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2/6(土)喜多能楽堂で行われました「出雲康雅の会」の舞台写真を
アップさせていただきます
冒頭写真は能『絵馬』より出雲先生が舞われた後シテの天照大神
撮影は神田佳明会長です
お能の現行曲はだいたい二百数十曲くらいあるそうですが
その中で恐れ多くも皇祖神であり日本神道の頂点に君臨する天照大神が
シテとして登場するのはこの『絵馬』だけではないでしょうか(←違ったらゴメンなさい)
喜多流では本来、小書(こがき)の付かない通常の演出では
天照大神を男神として登場させるそうで
今回の「出雲康雅の会」のように「女体」の小書が付くと
一般的な天照大神のイメージ通り女神の姿で舞われるとのこと
小書のない通常の演出=男神での『絵馬』のほうが上演は稀だそうで
本来は特殊演出である小書付きのほうが主流というのは面白いですね
観客の立場からすると、やっぱり天照大神は美しい女神の姿
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登場してくれるほうが嬉しいし有り難いと思います
後場で出雲先生の舞われた「神舞」
天照大神にふさわしく荘厳で貫禄があり素晴らしかったです
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こちらは前シテ 出雲先生が手に持っているのが白馬の描かれた絵馬
前場では実は伊勢神宮の二柱の神の化身である老夫婦が登場します
老人(=シテ:出雲先生)が晴天の印である白馬の絵柄の絵馬を持ち
老女(=ツレ:内田成信師)が雨天の印である黒馬の絵馬を持ち
どちらの絵馬を奉納するか夫婦で争いますが
結局は天下万民が喜ぶよう五穀豊穣を願って両方の絵馬を掛けるというのが
前場=前半のストーリーです
ちょっと脱線しますが、たまたまNHKで昨日(2/13)に放送されていた番組で
長崎県・壱岐の船競漕が取り上げられていました
(「NHKスペシャル 司馬遼太郎思索紀行 この国のかたち」)
二艘の船が紅白に別れて競漕し
一の船(紅)が勝てば大漁で、二の船が勝てば豊作と占ったとか
大漁と豊作、どちらが勝っても有り難いことで面白い習俗だと思いました
『絵馬』では白馬と黒馬=白と黒で、壱岐の船競漕は紅白ですが
二手に別れて吉凶を占うという点は共通していますね
老夫婦が退場した後はアイ=狂言方=蓬莱島の3人の鬼が登場
(山本泰太郎師・山本則孝師・山本凜太郎師)
宝の槌で打ち出した宝物を伊勢神宮に捧げると立ち去り
後シテ=天照大神が天鈿女神(あめのうずめのみこと=ツレ:佐々木多門師)と
手力雄命(たちからおのみこと=ツレ:大島輝久師)を従えて登場
最初に後シテ=天照大神が「神舞」を舞うと
舞台上の観音開きの作り物(写真でシテの背後に写っています)の中に本当に隠れてしまい
いよいよ天岩戸神話が再現されます
天鈿女神(佐々木多門師)が「神楽」を舞い岩戸隠れした天照大神の関心を引き
ついで天岩戸を怪力でこじ開ける手力雄命(大島輝久師)が「急舞」を舞い
最後は天照大神が作り物=天岩戸から姿を現し大団円で幕を下ろします
…以上が能『絵馬』の舞台概略です
登場人物が多くて賑やかで派手なお舞台でとても見応えがありましたが
当日の大島輝久師の解説によると
後場は特に天照大神の「神舞」、天鈿女神の「神楽」、手力雄命の「急舞」と
舞尽くしになっていて、それぞれの舞手にとっても大変重い曲であるが
囃子方にとってもその技量が試される難曲ということでした
(大鼓:國川 純師 小鼓:鵜澤洋太郎師 太鼓:観世元伯師 笛:杉 市和師)
個人的なことで恐縮ですが、今回はじめて京都の杉 市和師の笛を拝聴できました
ありがとうございました
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