「りんぷうの会」 公式ブログ

会長:神田佳明(能楽写真家)
能楽撮影教室・能楽舞台撮影会は現在、休止中です

2023年度 第43回伝統文化ポーラ賞贈呈式

2023年12月17日 | 能楽ニュース

早いもので、ついこの前、神田先生の「なまはげ写真展」のご案内したと思ったら、もう師走です

皆様いかがお過ごしでしょうか

 

12月13日に2023年度 第43回伝統文化ポーラ賞贈呈式がザ・ペニンシュラ東京で開催されました

 

三浦裕子先生(武蔵野大学文学部教授・能楽資料センター長)が招待を受け、

午前中に卒論を提出したばかりの学生とともに、贈呈式および懇親会に出席されました

 

贈呈式では、最初に公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団の小西尚子理事長のご挨拶がありました

続いて、白石和巳選考委員長が選考経過を報告され、都倉俊一文化庁長官が来賓の祝辞を述べられました

 

賞贈呈のあと、亀井広忠優秀賞受賞者が代表して挨拶をされ、萩岡松柯奨励賞受賞者が受賞記念の三曲演奏をされました

 

 

懇親会では、受賞者の皆様がご自身のお仕事などに関する貴重なお話を学生にして下さり、記念撮影にも気さくに応じて下さいました

 

伝統文化ポーラ賞優秀賞を受賞された石橋裕史さま(青白磁の制作・伝統[京都府])を囲んで

 

伝統文化ポーラ賞奨励賞を受賞された岡田泰さま(萩焼の制作[山口県])を囲んで

 

伝統文化ポーラ賞地域賞を受賞された山岸幸一さま(植物染めの制作・振興[山形県])を囲んで

 

伝統文化ポーラ賞地域賞を受賞された山之口麓文弥人形浄瑠璃保存会(山之口麓文弥節人形浄瑠璃の保存・伝承[宮崎県])の方を囲んで

 

伝統文化ポーラ賞地域賞を受賞された篠原おどり保存会(篠原おどりの保存・伝承[奈良県])の方を囲んで


 

なお、今年度の伝統文化ポーラ賞受賞者記念展が、ポーラ ミュージアム アネックス(東京都中央区銀座1-7-7 POLA銀座ビル3階)にて

12月27日(木)まで開催されているそうです

 

【記念展に関するサイト】
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/

 

【公益財団法人 ポーラ伝統文化振興財団に関するサイト】
https://polaculture.weblogs.jp/blog/culture/index.html


厳島神社 桃花祭の『翁』の舞台写真(シテ:出雲康雅師)

2018年05月06日 | 能楽ニュース


本日は神田佳明会長撮影
厳島神社 桃花祭御神能(ごしんのう)の
『翁』の舞台写真をご紹介させていただきます

シテは桃花祭御神能執事で
喜多流能楽師の出雲康雅師

今年は宮島の繁栄の礎を築いた平清盛が誕生して
900年の節目の年だそうで、
桃花祭も例年より活気があったとのこと

以下、神田会長よりコメントです

西国に春を告げる厳島神社の桃花祭御神事神能は4月16日朝9時から
海に浮かぶ重要文化財の能舞台で始まった。

揚幕が上がると面箱を掲げる千歳に続いて喜多流 出雲康雅師が続き
出演者一同が橋掛リを渡り、露払いの千歳の激しい舞いが終わると、
白式尉(はくしきじょう)の面をかけた『翁』出雲康雅師の厳粛な舞台が
囃子方の囃子に乗って舞われた。

この御神事神能は4月16日から3日間にわたって催され、
今年は『翁』をトップに
『高砂』と古式にのっとった五番立てが演じられた。






桃花祭の御神能は屋外で、しかも宮島の海の上の能舞台で繰り広げられ
春風を感じながら自然光でのお舞台を楽しめます

太陽の位置と時間によってライティングが変わるので
カメラマン泣かせではありますが
光線の加減で屋内の能楽堂では見られないような力強いおシテの表情が
拝見できますので格別です

今年はもう終ってしまいましたのが
秋には観月能(2018年は10/22 月曜日)もございます
詳細は宮島のホームーページの年間行事予定をご参照ください

http://www.miyajima.or.jp/event/calendar01.html



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阿佐ヶ谷神明宮の迎春能より 工藤 寛先生の『高砂』の舞台写真

