雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

世間の狭さ

2010-12-21 | 雑記
 日曜の夜は、会社の忘年会であった。しかしながら、24時間365日営業のコンビニエンスストアに品物を配送する仕事の者たちが全員集まれるわけはなく、十数名を三班に分けてそれぞれ日にちをずらして行うという苦肉の策がとられた。そんなわけであるから人数は少ない。結局自分らの班は六人で行うことと相成った。こうなるともう、会社の忘年会というよりは、単なる仲間内の飲み会といった具合である。
 それでも普段ではあまり話しをする機会のない人などともお喋りできるので、有意義ではある。
 そんな、今まであまり話す機会のなかった……というか、基本的に配送の仕事など孤独なもので、会社で顔を合わせてもそんなに話す時間もなく、とっとと荷物を積み込んであとはトラックの中、粛々と孤独の中で仕事をこなしていくだけで、帰着してからも、すでに疲れ果てていてお喋りどころではなくとっとと帰ってしまうので、みんなあまりお互いの深いところまではなかなか知れない。未だに、どこらへんに住んでいるのか? 何歳なのか? 既婚者なのか未婚なのか? 等々、謎の人も数人いる。
 そしてちょうど自分の対面座った人もまた、顔を合わせばちょこちょことくだらない話はしていたのだが、一体に謎な人であったので、この機会に色々探りを入れてみた。するとこれがまた、話を聞いていくうちになんと自分と出身中学が同じであることが判明した。またさらに、「え、じゃあ○○小?」と向こうが訊いてきて、自分が「いえ、△△小です」と答えると「えー!! オレもだよ! 今幾つだっけ?」と盛り上がる。
 自分が「36っす」と言うと「えー! オレ、40だから……じゃあ、小学校のときおんなじ校舎にいたんだー!」と、そこからその人はかなり盛り上がっていたのだが、自分としては「っていうか、この人。40には見えないんですけど?」というほうに意識がいっていた。
 それは、「若く見える」というのではなく、なにやら「幼さ」のようなものを端々から感ぜられていたからである。そしてこの、もう40歳にもかかわらずこのような「幼さオーラ」を発している人間が親しい友人にいるので、もしや? と思い訊いてみた。
「結婚されてるんですか?」
「いや、オレまだ独身(てへっ)。」


 やっぱりな……


 と、かくも自分の周りには、不惑の年齢に近い者たちの独身率がなんとも多いことであろう……と、世間の狭さを感じつつも、しかし独身者たちからするとなかなか待ち人を探し出せない世間の広さに戸惑いを感じているのだろうなぁ、などといらぬ事に思いを巡らせてしまった次第である。
コメント
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