前回予告通りお待ちかね 能楽撮影会(6/19 横浜能楽堂)での
「野宮」の舞台写真をアップさせていただきました
りんぷうの会のホームページに掲載した写真と同じカットですが
こちらがノートリのオリジナル版です。
シテ(主役)は出雲康雅先生(喜多流) 撮影は会長の神田佳明です
優雅でいかにも貴婦人然とした六条御息所で本当にきれいでした
比較していただくと分かりますが先日掲載の出雲先生の「羽衣」と
この「野宮」の表情とでは面は同じ「小面」(こおもて)なのに
ずいぶんと趣が異なりますね
「羽衣」のほうは屈託のない晴れやかな天人の微笑でしたが
こちらの「野宮」のほうは陰影があり憂愁を感じさせる表情のように感じます
季節で言うと華やかな春と美しいけれど物寂しい秋の違いのようですね
◆参考まで 能「野宮」について◆
光源氏の冷淡さに絶望した六条御息所が苦しい恋に終止符を打つべく
斎王に選ばれた娘に同行して伊勢へ下向する決意を固め
精進潔斎のため野宮神社に籠るが、後を追って光源氏が訪問する
六条御息所と光源氏の秋の日の束の間の再会と別離を
描いた「源氏物語」の第十帖 賢木(さかき)をベースにしつつ
光源氏の正妻・葵上との車争い(第九帖 葵)のエピソードも
盛り込まれています
撮影会当日の三浦裕子先生(りんぷうの会副会長・武蔵野大学客員教授)の解説で
「野宮」は鬘物の中でも大曲であり名曲と伺った通り
ただきれいなだけでなく重厚で深みのあるいい舞台でした
出雲先生には「野宮」の後、もう一曲「小鍛冶」も舞っていただいたので
本当に大変だったと思いますが撮る側の立場からすると同じ日にまったく
異なる曲趣の舞台が二番も撮影できて非常に感謝しております
参加者一同よりこの場を借りて出雲先生には心より御礼申し上げます
ありがとうございました
申し訳ないですが、12/3の次回撮影会も二曲構成になりますので
またよろしくお願いいたします
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