「りんぷうの会」 公式ブログ

会長:神田佳明(能楽写真家)
能楽撮影教室・能楽舞台撮影会は現在、休止中です

荒井玲子写真展「まぶたからおもいでなど 溢れる 。」

2015年08月08日 | 写真展のご案内

本日は写真展のお知らせです

岩手県大船渡出身の写真家・荒井玲子さんが8/12(水)から
横浜市民ギャラリーあざみ野で個展を開催されます

◆荒井玲子写真展「まぶたからおもいでなど 溢れる 。」

2015年8/12(水)~8/16(日) 10:00~18:00
横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1F-B
http://artazamino.jp/
〒225-0012 横浜市青葉区あざみ野南1-17-3
TEL 045-910-5656
FAX 045-910-5674



当ブログでもこれまで何回かご紹介させていただいておりますが
荒井さんは東日本大震災以降、定期的に故郷に帰省され
復興で変わりゆく被災地のリアルな現状を継続的に作品として発表されています

昨年の写真展「このような 残暑 。」で発表された作品5点を
ご縁があって山口県周南市美術博物館に寄贈されたとも伺っております


以下、荒井さんからのメッセージです


暑い毎日です。お見舞い申し上げます。
今回の写真展の日程は8月の御盆と重なります。

死んでいった人々に、写真展を、供養として捧げます。

大きな木はポプラ。津波にさらわれなくて、よかった木です。



「あんだ よくいぎだごど」と、わたくしは言う




この所に、故も縁も、埋んでいる

かさ上げ用土でできた山々。

ここは古塚なのだろうか、と思い込ませるような
かさ上げ土の盛り方をしていて、拝みます。



管理人は最後の盛り土の写真を拝見して
お能の名曲『隅田川』の舞台を連想しました

『隅田川』というのは能の傑作の一つで非常に人気のある名曲中の名曲

人さらいにあった行方不明の我が子を探して母親が京都から東下りで
はるばる隅田川のほとりまで流れ着き、そこでかわいい我が子・梅若丸の一周忌の供養に
巡り合わせるという哀しい物語です


お舞台の中央には小さな山のように
こんもりした作り物の塚が登場します

能『隅田川』について詳しくは下記のページなどご参照ください。
http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_012.html
http://www.the-noh.com/jp/plays/photostory/ps_012.html



暑さ厳しき折ですが、荒井玲子写真展「まぶたからおもいでなど 溢れる 。」、
是非、ご高覧いただければと存じます




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山本東次郎家の虫干し

2015年08月02日 | 能楽ニュース
↑たすき姿で狂言面について詳しく解説される山本東次郎先生


連日、気温が35℃とか36℃など尋常ではない猛暑が続いております。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
熱中症にはどうぞお気をつけください。


神田佳明会長より旬な最新情報が届きましたので
アップさせていただきます。

今回のテーマは、大蔵流狂言・山本東次郎家の虫干しです。


7月30日午後、人間国宝の大蔵流狂言師・山本東次郎先生とご一門が
東京・杉並能楽堂で虫干しを催されました。


虫干し:衣類などを虫や黴から防ぐ目的で、土用の頃に陰干しして風を通す夏の行事のこと

狂言肩衣(かたぎぬ)・素袍裃(すおうかみしも)・直垂(ひたたれ)・狂言袴といった麻の装束が
桟敷に所狭しと並べられ、熨斗目(のしめ)・厚板(あついた)・唐織などの絹の装束は
能舞台にびっしりと吊るされていました。


↑能舞台の天井に吊るされた狂言装束の数々。白い紐が織りなす直線も美しい。

百を越える狂言面は畳のお部屋に飾られ、
たすき姿の東次郎先生が面の種別や性格を丹念に解説していらっしゃいました。
冒頭画像、参照)

普段とは違って狂言面の表情を間近に見、装束の質感を味わうなど、
日常とは異なる贅沢で貴重な一時でした。



↑右手前は、来場者に狂言装束の説明をする山本則孝さん。

近年、ゲリラ豪雨に襲撃されるなど
地球温暖化の影響を実感することがありますが、
虫干し当日も突然に暗雲が垂れこめ、
玄関前に並べられていた赤頭(あかがしら)・白頭・黒頭の仮髪(かはつ)類が
急遽、片づけられるなど、主催者のご苦労が偲ばれる場面もありました。




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