先日、予告してから大分、日数が経ってしまって
大変恐縮です
本日は、神田佳明会長撮影の「実盛」の舞台写真の巻です。
シテ(=主役)は喜多流能楽師の出雲康雅先生。
9/19(水)に開催された能楽舞台撮影会(会場:横浜能楽堂、主催:りんぷうの会)でのカットになります。
能「実盛」というのは、「平家物語」が出典で作者は世阿弥。
非常に勇壮でスケール感の大きい素晴らしい曲です。
【あらすじ】
加賀の国、篠原で遊行の上人の説法を毎日聞きにくる老人があり
実は篠原の合戦で落命した斎藤別当実盛の亡霊であった。
菩提を弔う上人の前に甲冑姿で再び現れた実盛は自らの最期を語り
回向を頼んで姿を消す。
篠原の合戦:木曽義仲と平家との間の合戦(1183年)
実盛は若武者姿での討ち死にを願って白髪を黒く染め
赤い錦の直垂(ひたたれ)を着て、単身、義仲軍に乗り込んで
壮絶な戦死を遂げた老武者である。
こちらも静かな緊張感と迫力に満ちた、いい舞台写真ですね。
舞台の感動が鮮明によみがえる感じです。
実は能を見始めた頃は、ともかく夢のようにきれいな舞台が見たくて
若くて美しい女性が主役の能ばかり拝見していましたが
気骨あふれる老武者が主役の能「実盛」、本当にいい曲だと今は思います。
そういえば、お能には老人や老女が登場する曲が多いですが
現代の感覚と昔とでは老いに対する考え方・価値観がかなり違うように思います。
お能でも狂言でも、あまり老いることについて否定的ではなく
今よりも、ずっとおおらかだったのでは、と感じます。
もっとも平均寿命が短く長寿が稀であった昔は生存競争が今より
ずっとシビアな時代であって、軟弱な管理人・オガタは簡単に
野垂れ死んでいたのではないかとも思いますが
ちょっと脱線してしまいましたが、「実盛」とてもいい曲です。
機会がございましたら是非、実際の舞台をご覧いただければと思います。
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