雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

水曜日の神さま/角田 光代

2010-09-25 | 小説
 なんだか、『小説』カテゴリーは久しぶりだなあ……最近なかなか完読できなかったからなあ……、というわけで、もう長編小説は諦めてエッセイ集にしといた。これなら途中で返却期限がきても惜しみなく返せるから。
 そんなわけで角田光代さんの、主に「旅」に関するエッセイをまとめた一冊。
 今回初めて、角田女史の本を読んだ。角田さんといえば、キョンキョン主演の映画『空中庭園』くらいしか観てなくて、それで特に原作を読んでみようかな、なんてことも思わなかったので、あれだったんだけれど、なんでか「ふっ」とこの本のタイトルに引き寄せられるように手をとってしまった。
 パラパラとめくり、とある章を何気に読んでみた。それはまあ、旅行時におけるトイレの話(所謂シモネタだな)であったのがなんか運命的。
 これはちょっと面白いな……。そう思って借りてきた。それがどうだ。端から読んでいくとこれが実に、ひじょうに、面白い。この、旅行記のようなエッセイのような……とにかく、その経験や生き方もさることながら、文章的にもひじょうに軽妙且つ深遠で、「いやこれは、一度小説も読んでみなければな」と思わせるに充分たる充実内容だった。
 半分以上は「旅エッセイ」。残りは日常的かつ作家的エッセイで、かなり珠玉の一冊であることは間違いない。
 時折(それはエッセイ本でよくあることなのだが)、「ああー、この本は買ってもよかったなぁ」といった、何回も読み返したくなる本に出逢う。そういう一冊。
「じゃあ買えよ。買ってまた読めよ」
 と、言われるだろうが、まあなかなかそういうわけには……が、しかし、古本屋などで安価であったならば、買う。(実際、瀬尾まいこさんや川上弘美さんなんかの本は買ってる)
 
 と、そんな感じで、仕事および生活的にも一応余裕が見えてきたので、これから角田女史の本を読もうかなぁ、と思っている次第なのである。
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酒のアテ、考察

