むか~し・むかし女がいました。
女にはよちよち歩きの元気な男の子がおりました。
その子はクルクル回るコマとか
糸を巻いた木のコマや
カセットテープの真ん中の丸いやつとか・・・
とにかくクルクル回るものが大好きな子でした。
ある日、乳母車で買い物に出かけました。
乳母車では座らずにいつも立っています。
この子は、自分の乳母車に回るコマ、そう、車輪に気づきました。
身を乗り出して車輪に見入っていました。
横断歩道で危うく、真っ逆さまに落ちそうになりました。
女は咄嗟にこの子を受け止めました。
落ちなくてよかった!
女は思わぬ事が起こることをこの時、思い知りました。