2018年01月08日 | 能楽ニュース


今年も会長の神田佳明からお正月二日、
阿佐ヶ谷神明宮の迎春能の舞台写真が届きましたのでアップさせていただきます


以下、神田会長からのコメントです

JR阿佐ヶ谷駅から徒歩五分のところに位置する神明宮能楽堂では
今年も金剛流能楽師・工藤寛師の第17回目を数える
恒例の奉納「迎春能」が開催された。

正月二日午前11時きっかりに弓矢を持った神職三人の清祓の儀が
執り行われ、鬼が登場する狂言「清水」の後、金剛流・工藤師の年明けの
船出をことほぐ能「高砂」が始まった。





境内に響く囃子方の鼓、笛、太鼓等の急調な囃子の演奏で
颯爽たる神舞をを見せ、それが終わると天下太平、国土安穏、万民快楽を
謡う地謡にのって最上の祝言曲を舞いおさめた。







工藤先生の新年にふさわしく颯爽とした『高砂』の舞姿
写真を拝見して背筋がピッと伸びて清々しい気分になりました

神田会長は昨年・一昨年も神明宮の迎春能のお舞台を撮影させていただいております
よろしければご覧下さい↓

◆一昨年の舞台写真
http://blog.goo.ne.jp/rinpoonokai/e/3183d5c401aadad2a4685a455100f899

◆一昨年の舞台写真
http://blog.goo.ne.jp/rinpoonokai/e/e88afbb19bc28eeaaf807c00535f2ce5



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工藤 寛 第20回記念能楽公演「天地人花の会〜其ノ八〜」より能『雪』の舞台写真

2017年12月10日 | 能楽ニュース

本日は金剛流能楽師の工藤 寛先生の主催公演、
第20回記念能楽公演「天地人花の会〜其ノ八〜」より能『雪』の舞台写真を
アップさせていただきました。

12/2(土)国立能楽堂にて
撮影は神田佳明会長です

20回の節目公演とあって金剛流家元・金剛永謹師の仕舞『実盛』や家元子息・金剛龍謹師による舞囃子『邯鄲』があり、
工藤寛師による雪踏之拍子(せっとうのひょうし)の小書(こがき)が付いた能『雪』が始まった。





舞台には雪の積もった作り物が出され、雪の降る連想から音の立てない足拍子を踏み
美しい装束と面が舞台に映え、気品みなぎる舞を披露された。



【今後の工藤先生のご出演予定】

◆阿佐ヶ谷神明宮迎春奉納能
開催日時: 平成30年1月2日(火)11:00
会場:東京杉並区阿佐ヶ谷神明宮能楽殿 http://shinmeiguu.com/
(曲目未定)

◆東京金剛会 平成30年第3回例会能 能『鉄輪』
開催日時: 平成30年9月29日(土)13:30
会場:国立能楽堂


最新情報は工藤先生のホームページでご確認ください
金剛流能楽師 工藤 寛公式サイト http://kudoh-kan.com/



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2017年11月4日(土) 山口鷺流狂言保存会 定期公演のご案内

2017年10月17日 | 能楽ニュース

本日は来る11/4(土)に山口県教育会館ホールで行われます
山口鷺流狂言保存会 定期公演のご案内です。

これまでにも当ブログで寺田良子さん撮影の山口鷺流狂言の舞台写真を
何回かアップさせていただいておりますが
冒頭写真は去年 11/3(木・文化の日)に山口市の野田神社能楽堂にて開催された
山口鷺流狂言 伝承130周年記念公演の舞台写真で
狂言『二人大名』より 
大名:土村 廣隆 大名:伊藤 隆 通りの者:米本 次郎

遊山に出かけた二人の大名が、たまたま通りかかった男を
太刀で脅してお供にしてしまうが
怒った男は逆に渡された太刀を振りかざして、大名たちを脅して
鶏の蹴り合う真似をさせる。形勢逆転。
男に脅され必死に男の要求に応じる二人の大名の姿が
何とも滑稽で哀れでもあり笑いを誘う。