2010-09-21 | 雑記
 現在の仕事をする以前は、ほとんど毎日と言っていいくらい夜は呑んでいた(休刊日は週イチとか)。それが今では運転の仕事ということももちろんあるが、とにかく仕事が終わって家に帰ったら、あとはシャワーを浴びとっとと寝なければ睡眠が事足りないという具合なので、自ずと三日も四日も休刊日ができてしまう。それはそれで、もちろんよいことである。身体にもよいし、金銭的にも、だ。そしてなにより、その三日四日の我慢の末の飲酒が、殊の外美味いのだから! もう、はっきり言って、休日前の仕事帰りは「帰ったら何をアテ(肴)に、呑もうかしらん?」ということしか頭にない。
 しかしながら、自分の仕事が終わるのは深夜の2時3時、必然的にそのアテはコンビニで賄われる。
 さて、ここでだ。自分の会社から家までのルートにあるコンビニが以下である。
 ファミリーマート、ローソン、サークルK、セブンイレブン。
 自分は特に、贔屓のコンビニというものはない。ただ以前、サンクスに勤めていたのであまり行く気はしない。だがご覧のとおり、近隣にサンクスはない。近隣にあった自分の勤めていたサンクスは今はもう、ない……。
 そんなわけで、ようするに、今夜は何をアテにしようか考察を、この四つのコンビニからするのだが、ここで肝心なのは必ずしも商品によってソレが左右されるわけではない、ということだ。が、もちろん、品揃え的な考慮もある。とりあえず、その色々の考察をずらっと並べてみる。
 まずはファミリーマート。一応、言っておくが、ファミリーマート全店舗がそういうのではなくて、あくまで自分が立ち寄る店舗がそういうの、ということである。
 で、ここは、店員さん的には、四店の中で一番○。おそらくオーナーとか店長さんなんだろうけど、深夜にもかかわらずしっかりとした接客をしてくれる。ただ……品物的に一番そそらない。ビールの新商品とかも入荷するのが遅いし、あと時間の問題もあるのだろうけれど、アテになるものが少なすぎる。ちょっと残念なのであまり行かない。
 次はローソン。ここもオーナーだか店長だか、ちょっと中年メガネデヴの方なのだけれど対応はまあまあ。ここは「いかの炉辺焼き」みたいなのがわりと美味いのでソレ系で呑みたいときに立ち寄ったりする。しかしここもやや品薄、ついでに店長の髪も薄。
 次はサークルK。ぶっちゃけここへ一番寄ってしまう。なんせ家から一番近い。接客も、昔から深夜にいるオーナーの奥さんが感じのいい人なのでよい。ただし時折、小汚い、いかにもつかえなさそうな若人がいるときもあるので要注意。だがなにより、品揃えが一番豊富なのである。と、いっても、たいがい買うものは決まっていて、だいたいは「ごぼうサラダ」と「豚タン塩」である。実は今日もソレであった。焼き鳥とか、なんか「ラー油で食うニラ饅頭」とか美味そうだったのだけれど、なぜだか「タン塩」にいってしまった……でも美味いんだ、これが。
 さて、そして最後はセブンイレブン。まあ言うたら、自分の仕事はセブンイレブンへの品物の納品ですけどね、もちろんこの店にも何度か納品に行ってますけれどもね、でも自分がここで買うアテとかはまた別もので、自分は飲料や雑貨、お菓子やカップラーメンなど常温物を運んでいるので、わりと興味深げに立ち寄ったりする。が、ここが一番、接客的に最悪かな。いや、納品時、だいたい夕方くらいにはオーナーさんがいて、その人はとてもいい人なのだけれど、深夜は最低ですわ。まあ「深夜のバイトなんてたいがいあんなもんか」と思えばそんなものだけれども、自分は他の店舗の深夜の納品もやっているので色々なバイトさんを見てるから言うけど、やっぱりソコはちょっとひどい。しかもそれに相まって品揃えが悪い。いや悪すぎる。
 たとえば仕事中、他のセブンイレブンに納品中、「あ、あれ美味そうだな。よし今夜はあれで一杯いくかー。帰りに近所のセブンに寄っていこー」と、浮き浮きしながら行ったら、ねーの。ほんと、ことごとくねーの。もうなんか、おんなじ系列の店とは思えない品揃え。
 ならソコ、行くことねーじゃん。と思うのだが、これがまたどうにも美味いアテがそこにあって、なんかセブンプレミアムっつってセブンにしか置いてないんだよこれがまた。冷凍食品の「炭火焼鳥」ってヤツなんだけど、これが値段的にも味的にも最高なのだよ。この店にははっきり言って行きたくはないのだけれど、別のセブンイレブンまでだとかなりの回り道をしなくちゃいけないので、しょうがなく三回に一回くらいの割合で行ってしまう。その「炭火焼鳥」のためだけに!

 というわけで、なんだか長々と書いたわりにはまったくもって身のないお話となりましたが、そんなこんなで、今夜もまた、程よく酔いが廻ってきましたので、ごきげんよう。
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久しぶりに酔っパー

2010-09-15 | 友人
 先日、会社で仕事を教わっている先輩と呑みに行ってきた。先輩(32♂バツイチ)と、先輩の知り合いという女性二人、ともに四十代で一人は子持ちのバツイチ、もう一人は子持ちの既婚者。一応、男2女2ではあるが、まったくもって危険な香りなどはない、いたって健全な呑み会であった。自分も特になにかを期待しているわけでもなく、とりあえずコレが終わったら一人で馴染みの寿司屋に行こう、とずっと思ってたので、抑え気味に呑んでいた。三時間で生中二杯と芋焼酎の水割り三杯というかなりのスローペースで。女性陣のほうは、もう生一杯とチューハイ二杯くらいで切り上げていた。そして先輩はというと、生中四杯くらいですでに出来上がっている状態。というかもう顔が真っ赤で横になったりする始末。
「それじゃあもう、コイツ起こしてお開きにしますか」
 といって、先輩を起こし立ち上がらせ、会計まで行ったのはいいが、突然先輩、ふらぁ、とよろけて勢いよく壁に頭を打ち付けやがる。
「うわぁっ!」とかいいながら、とりあえず私は必死に先輩の身体を支えるのだが、全然真っ直ぐに立っていられない状態。しかもものすごく汗だく……。え? 急性アル中? とかも一瞬思ったのだけれども、大声で呼びかければ返事もするし、特に気持ち悪いわけではない、というので、とにかく水を持たせ、先輩の車に乗せて、あとは代行さんに任せた。それを見届けると女性陣は(いや、見届ける前だったな)さっさと帰っていった。
 すっかり酔いの醒めた、というかさほど酔ってもいない私は一人、バスに乗って地元に帰りいそいそと馴染みの寿司屋に顔を出した。

