夜泣き屋_ブログ店

僕がいなくなったときに、ウチのチビたちが楽しめるような、「ウチのチビたちのためだけの千夜物語」を目指します

ep174 人生最大の心配

2008-09-27 05:28:43 | 子供の様子から

この1ヶ月、


「神様に好かれるには、どういう行いをすればいいのか?」

そればかりを考えてきました。

もう、そりゃ、メチャメチャ【良い人】でいようとしました。

そのくせ、いつも吐き気と頭痛と胃痛に悩まされ続けていました・・・決定的に痛いわけではないのですが、ジワジワと・・・ふと気がつくと・・・っていう痛さです。

何かに熱中していればいいのですが、ふと、考える時間があると、考えたくないことを考えてしまい、頭痛と胃痛と吐き気がしておりました。

そして・・・

命の連続について考えたり・・・

渡辺美里の曲を聴いて、ホロリとしたり・・・

いっぺんには書ききれないと思いますので、少しづつ書いていきたいと思います。

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それは、5月の始めくらいの話です。

シュンタが、蚊か何かの虫にさされたらしく、しきりとかゆがっていました。

その場所が、いわゆる≪キャンタマ袋の裏ッ側≫でして、

「こら!かゆいからって、かいたらいかんぞ。」

なんて言いながら、笑っていました。

そのうち、そこが、プクっとオデキのようにふくらみました。

風呂に一緒に入るたび、

「ホントにウチのチビってカワイイなぁ~。カワイイと思ったら、キャンタマ袋の裏側のオデキまで、かわいく見えるもんなぁ~。」

って、思いながら、親バカを爆発させつつ、ニコニコしていました。

しかし、単なるオデキのわりには、1ヶ月たってもよくならず、ちょっと心配になったので、皮膚科に連れていくことにしました。

皮膚科の先生の話では、

「これは、ふつうのオデキと呼ばれるものと思って、間違いないでしょう。抗生物質で、少し小さくしてから処理しましょう。中が袋状になっていることも考えられますが、たぶん大丈夫でしょう。」

という話でした。

しかし、抗生物質を与えても【おでき】は、小さくなりませんでした。薬を強くしても、【おでき】は少しも小さくならなかったのです。

「もう少し小さくなってから処置しようと思ったのですが、今日、切開して、中のウミを出してしまいましょう。」


・・・しかし、ウミは出なかったのです。

「できものが何なのか、はっきりとはわかりません。・・・が、どちらにしろ切って検査しないといけないといけません。私が切ることもできるのですが、お子さんの年齢が年齢(小3)なのと場所が場所(キャンタマ袋)なので、局所麻酔とはいえ、さすがにためらいは否めません。そこで、大学病院の紹介状を書きますので、大学病院に行ってください。」

!!!

先生のいうことを聞き、素直に大学病院に行きました。

【7月の終わり】
カミサンとシュンタは、大学病院に行きました。

そこで、≪切るのが上手な若い医師≫を紹介され、8月の頭に【おでき】を切り取る手術を受けることになりました。

【8月5日】
【おでき】を切り取りました。手術は、ほんの数分。先生とポケモンの話をしてるうちに終わったそうです。

【8月7日】
楽しみにしていた、ペンションでのキャンプに行く。

行きがけには、釣りをし、借りたペンションでは、バーベキューをし、楽しい時間を過ごしました。

【8月12日】
手術後の診察。

「検査の結果ですが、はっきりしたことが言えません。ただ、一部に【顔つきの悪い細胞】が見つかりました。」

!!!!!!!

顔つきの悪い細胞!!

【顔つきの悪い細胞】がどんな意味なのか、だいたいは知っているつもりでしたが、一応、ネットで検索しました。

・・・でも【ガン】以外の言葉は出てきませんでした。

「詳しい検査の結果をしていますので、17日にもう一度来てください。ただ、基本的に悪いものとは思ってません。あまり気を落とされないように。」

ここらへんから、吐き気と、頭痛と胃痛に悩む日が始まります。

【8月17日】
「検査の結果は、まだ出ていません。8月25日に来てください。」

・・・だって、盆だもの、12日に出なかった結果が17日に出るはずがないっつーの。

と、自分を納得させようとしました。

そして、【8月25日】
「まだ、詳しい検査の結果は、出ていません。あと、そうですね~、2週間くらい待って、もう一度来てください。何日にしましょうか。9月13日ではどうでしょう。」

これは、すでに、納得できるとか、納得できないとかの問題ではありません。

今、動かなければ、今、できることはすぐにしなければ、後で後悔したくない、という激しい気持ちに突き動かされ、最初の皮膚科の先生のところに行くことにしました。

【8月26日】
初めの先生のところに、こんなふうに言われたのだが、本当のところはどうなんだろう、というふうに聞きに行きました。もちろん、チビは連れずに私一人で行きました。

「お父さん、ご心配なのは、重々わかります。私も、その検査が最初の検査がどんな検査なのかは、予想がつくし、だいたい知っています。ただ、詳しい検査となると、どんな検査なのか、はっきりいうことはできませんし、わかりません。ただ、一つ言えることは、『専門家がしっかり検査している』ということです。ご心配な気持ち十分わかります。しかし、こちらにも検査の結果が届いていないので、なんとも申し上げられません。もちろん、悪い予想はしていません。もう少し待ってください。」