『二人大名』のハイライトシーンの写真になります

この後、調子に乗った男は大名二人の着物を脱がせ
流行りの小歌に合わせて「起き上がりこぼし」の真似をさせ
ゴロゴロ転がる二人の隙を見て、まんまと逃げ去るという
いかにも狂言らしいストーリーです。






こちらも同じく去年 11/3の山口鷺流狂言 伝承130周年記念公演から
新作狂言『狸騙(たぬきだまし)』
男:米本 文明  狸:米本 太郎

人間と狸の騙し合いを描いた楽しい新作狂言で
鷺流狂言の現在唯一の「技術保持者」で大黒柱の米本文明師が創作。
2015年(平成27年)に山口県立大学で初演され
今回が二度目の上演とのこと。

モンパと呼ばれる狂言独特の着ぐるみ姿で
くりっとした目で愛嬌たっぷりの「賢徳」の面(=主として牛や馬など動物を表す
ユニークな造形の狂言面)が印象的な可愛らしい狸の舞姿ですね。

◆新作狂言『狸騙』のあらすじ
男が友人の何某(なにがし)を訪ねる道中、寝ている狸に出くわす。
いたずら心から男は「小僧、小僧」と呼びかけて狸を起こし、
狸は自分が人間の小僧に化けていると思い込み、男に連れられて何某の家へ同行する。
男と何某が狸を騙したまま、二人と小僧気取りの狸の間で酒盛りが始まる。

酒宴たけなわ 冷や麦を供された狸は汁に写った己の姿に驚き逃げ出してしまう。
男と何某は、してやったりで大笑い。





ここから狸の反撃開始。
家路を急ぐ男の前に何某の女房が現れ「暑い夜なので湯浴びを」と誘う。
何某の女房の正体は騙されて恥をかいた狸である。

男が風呂だと思って招かれた所、実は泥の田んぼ。
いい気持で湯、いや泥を浴びる男。
泥で洗う顔に墨が塗りたくられ真っ黒になり。。。




闊達自在な米村文明師。
さすがの名演技に会場は固唾を飲んで見守っていたそうです。
演者としても、また、この作品の作者としての存在感も破格だったとのことで
次回上演の機会には是非とも拝見したいと思いました次第


今回ご紹介させていただいたのは寺田さん撮影の舞台写真の
ごく一部ですが、舞台の上も観衆も和してなごむ鷺流らしい温かな公演の雰囲気が
掲載写真からよく伝わって来るかと思います。


今年の3月、60年以上に渡って山口鷺流狂言の保存・伝承に尽力されてきた
功労者で長老の技術保持者、小林榮治先生が永眠されたそうです。
小林先生から引き継いだ鷺流狂言の伝統を次代へと更に継承していくための
新たなスタートとなる今回の定期公演。
会場が山口県になりますが3連休のお休みの中日です。
よろしければ是非〜と思います。


◆山口鷺流狂言保存会 定期公演

日時:2017年11月4日(土) 13時開場 14時開演
会場:山口県教育会館ホール(山口市大手町2-18)
狂言「宮城野」
狂言「不毒(ぶす)」 
狂言「骨皮(ほねかわ)」
狂言「鬼瓦」
狂言「梟」

入場無料・申し込み不要 先着500人

https://www.facebook.com/sagiryukyougen


ワンポイント解説
【山口鷺流狂言について】
現代では狂言の流儀として大蔵流と和泉流の二流儀が広く知られておりますが
江戸時代には、もう一つ、鷺流という狂言の流儀が存在し
大蔵流とともに幕府直属の流儀として隆盛だったそうです。
残念ながら明治維新をきっかけに後ろ盾を失い
急速に衰退しプロの流儀としては存続し得なくなってしまったのですが、
山口県と新潟県の佐渡、佐賀県の高志(たかし)で
奇跡的に伝承され、地域の大切な伝統芸能として今も継承されております。

昨年は長州藩お抱えの鷺流狂言方であった春日庄作が
明治19年(1886年)に野田神社の神事能で狂言を奉納して、
ちょうど130年に当たるという記念の年で、
同じ頃、山口で春日庄作が町衆に狂言を教え始めたことが
現在の山口鷺流狂言存続につながったことから
伝承130周年記念公演が開催されたとのことでした。




