまさかの当選、期間は約一年間でした。

 

私はきっと幸運で、早い方だと思います。

人によってはもっと早い方もいて、ある人は一回目で着床し妊娠しました。

しかしここで甘い希望をふりまくのは良くないと思いますので

しっかり申し上げますが、何年もかかる人もいる。

この個人差が、とてもとてもとてもデカい!!!

そして、個人差がどこで生じるのかがまったくまったくまったくわからない!!!

私は平熱は36.3度で冷え性もちですが、仕事は肉体労働で代謝もよいほうです。

中肉中背、年はいってますが若く見られることが多いです。うんよくわからない。

若いほうがよい、というのは確かにデータにあります。

でもそれだけでなく、さらに生命の誕生自体わからないことがまだまだ多く

やってみないとわからないことがたくさんあるというのが不妊治療の世界でした。

ぽかんとするほどきびしい世界の中で、妊娠率を上げるにはヨガ?アロマ?

温活?よもぎ蒸し?とやみくもに手段を探しましたが、

女性のからだはそう単純なものではなかった。

がんばるほどにストレスがかかって、自分の首を絞めていたように思います。

まあそもそも副作用でストレスかかってますからね。

「努力が結果を結ばない」茫然とする現実です。

やがて私は「楽を選ぶ」という悟りを得るまでになってゆきました。

これは不妊治療に関わらず、人生の後半戦を生きる上で大切な学びだったのではないかと

思っています。

 

話は変わりますが最初の採卵手術の後、卵子の質が良くないことが判明。

顕微授精でないと難しい卵子です、という診断結果でした。

ショックでしたが同時になるほど、という思いがありました。

どうしようもない、体質だったのだな~…と。

 

もう少し早く始めていれば、もっと早く知ることができた?

そしたら楽になれていたでしょうか。

しかしその人にはその人の経済事情があり

心のタイミングがあり、

夫婦の形がある。愛する夫がいる。

人生の大きな決断をする時、全て無視することのできないものです。

私にとってのタイミングはこの時しかありえなかった。

それを無理に早めていたら、子供の有無にかかわらず

私はもう少し不幸だったかもしれません。

なぜなら私にとって「授からないかもしれない自分」とは、究極には

失敗作であると思うことと同一だったからです。私の父母の子として。

そうじゃない。そうじゃないよと何度言い聞かせても、

自分の中の私が納得するには時間がかかり、時間はやがて行動を起こさせ、

起こした行動ひとつひとつが確実にゆっくりと私を説得しました。

夫や周りの人達や家族の透明な暖かさも大切な要因でした。(あと助成金)

そして春が来て、覚悟が決まり、不妊治療に踏み出せた。

不妊の直接的な原因がわかって、あきらめて。とても楽です。

 

大切な人が自分を失敗作だなんてもらしたら、

何言ってんのバカじゃないの大好きだよと100回でも言いますが

自分との対話は本当にうそがつけません。

そして、自分にうそをついたまま行う苦行は、何倍にも辛いと思うのです。

顕微授精でなければ受精は難しいだろう、と分かったあの日。

今までのことが本当に腑に落ちて、あきらめて、受け入れられた。

子供を得る得ないにかかわらず、そんなことよりももっと大事な

人生の幸福の鍵を手にしたと、思いました。

夫と幸せに生きてゆくことができる。そう、思いました。

 

私は西洋医学以外のアプローチで妊娠することが不可能だとは全く思っていません。

長年のつらい不妊治療をやめたら授かった、という、巷によくある話も

実際に知人の体験談として聞いています。

それほど、ストレスは身体を変えるのだと思います。

養生したり女性のリズムにそって暮らしたり、きちんとした医師の元で漢方や

中医学を取り入れたり、心をたいせつに自分をケアしたりすることなど、

女性のためのたくさんの手法が世の中にありますね。

もしわたしのように卵子の質が悪かったとしても、その人次第では

そうしたことをきっかけによくなっていくことはあると思います。

 

一方、インターネットには強い言葉もあふれていますしよくわからないものもたくさんあります。

どうぞ心なだめて距離をとり、自分の心にフィットするものを選び、

大切な判断をするときには、近しい人や家族、専門家、

信頼できる人の話をマンツーマンでよく聞いて、

よく考え、安心してからなさって欲しいと思います。

何が正解かわからない不妊治療の世界でも、安心はなによりも大切なことだけは真実でした。

 

相変わらず長くなりがち

続きます!

 

 

コメント (3)
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