悪いことばかり考えてしまう日々が始まりました。


その中でも一番悪いことというと、シュンタが、

「僕、どうしたらいいかわからん。。。」
・・・って言って泣き出したらどうしよう・・・。

ってことでした。

・・・【大冒険ごっこの相棒】としては、
できれば一緒に行ってやりたいな。。。。
・・・と、思ったり・・・。



そして、「Sちゃん」という女の子のことを思い出していました。

私が初めてSちゃんに会ったのは、彼女が小学校の4年生の時でした。

お家は、大きな農家で、ほがらかなお母さんと、暖かくて真面目なお父さん。お父さんは、趣味がオートバイで、ナナハンに乗ってらっしゃいました。

Sちゃんは、いつもニットの帽子をかぶっていました。脳に腫瘍があって、その薬の副作用で、髪の毛が抜け始めていたのです。

Sちゃんは、自分の置かれている状況を、幼いながらに、かなり正確に把握していたと思います。

彼女には、お兄さんが二人いて、その二人とも小学校に上がる前に原因不明の病気でなくなっていたのです。

3人目で女の子の彼女も脳に腫瘍を持っていました。

3人のお子様を、一番かわいい時に、次々と亡くされたご両親がどんなお気持ちだったか、私は、きっとまともに想像することさえできません。。。。

彼女が、小学校を卒業する時に、彼女の夢を聞きました。

周りの友達が、「キャビンアテンダント」とか、「花屋さん」とか、「幼稚園の先生」・・・というごくごく当たり前の、ごくごく子供らしい夢あふれる思いを表す中、彼女が口にした夢は・・・

「私は、

1日も早く大人になって、

お父さんのために

【跡取り】を産んであげたい。」

でした。

彼女の夢、それは・・・、



・・・ごめんなさい。言葉になりません。

生きとし生けるものすべてが、次に命をつなぐことを≪宿命≫として生まれてくると、私は思ってます。

チビがこんなにカワイイのも、誰かを好きにならずにいられないのも、きっと、根底に【種の保存】への強い衝動があってのことだろうと思うのです。

彼女の夢は、私のこの思いとは、全然違う動機から持ったものだとは思いますが、けなげに、「誰かのために生きたい。」という思いが伝わってきて、きっと言葉にならないのです。


彼女は、中2で亡くなりました。

お母さんになることなく亡くなってしまったのですが、今、彼女の顔を思い出すと、ほがらかでやさしくて、肝のすわった、素晴らしいお母さんになれただろう、と、思います。

そう、この1ヶ月は、このSちゃんのことを、時々、思い出していました。

9月に入ってから、毎日、心配で心配でたまらない日々が続きました。

自分の第一志望の大学の受験日を忘れていても、ヘラヘラしてて、大して心配もしなかった私ですが、わが子のことになると、こんなに心配するものなのか、と、鬼子母神の伝説もすごく納得できました。※

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ウィキペディア(鬼子母神)
元は鬼神・般闍迦の妻で、500人(一説には千人または1万人)の子の母でありながら、常に他人の子を捕えて食べてしまうため、釈迦は彼女が最も愛していた末子・愛好を隠して子を失う母親の苦しみを悟らせ、仏教に帰依させた。以後、仏法の護法善神となり、子供と安産の守り神となった。盗難除けの守護とも言われる。
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【9月13日】
朝一番で、実家の仏様に参ってから、大学病院に行きました。

実は、前日、カミサンが、

「アナタの友達のやってる焼き鳥屋さんに、みんなで行こうよ。」

と、言ったのですが、行く気になれず、鬱々として過ごしたのです。

そして、診断。

「一部に顔つきの悪い細胞はあったのだが、いろいろな検査から総合的に考えて、【虫刺されの跡】と考えて、大丈夫だろうと判断しました。もし、何かできた場合は、また、すぐにお越しください。」

・・・ということでした。

診察開始は、9時からなのに、先生は、8時40分から診察してくださいました。・・・先生の気持ちをありがたく感じました。

大学病院の入り口には、果物屋さんがあって、そこのフルーツ100%のジュースを飲むのをシュンタは楽しみにしているのですが、この日も、帰りにジュースを飲みました。

まだ、店は開いていなかったので、10分ほど待ってジュースを買いました。

180ccほどの小さなコップ1杯のピーチジュースが300円。決して安くはありませんでしたがシュンタと同じものをボクも頼んで飲みました。

このジュースを飲みながら、帰ったのですが、シュンタのヤツは、300円払ってジュースを飲ませても、その分の良いことは言ってくれるのです。それが、アイツなんです。

「ねぇ、パパ、こんなおいしいジュース飲んだら元気になると思わん?ガンとかに良いらしいよ。ガンで入院しているオバシャンにも、買って行って飲ませてあげたらいいと思わん?」

・・・シュンタは、こういうヤツなんですよ。

この日は1日、ホッとして思考停止してました。

帰って、実家の仏様に参って、私のオヤジオフクロに経過を報告して、(途中で報告したら、多分、心臓が止まったかもしれないので、今日まで内緒にしてました。)カミサンの実家に行って、報告して、仏壇に参って・・・。


こうして、ホームページに書けることが、なんだか、ありがたい気持ちです。

職場の先輩が、月曜日に話しかけてくれました。

「アンタさ、13日、診察の結果が出るっていいよったろ?どげんやった?朝からアンタの顔ば見よったら、【聞いてもいいかなぁ~】って思ったけんさ。」

・・・と。私の息子のことまで気遣ってくださるこの先輩も、とてもありがたいと思いました。


【夜泣き屋】

http://naomi4388.hp.infoseek.co.jp/

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