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GINZA SIXの蔦屋書店は能楽書籍コーナーが充実しています

2017年10月01日 | 能楽ニュース

10月になりました
皆様お元気にお過ごしでしょうか

本日は読書の秋 到来〜ということで
GINZA SIXの蔦屋書店の能楽書籍コーナーのご紹介です

ご存知の通りGINZA SIXは今年4月、地下3階に観世能楽堂
備えてオープンした複合商業ビルで話題のスポット

6階にはアート関係の書籍、特に日本文化関連の書籍に力を入れて展開している銀座 蔦屋書店があり
能楽書籍コーナーも非常に充実していて、おすすめです

りんぷうの会の会長である神田佳明が長年にわたって撮影してきた書籍も
豪華本を含めて多数、並んでいて壮観でした








 
神田撮影の書籍は、書棚の上段に『井伊家能面百姿』『井伊家能装束百姿』(平凡社)と
『能面打ち・上巻』『能面打ち・下巻』(淡交社)があり、
中段には、表紙を鬘扇が飾る『華の能』(講談社)と、
友枝昭世師の〈松風〉が美しい『面からたどる能楽百一番』(文章は当会副会長の
三浦裕子武蔵野大学文学部教授)が並んでおりました




下段は狂言コーナーになっていて、
青地に黄色の背表紙が印象的な『山本東次郎・狂言面』(玉川大学出版部)と
小林責監修『狂言面』(淡交社)がありました

銀座にお越しの際は、是非よろしければお立ち寄りください


ちなみに、GINZA SIXの蔦屋書店はホームページも
とても美麗で内容的にも充実しておりますので必見です↓

https://store.tsite.jp/ginza/



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あずまたけし写真展 能楽写真事始 II のご案内

2017年03月05日 | 能楽ニュース

本日は今月3/27(月)より東京・池袋にて開催の
「あずまたけし写真展 能楽写真事始 II」についてお知らせ致します

すすきの穂陰に見え隠れする儚げな美女ひとり
…能楽ファンなら一目瞭然 能『井筒』の舞台写真が印象的な案内はがきを
冒頭画像にアップさせていただきました

あずまさんは以前にも「あずまたけし写真展 能楽写真事始」を
東京・銀座で開催(2013年3月)されており、当ブログでもご案内しております

*「あずまたけし写真展 能楽写真事始」の記事↓
http://blog.goo.ne.jp/rinpoonokai/e/ce5f19b39cf7d5dde7be126d3d36e74c

この4年間で更にあずまさんの作品世界は深化されているようで
これまで撮りためて来られた能楽写真作品の集大成として
文字通り満を持しての今回の写真展開催

非常に見応えのある能楽写真展としておすすめです

また、会場には奥様が製作されたステンドグラス作品も何点か
飾られる予定とのこと
あわせて楽しみです




会場は池袋駅西口から徒歩2分 便利な立地の東京芸術劇場 http://www.geigeki.jp/ のギャラリーです
皆様のご来場を心よりお待ちしております



◆あずまたけし写真展 「能楽写真事始 II」

会期:平成29年3月27日(月曜日)~4月2日(日曜日)
開館時間:10:00~18:00 ※初日は12時から 最終日は16時まで
会場:東京芸術劇場 アトリエイースト(地下1F)
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
電話 03-5391-2111(代) 
JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅西口より徒歩2分
駅地下通路2b出口と直結




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お正月二日の阿佐ヶ谷神明宮の奉納能楽の写真 第二弾

2017年01月07日 | 能楽ニュース

おかげさまで先日アップさせていただきました
阿佐ヶ谷神明宮の奉納能楽『葛城』(シテ:工藤寛師、金剛流)の舞台写真、
皆様からの反響が大きく、本日は第二弾の写真を掲載です

残念ながら管理人はお舞台を拝見しておりません ので
以下、神田佳明会長からのコメントをご紹介させていただきます


平成29年1月2日 阿佐ヶ谷神明宮の奉納能の舞台前には早くから白い椅子を埋め、
開演11時には多くの方が立ち見する盛況で
急遽係の人が追加の椅子を繰り出し、例年より一段の賑わいを見せていた。

