「りんぷうの会」 公式ブログ

会長:神田佳明(能楽写真家)
能楽撮影教室・能楽舞台撮影会は現在、休止中です

羽衣の微笑 ~荒井玲子さんの作品紹介 その2~

2013年10月31日 | 会員写真ギャラリー

しばらくぶりになってしまいましたが
季節はすっかり秋らしくなりましたね

今、10月31日の23時過ぎであります
ハロウィンの夜です

小一時間ほど前まで日本シリーズの野球中継を見ていました
楽天が巨人に粘り勝ちで、あと1勝で日本一 王手ですね

ということで冒頭写真は
りんぷうの会・会員の荒井玲子さん撮影の「羽衣」
シテは喜多流能楽師の出雲康雅先生です

天女の微笑で楽天の勝利に乾杯~
(野球に興味のない方、巨人ファンの方には恐縮です)


前回も書きましたが、荒井さんは大船渡出身で
震災後、ふるさとの写真を定期的に撮り貯めて記録されています



2011年8月 撮影
 
草の濃い緑色と黄色い花の色が印象的な作品
荒井さんのご実家の玄関だった場所だそうです

不思議と暗さは画面から感じられませんね
それどころか植物の生命力の強さに惹きつけられるように思います




2012年12月 撮影

どんより曇った冬空と無機質でおもちゃのようにも見える自動販売機に大看板の手書き文字

こちらも「被災地の今」を伝える貴重な作品だと思います

最近、荒井さんに伺ったところ、もうこの光景は見られないそうです
ストレートに復興につながっているとは言えないようですが
大船渡の風景も少しずつ変化していっていて
時間は前に進むしかないということなのでしょうか




2013年7月 撮影

「壁は きっと さまざまを 記憶している」
―荒井さんご自身によるキャプションです

文字通り万感の思いが
さまざまに胸に去来するように思いました

被災地の写真、復興していく東北の写真は
プロもアマも多くのカメラマンが撮影していますが
荒井さんの作品はちょっと違うと思います

いや、違いは「ちょっと」ではないかもしれません

やはりフィルムで撮影している良さが出ていて
アナログならではの密度の濃さ、重厚さが何より魅力ですが
テーマの割りに湿っぽさがなく、
画面から逞しさや達観したような強さを感じます



大船渡の写真と能楽舞台写真と
どちらも欠かせない荒井さんの渾身のライフワーク

今後も荒井さんにしか撮れない、いい作品を期待しています



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野分の近づく中で ~荒井玲子さんの作品紹介 その1~

2013年10月20日 | 会員写真ギャラリー
 
本当に今年は台風が多いですね
つい数日前に台風26号が伊豆大島を中心に甚大な被害をもたらしたばかりなのに
今度はまた大型の台風27号が発生して26号と同じような進路で
日本に接近するという予報になっています

今日は今日とて冷たい雨

二次災害が心配です


冒頭写真は、りんぷうの会の会員・荒井玲子さん撮影
能「猩々」より
シテは喜多流能楽師の出雲康雅先生です

以前、行われた「りんぷうの会 能楽撮影会」で撮影されたカットになります

「猩々」というのは前にも当ブログで書きましたが
中国の伝説の酒の精で、赤い髪に赤い面(おもて)、装束も赤と
赤づくしの明るく祝祭の雰囲気の色濃い能の名曲です

寒くて冷たい雨に身も心も冷え込みそうな感じなので
本日は冒頭に掲載させていただきました

「猩々」の舞台写真は、りんぷうの会のほかの会員の方々も
素晴らしい傑作写真を多く撮影されているのですが
私は個人的にこちらの荒井作品が大好きです

荒井さんらしい大胆なアップのカットですが技巧的な計算がなく
素直な伸びやかさ、明るさをもった作品だと思います

デジタルにはないフィルムならではの優しい調子も魅力的です


以前、当ブログでもご紹介しましたが
荒井さんは岩手県大船渡市のご出身で大船渡の写真を
震災以後、定期的に撮影されています




何気ない枯野の風景のようですが青みを帯びた雲と
枯れ草の微妙な色合いのコントラストがどこか印象的で心に残る光景ではないでしょうか

大船渡の昨秋のスナップです

荒井さんの写真はテーマが骨太でも深刻になりすぎない、
重すぎないところがいいと思います

冒頭の「猩々」の舞台写真もそうですが
アナログ写真ならではの魅力と相まって
後から心にじんわりくる優しい訴求力があるようです


次回も荒井さんの大船渡の写真の一端をご覧いただければと思います





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伊東功一さん撮影 京都紅葉写真のその2

2013年10月05日 | 秋の京都写真

10月に入って何だか急に肌寒くなりましたねー

東京はせっかくの週末なのにあいにくの雨

せっかく秋らしくなったのに~と思いますが
「ひと雨ごとに秋が深まる」と言いますので
よしとしたいと思います


さて
本日はご好評いただいておりますりんぷうの会の事務局長・伊東功一さんが
撮影した京都紅葉写真 第二弾です

冒頭写真は南禅寺の紅葉だそうです

見事に燃え立つような紅葉がゴージャスできれいですね

門の黒も額縁効果で生きています

本当に京都の秋はいいなあと素直に感じ入ります




こちらは宇治の興聖寺だそうです

水面に浮かぶもみじが可憐でいいですね

配色も赤にアクセントの緑が映えて、いい絵だと思います


京都の紅葉の見頃は、やはりまだ先で
だいたい例年11月中旬から12月上旬にかけてのようです

当然ですが京都の紅葉スポット見頃情報では
すべてまだ「青葉」になっていました

待ち遠しいですね



伊東さん撮影の京都写真は傑作写真がまだまだあるのですが
晩秋の雰囲気の色濃いものが多いので
また後日ご紹介させていただければと思います

ご期待ください



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