一僧侶の日常の思いを語る
沙門の法話
薬物
どうして人は薬物に手をそめるのでしょう。それは快楽の為でしょうか、現実逃避の為でしょうか。
人は一度タガが外れると次から次へと欲望がエスカレートするものです。まるでそれもある意味麻薬と同じようなものなのでしょう。
美食家の魯山人が究極の食事はと問われたときにめいいっぱいお腹を空かしてたべることだと答えたと聞いたことがあります。
めいいっぱいお腹を空かせばごはんとみそ汁がどれだけ美味しいものになるかは試してみればわかります。
普段は味のある飲み物や炭酸などを好んでいても究極、喉が渇けば水ほど美味しいものはないと言います。
どうしても手に入れたいものをなんとか手に入れたとしてもその喜びもつかの間次なる何かを求めるのが人というものです。あの思いはいったいなんだったのだろ。自分でも不思議に思うはずです。
結論をいうとそのものではなく自分の状態次第で満足度はいくらでも変わってくるということです。
芥川龍之介の小説の「芋粥」
主人公は「芋粥」を食べたいといつも思っていました。当時はぜいたく品だったのです。それを面白がった将軍が思いっきり食べさせるわけです。
しかしあこがれの芋粥がいざ目の前にあっても何故だかまるっきり食欲が出ない主人公。無理やり食べさせられて苦しむばかり。
私たちは現実から逃げずに何が幸福なのかを自分で見出さなければなりません。
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