定刻に白い装束の神官三人が揚幕から能舞台中央に進み、
舞台前に集う多くの人々に「低頭」の一声、
進み出た神官から恭しい白い幣のお祓いを戴き能楽が始まった。





舞台は能『葛城』。
新春にふさわしく、吹雪に見舞われる奈良・葛城山の情景を謡いながら、
後シテの葛城ノ神が揚幕を揚げて橋掛リに姿を現す。

紅の天冠を頭上に戴き、鬘扇をかざし神楽歌に乗って
大和舞を模した序之舞を詩情豊かに
「~天の香具山も向かいに見えたり
月白く雪白くいずれも白妙の景色なれども
名に負う葛城の神の顔がたち~と岩戸の内に入り給う」と拍子を踏んで
舞台を終えた。

同時に一斉に境内に大きな拍手が高まった。



今回も特別にご許可いただき、りんぷうの会の有志数名が
お舞台を撮影させていただきました

ご来場の観客の皆様、阿佐ヶ谷神明宮の関係者の方々、
そしておシテを務められた工藤寛先生に深く御礼申し上げます。
貴重なお舞台を撮影させていただき、本当にありがとうございました



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2017年1/2(月)東京・阿佐ヶ谷神明宮の奉納能楽 工藤寛師の能『葛城』

2017年01月03日 | 能楽ニュース

あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

新年最初の画像は、昨日1/2(月)に東京・阿佐ヶ谷神明宮で
行われた奉納能楽の舞台写真

能『葛城』より
シテ:工藤 寛師(金剛流)
撮影:神田 佳明

新春にふさわしい流麗な舞姿、素晴らしいですね
紅の天冠も華やかで印象的です

工藤 寛師は毎年、阿佐ヶ谷神明宮で
お正月二日に奉納されていて、今回で16回目だそうです

今年も撮影と早速、神田会長からメールが届きました


ちなみに、神田会長は昨年・一昨年もお舞台を撮影させていただいております

◆昨年の舞台写真↓
http://blog.goo.ne.jp/rinpoonokai/e/e88afbb19bc28eeaaf807c00535f2ce5

◆一昨年の舞台写真↓
http://blog.goo.ne.jp/rinpoonokai/e/374136bcbede4dea4f64795c6d995f80


阿佐ヶ谷神明宮の奉納能楽の写真は別カットも
神田会長より届いております

続きは近日中にアップ予定です
もう少々お待ち下さい




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山口鷺流狂言「清水」の動画のご紹介

2016年11月20日 | 能楽ニュース
鷺流狂言「清水」inセンター大学


当ブログでは山口鷺流狂言保存会について何回かご紹介させていただいておりますが
「遠方なので実際にお舞台を拝見できなくて残念」というお声を
ブログ読者の方から多く頂戴しております

YouTubeで2015年のアメリカ公演の動画がアップされていて
共有可能な状態でしたので
ご紹介させていただきます

◆2015年2月19日 センター大学(アメリカ)
狂言『清水』
太郎冠者:米本 太郎
主人:鈴木 太龍
後見:土村 廣隆



上記動画のお舞台で後見をされている同会の土村廣隆さんが
平成28年度山口県文化功労賞を受賞され
11/15(火)に授賞式が行われたとのこと
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a19300/honor/kouroushou.html

また同会の若手として活躍されている米本太郎師は
今年の6月に山口県文化振興奨励賞を受賞され
平成28年度の地域伝統芸能奨励賞も受賞
10/29(土)〜30(日)に開催の地域伝統芸能全国大会「日本の祭りinながはま2016」において
表彰式が行われたそうです
http://matsurinagahama.jp/2016/04/15/02/

おめでとうございます



狂言『末広がり』 米本 太郎師 (撮影:寺田良子)

米本太郎師は山口鷺流狂言会の公演のほか
子供たち、市民の方に積極的に普及活動を行い、
お稽古や教室を牽引され
また大内氏の氏寺であった興隆寺の年中行事の一つ
「二月会(にがつえ)」復活イベント=山寺コンサート
の開催に尽力されており
その功績が高く評価されての今回のダブル受賞になったとのことです


