雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

恐怖の雪道

2010-12-27 | 雑記
 ここ二、三日雪がよく降っている。金沢市内のほうはそれほど積もってはいないが、富山県の山間部などだとかなりの量である。仕事柄、ほぼ毎日富山のほうへ行くので金沢との差があからさまにうかがえる。
 行きは高速道路を走るのでさほど問題はないのだが、帰りはその山間部にある国道を通って帰るのでなんともしんどい。
 ただでさえ雪の多いことに加えて、帰りは凍てつく深夜帯である。数多くの車が通った轍(わだち)がテカテカと凍りついていてガクンガクン跳ねたり滑ったりすることこの上ない。
 しかしながら、これでも車の免許をとってすでに二十年近くになる。雪道での走り方は心得ているつもりである。
 が、しかし、それも乗用車に限ったことであってトラックともなるとまだ数ヶ月の初心者である。やはり乗用車とはわけが違うのでかなり恐い。吹きすさぶ雪で視界も悪く、足元はいつ滑るとも知れやしない。
 そんな状況なので、私はその一車線の国道を30キロから40キロくらいでちんたら走っている。
 今日もそんな具合で帰り道を走っていたら、もの凄い勢いで追い越しをかけてきた大型トラックがあった。その国道は追い越し禁止である。というか、かなりの悪路、悪天候である。
 ふつうの状況においても、私の運転しているトラックは60キロ縛りなのでよく追い越しをかけられる。そんなとき私はいつもナンバープレートを見る。大体は県外ナンバー、特に関西系にその傾向が見られるが、今回は「山形」ナンバーであった。それを見た瞬間、

「なにちんたら走ってやがる! こんなもん、まだまだ雪道のうちに入らねーぞ!」

 という声が聞こえてくるようであった。

 私は心の中でソッと、その大型トラックがそのまま滑っていって山の斜面に激突することを祈った。
コメント (4)
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