 そこでいつものように、さわらやイカの刺身、貝の酢の物なんかを肴に生中をことごとく呑んでいたら、四人連れの男性客たちが入ってきた。年の頃は自分とそれほど変わらないか、少し上といったところであろうか。とにかくこいつらの喋るいちいちがイラつく。だが馴染みの店でいざこざを起こしたりするのは道義に反すると思うし、且つ大将も色んな軽口を叩かれながらもそれらを軽くあしらっているのだし、ここは自分もほっとこう……と思っていたのだが、突然、その客の一人が、よせばいいのに私に話しかけようとしてきた。
「お兄さん、この店よく来るの?」だったかなんだったか、そんなようなことを。
 ただでさえ、気性の悪い私が、いい具合に酒が入ってきたところに性質の悪い輩にそんなこと言われたもんだから、思わず、

「ハァ?」

 と吐き捨ててしまった。するとにわかにその場の空気が「ぴしっ」ときたようで、自分も「オラ、くるならこいや!」モードに入ったのだが、すかさず大将が、「あ、こっちはほっといてやって」と場の空気を自然に戻してくれた。
 いやそれにしても、どう考えても大の男四人を相手にして一人で勝てるわけねーだろ、と今にして思うのだが、たぶんヤバくなったら大将がなんとかしてくれるだろう、とかいうのがあったんだと思う。サンクス大将! いやさ、Kちゃん。

 というわけで、その後、まだまだ呑み足りない、というか話したりない感じの私は、店じまいを終わらせたKちゃんと二人で近所のコンビニへ行き、ビールとつまみを購入して(この辺りから実は記憶がヤバイ)あれやこれやと語っていた、みたいだ。

 それから3時だか4時だか知らないが、いいかげんに帰宅したというのに私は無意識の態でウィスキーの水割りなどを作り、たぶんそれを一口くらい流し込んだ時点で、その場に突っ伏してしまったらしく、朝起きてきた女房の怒号によってふらふらと起き上がって布団に向かった次第である。

 いやそれにしても、久々の連休で久々の呑み、というのもあって、いくらでもビールが入っていく状態にあった。そして久しぶりに気持ちよく酔っ払って、翌日久しぶりにとことん気持ち悪さを味わえたのであった。
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ところで現在の日本の首相は誰ですか?

2010-09-11 | 雑記
 仕事が変わってから一ヶ月と少し。その間、まったくテレビを観ていない。そしてウチは新聞もとっていないので、世間の情報がなかなか入ってこない具合。強いて入ってくるとしたら、一週間に一度くらい起ちあげるパソでしょぼいヤフーのニュースの文字をチラッと見るくらい。あとはノロモンのブログの時事ネタで世の情報を得るくらい。
 だもんで、現在、かなり時流に乗り遅れている……というか、乗ってない。なんか別の次元で生活しているみたい。
 ぶっちゃけマツジュンとか金八っつぁんとかが総理大臣になっててもあんまし驚かない。むしろこれからの日本に期待できる感じ。
 まあ、そういうことで、なにが言いたいのかというと、生きていくうえで情報なんてそんなにいらねーんだな、ってこと。

 で、現在の首相てレンホー? それとも、北野武とか?
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小説を完読するヒマがありません