山口鷺流狂言保存会については同会のfacebookに最新情報が
アップされています
よろしければ是非ご覧下さい

◆山口鷺流狂言保存会のfacebook  https://www.facebook.com/sagiryukyougen/

◆YouTubeにアップされている山口鷺流狂言アメリカ公演の他のお舞台は以下をご参照下さい
『千鳥』 https://www.youtube.com/watch?v=uhuPK2L2_Hg
『不毒』 https://www.youtube.com/watch?v=sgWPzqa_gwc
『柿山伏』 https://www.youtube.com/watch?v=QcEBmX0jQjM



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11/18(金)国立能楽堂の定例公演に出雲康雅先生が能『葛城』のシテでご出演です

2016年11月06日 | 能楽ニュース

先日、能『八島』の勇壮な舞台写真を掲載させていただきましたが
本日はまた趣の異なる写真をアップしました


能『殺生石』より
シテ:出雲康雅師(喜多流) 撮影:神田佳明です

先月の銀座での能楽写真展は、おかげさまで大変ご好評をいただき、
たくさんの方々にご来場いただき
無事閉会いたしました

遅くなりましたが、あらためまして御礼申し上げます
ありがとうございました

銀座での能楽写真展には神田会長も能『殺生石』の舞台写真を
出展されていたのですが、今回の冒頭写真は別作品で
秘蔵カットになります

能『殺生石』のシテは「玉藻(たまも)の前」という絶世の美女にして
実は天竺(インド)・唐土(中国)に続き、
国を滅ぼさんと日本に渡り鳥羽帝に近づき寵姫となった妖狐です

冒頭写真をご覧の通り、これ以上無い玲瓏な美女ですが
妖狐の恐ろしさや凄味を感じさせる1枚です


さて、本日はお知らせが三つあります

まず、タイトルにも記載させていただきましたように
11/18(金)国立能楽堂の定例公演に出雲先生が能『葛城』のシテ(主役)でご出演されます
国立能楽堂のチケットはすぐ完売してしまうので
今からではもう難しいかもしれませんがご紹介です

◆国立能楽堂 定例公演「演出の様々な形」
2016年11/18(金)17時開場 18時開演 (終演予定 20時45分頃)
狂言『木六駄』 山本泰太郎 山本則孝 山本東次郎 山本則俊
能『葛城 神楽』 出雲康雅 福王和幸 村瀬提 矢野昌平 山本則重
    
国立能楽堂(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)
http://www.ntj.jac.go.jp/nou.html
          
正面4900円 脇正面3200円 中正面2700円
学生脇正面2200円 学生中正面1900円
国立劇場チケットセンター(10時から18時まで)
0570-07-9900
03-3230-3000(一部IP電話等)



■お知らせ その2
11/25(金)の午後、日比谷にて神田会長による能楽写真クリニック開催です
参加対象は原則今回の『八島』撮影会参加者の方ですが
これまでの能楽撮影会に参加された方で
過去に撮影された作品も拝見可能です
詳細は神田会長または、能楽写真クラブ代表・あずまさんまでお問合せください


■お知らせ その3
来年(2017年)2/4(土)、喜多六平太記念能楽堂にて
出雲康雅の会が開催予定です
演目は能『砧』
今回、お狂言は野村萬先生(人間国宝)の『文蔵』とのこと
今からとても楽しみです
詳細はまた後日ご案内させていただければと思います





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11/3(木・祝)山口鷺流狂言 伝承130周年記念公演のご案内

2016年10月23日 | 能楽ニュース

本日は芸術の秋にふさわしい狂言公演情報をお届けします。

当ブログでも何度かご紹介させていただいております山口鷺流狂言保存会で
伝承130周年の節目の記念公演を11/3(木・祝)に野田神社能楽堂で開催されるとのこと。
おめでとうございます

《山口鷺流狂言について》
現代では狂言の流儀としては大蔵流と和泉流の二流儀が知られておりますが
江戸時代には、もう一つ、鷺流という狂言の流儀が存在し
大蔵流とともに幕府直属の流儀として隆盛だったそうです。
残念ながら明治維新をきっかけに急速に衰退しプロの流儀としては
存続し得なくなってしまったのですが、
山口県と新潟県の佐渡、佐賀県の高志(たかし)で
奇跡的に伝承され、地域の大切な伝統芸能として継承されております。


