雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

峠うどん物語 / 重松 清

2012-01-20 | 小説


『凍裂』のついで……といってはナンだが、久しぶりに重松清の本も借りてきた。まあ、重松なら大抵外れない、そう思って借りてきたら、うん、ものの見事に外れなかった。いつもの重松節。
 なんだかんだと涙腺を「うるっ」とさせるのは流石、泣かせの名手。
 それほどの重さを持たせず、それでも人の生死の意味を充分に考えさせるのは、まさに職人技。

 最近では、うどんより蕎麦を喰うほうが多くなったけれど、この本を読んだら無性にうどんを啜りたくなった。
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凍裂 / 喜多 由布子

2012-01-20 | 小説
 年明け、久しぶりに図書館に寄ってみた。ふと、時間があったので。
 このところ、仕事ばかりで本を読むヒマなども無いのだけれど、それでも、あの、本の背表紙がズラッと並んでいるのを眺めているだけでも、なんだかワクワクするから。
 いつもの見知った本や、いつも読もう読もうと思いつつもやり過ごしてしまう本、そして新たに加わっている名も知らぬ作者の本……。
 それらを時の過ぎ行くままに追っていったところ、ふと、どうにも気にかかるタイトルだった。

『凍裂』

 作家の名を見てもピンとこない。まったく、知らない作家。それでもそのタイトルに異常て、本をとった。表紙をめくると、新刊の帯が貼り付けてあった。

『貞淑な妻が、善良な夫を刺した。』

 ああ、もう、神(本の神様)の力が働いたとしか思えなかった。迷うことなどなく、借りた。
 そして読み始める。ただでさえ、忙しい最中で読みきることができるだろうか? と思いながらもページを手繰る。
 果たして、ものの三日もかからずに読み終える。とにかく、夢中になって読んだ。
 例えば「面白かった」とか「つまらなかった」などという感想が沸いてこないくらいに、とにかく夢中に。

 あえて感想を述べるなら、
「これからは妻への言動に細心の注意と敬意を払わなければな」
 といったところか。

 神(本の神様)の計らいに感謝する。
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