2010-09-06 | 小説
 仕事から帰ってきたらシャワーを浴びて寝るだけの生活をここ一ヶ月送っている。
 いや、別に。それがどうのこうのというわけでは、ない。今まで、半年ほど、のんべんだらりと暮らしていたのだから、いっそこの忙しさは心地好い……など、あるはずもなく、いや、仕事面に関しては特に文句もない。周りも善い人たちばかりで、それなりに環境や仕事にも慣れてきて、猛暑日の続く毎日に日々数リットルの汗を流し、飯は一日二食、または一食で、すでに体重は6キロ減り、ベルトの穴は三つ縮んだ……そんな究極のダイエット的なスバラシイ仕事だと思いマス。
 ただ、この状況下において、なにが困るかというと本が読めない。あーんど、DVDなんかも観られない。
 DVDに関しては、まあ、重要なところだけ観とけばあとは早送りすれば……(それはー、エロDVD、ですね)なんとでもなるんだけれど、本、特に小説なんかだと、こりゃいけない。
 基本、自分は本は図書館で借りるタイプなんで猶予が二週間。
「おいおーい、二週間もあれば小説の四、五冊は余裕で読めるだろー」
 というのは以前の自分で、現在はちょっと長い小説などは二週間なんて「アハンっ!」という間ですわ。
 別に、延滞できるんだけれどもさ。図書館ってヤツはぁ……でもそれは、次に貸出の予約が入っていない本に限ってなので、どうしても人気作だと二週間以内に読まなければならない。でないと、次借りられるまで六十人待ちとかだし。
 現に、村上春樹の「1Q84」。ようやく借りられたのはいいけれど、結局半分くらいまで読んで、返した……いったい、青豆と天吾の運命や、いかに!? みたいな。
 その後、「神様のカルテ」くらいはなんとかギリギリで読めたのだけれども、その次に予約待ちしていた東野圭吾の「プラチナデータ」。これがもう、あと五日で返さなきゃいけないのだけれども、ようやく半分くらい読めた、ってところで……なんか、こんなブログ書いてるヒマがあるんなら「読めよ!」って感じなのだけれど、明日休みなもんで、もうビールとかガンガン呑んでて、酔い酔いで、小説を読めるような状態ではなく、かろうじてブログくらいなら書けちゃうぞっ
 てなもんで、要するに、小説を読むヒマもないということは、とりもなおさず、

オナニーする間もないんだよ!

 という性年の主張で、今宵は勘弁してつかぁさい。
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一日の半分

2010-09-02 | 雑記
 なにか、日常生活でのあれこれを書こうと思ったのだが、如何せんこのごろでは一日の半分以上は仕事をしていて、帰ればあとは寝るだけという生活なので、日常というとどうしても仕事サイドでのなんやかやになってしまう。
 いや、仕事サイドのなんやかやと言っても、きわめて真面目に働いているだけなのでそうそう「やらかしたー」ってことはない。
 ただ、色々なところで色々な人を目にするので、色々思うところが出てくるなぁ……といった具合。
 
 とりあえず、際立って目につくのは「オマエ、死ねよ」っていう客。

 すごく感じの好いオーナーさんがやっている店舗がある。もう、ホント、オレたち配送員にまで、やたら気を遣ってくれる菩薩のような女性なのである。
 自分らは入店した際、お店の人にレジで入店スキャンをしてもらわなければいけない。お客様がいたら待っていなければいけない。常に、お客様優先である。
 そのときも、若い(やんちゃそうな)あんちゃん(二十代後半くらいのガテン系)のお客様がやってきたので、自分はもちろん退いてレジの済むのを傍らで待っていた。するとそのあんちゃん、千円以下の買い物で一万円札を出したらしい。しかしその夜はあいにく五千円札をきらしているらしく、人の好いオーナーさん「申し訳ございません、千円札でのお返しになりますけどよろしいでしょうか?」と、丁寧に断りをいれたら、
「え゛ーっ゛! え゛ーっ゛! 五千円札ねーが? え゛ーっ゛!」
 などと、ガテン系あんちゃん、やたらのたうちまわりやがる。
 
 いや、確かに、知らんよ。お前の五千円札が切に欲しい理由というのは。でもさ、無いもんはしょうがねーだろ。しかも別に「お釣りが無い」とか言ってるわけでもねーだろ。ちゃんと釣銭の金額は戻ってくるわけだろ。だったらそこまで、懇切丁寧に「申し訳ありません、五千円札きらしておりますんで」って言っている人に対して、その態度はねーだろ。どんだけ五千円札欲しいのか知らねーけど、いい大人がバカみたいにいつまでも、
「え゛ーっ゛! マジでぇ? え゛ーっ゛!」 
 とか言ってんぢゃねーよ。

 と、自分、本気でキレ気味になって、一言物申してやろうと一歩踏みでたところでそのあんちゃん、「んなこれでとって」と、財布から千円札を取り出して渡した。

 いやいやいや!

 オマエ、死ね!

 まったくもって呆気にとられた次第である。

 その後、そのオーナーにスキャンを貰いにいくと、いささか表情がこわばっていたが、たかだか一配送員の私に対して、「お待たせしました。よろしくお願いします」と笑顔を見せてくれた。
 その笑顔を見て、「今の客、裏でちょっとシバいてきましょうか?」と本当に言いたくなった。
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