今年は長州藩お抱え鷺流狂言方であった春日庄作が
明治19年(1886年)に野田神社の神事能で狂言を奉納して、
ちょうど130年に当たるという記念の年とのこと。
同じ頃、山口で春日庄作が町衆に狂言を教え始めたことが
現在の山口鷺流狂言につながったことから
伝承130周年記念公演開催の運びとなったそうです。




↑こちらの写真と冒頭写真は去年11/7に行われた定期公演から
狂言『墨塗り』の舞台写真です
(撮影:寺田良子)


◆山口鷺流狂言 伝承130周年記念公演

2016年11月3日(木・祝)
13時開場 13時30分開演 16時時終演予定
野田神社能楽堂(山口市天花一丁目1-2)
狂言 『二人大名』
狂言 『文荷』(ふみにない)
狂言 『因幡堂』
狂言 『引括』(ひっくくり)
新作狂言 『狸騙』

無料 事前申し込み不要 先着800人まで

https://www.facebook.com/sagiryukyougen
http://www.city.yamaguchi.lg.jp/cms-sypher/www/event/detail.jsp?id=22273



また、10/28(金)から11/3(木・祝)まで
今回の記念公演の関連行事として山口市の菜香亭にて
「山口鷺流狂言130年の歩み展」が開催されるそうです。

11/2(水)の午後2時からは山口鷺流狂言保存会の
若手として活躍中の米本太郎師が講師として
ギャラリートークに登壇予定とのことです。
    
◆「山口鷺流狂言130年の歩み展」

2016年10/28(金)〜11/3(木・祝) ※休館日・火曜日
観覧時間:午前9時~午後5時
会  場 : 山口市 菜香亭 2階会議室
入 館 料 :無料


https://www.c-able.ne.jp/~saikou/news/news-sagi.html




↑狂言『末広がり』(2014年10/12の公演より) 
撮影:寺田良子

左側の太郎冠者が山口鷺流の若手のホープ、米本太郎師。
シテ(主役)で果報者を演じておられるのが、太郎師の父親で
山口鷺流狂言の「技術保持者」として会の中心となり主導されている米本文明師。
今回公演の演目の一つ、新作狂言『狸騙』の作者でもあります。

ちなみに山口鷺流狂言の「技術保持者」は米本文明師のほかは
長年、山口鷺流狂言保存会を牽引されてきた重鎮で長老の小林栄治師のみだそうです。



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2016年2月6日(土) 「出雲康雅の会」の舞台写真 能『絵馬』

2016年02月14日 | 能楽ニュース

大変お待たせ致しました

2/6(土)喜多能楽堂で行われました「出雲康雅の会」の舞台写真を
アップさせていただきます

冒頭写真は能『絵馬』より出雲先生が舞われた後シテの天照大神
撮影は神田佳明会長です

お能の現行曲はだいたい二百数十曲くらいあるそうですが
その中で恐れ多くも皇祖神であり日本神道の頂点に君臨する天照大神が
シテとして登場するのはこの『絵馬』だけではないでしょうか(←違ったらゴメンなさい)

喜多流では本来、小書(こがき)の付かない通常の演出では
天照大神を男神として登場させるそうで
今回の「出雲康雅の会」のように「女体」の小書が付くと
一般的な天照大神のイメージ通り女神の姿で舞われるとのこと

小書のない通常の演出=男神での『絵馬』のほうが上演は稀だそうで
本来は特殊演出である小書付きのほうが主流というのは面白いですね

観客の立場からすると、やっぱり天照大神は美しい女神の姿
登場してくれるほうが嬉しいし有り難いと思います

後場で出雲先生の舞われた「神舞」
天照大神にふさわしく荘厳で貫禄があり素晴らしかったです



こちらは前シテ 出雲先生が手に持っているのが白馬の描かれた絵馬

前場では実は伊勢神宮の二柱の神の化身である老夫婦が登場します

老人(=シテ:出雲先生)が晴天の印である白馬の絵柄の絵馬を持ち
老女(=ツレ:内田成信師)が雨天の印である黒馬の絵馬を持ち
どちらの絵馬を奉納するか夫婦で争いますが
結局は天下万民が喜ぶよう五穀豊穣を願って両方の絵馬を掛けるというのが
前場=前半のストーリーです

ちょっと脱線しますが、たまたまNHKで昨日(2/13)に放送されていた番組で
長崎県・壱岐の船競漕が取り上げられていました
「NHKスペシャル 司馬遼太郎思索紀行 この国のかたち」

二艘の船が紅白に別れて競漕し
一の船(紅)が勝てば大漁で、二の船が勝てば豊作と占ったとか

大漁と豊作、どちらが勝っても有り難いことで面白い習俗だと思いました

『絵馬』では白馬と黒馬=白と黒で、壱岐の船競漕は紅白ですが
二手に別れて吉凶を占うという点は共通していますね


老夫婦が退場した後はアイ=狂言方=蓬莱島の3人の鬼が登場
(山本泰太郎師・山本則孝師・山本凜太郎師)
宝の槌で打ち出した宝物を伊勢神宮に捧げると立ち去り
後シテ=天照大神が天鈿女神(あめのうずめのみこと=ツレ:佐々木多門師)と
手力雄命(たちからおのみこと=ツレ:大島輝久師)を従えて登場

最初に後シテ=天照大神が「神舞」を舞うと
舞台上の観音開きの作り物(写真でシテの背後に写っています)の中に本当に隠れてしまい
いよいよ天岩戸神話が再現されます

天鈿女神(佐々木多門師)が「神楽」を舞い岩戸隠れした天照大神の関心を引き
ついで天岩戸を怪力でこじ開ける手力雄命(大島輝久師)が「急舞」を舞い
最後は天照大神が作り物=天岩戸から姿を現し大団円で幕を下ろします



…以上が能『絵馬』の舞台概略です

登場人物が多くて賑やかで派手なお舞台でとても見応えがありましたが
当日の大島輝久師の解説によると
後場は特に天照大神の「神舞」、天鈿女神の「神楽」、手力雄命の「急舞」と
舞尽くしになっていて、それぞれの舞手にとっても大変重い曲であるが
囃子方にとってもその技量が試される難曲ということでした
(大鼓:國川 純師 小鼓:鵜澤洋太郎師 太鼓:観世元伯師 笛:杉 市和師)

個人的なことで恐縮ですが、今回はじめて京都の杉 市和師の笛を拝聴できました
ありがとうございました



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若松 隆師の「三番三」披きの舞台写真(2016年1月11日 梅若能楽学院会館)

2016年01月17日 | 能楽ニュース

本日もスペシャル・バージョンです
大蔵流狂言・山本東次郎家の若松 隆師の「三番三(さんばそう)」披キの
舞台写真を特別にお届けいたします

「三番三」(和泉流では漢字表記が異なり「三番叟」)は能『翁』の中で狂言方が務めるもので
間狂言(あいきょうげん)ですが、お祝いや公演などで単独で舞われることもあります

能楽では初演のことを「披キ(ひらき)」という独特の言葉で表現しますが
単なる初演という以上の意味を持つもので
修行の成果を認められ宗家の許しを得て、初めて舞うことが許された
特定の難曲や大曲についてのみ「披キ」という言葉が用いられます

能『翁』自体がお能の中で特に神聖で特別な曲です

シテ方が演じる「白式尉」(はくしきじょう)という白い面(おもて)をかけた翁の神と
狂言方の舞う「三番三」で「黒式尉」(こくしきじょう)=黒い面をかけた翁の神が登場し、
天下泰平・五穀豊穣を祈念する舞が展開されます
特にこれといったスト―リーはなく、儀式性の高いお舞台です

能楽の仕来たりでは、お正月の月の公演は大概、能『翁』からの開演となっていて
今回アップさせていただいた写真のようにお舞台には注連縄が張られ白い幣が目に清々しく映ります




それでは神田佳明会長からのコメントをどうぞ

「平成28年の年頭を寿ぐ天下泰平、国土安穏を祈る『翁』の舞台が
東京・東中野にある梅若能楽堂で1月11日開演された。

翁のシテは人間国宝の梅若玄祥師。

白い翁に対する黒い翁の三番三は、お披きで演じる大蔵流狂言の若松隆師が
満を持して正月を示す注連縄が張られた舞台に颯爽と登場した。

躍動感に溢れた三番三は直面(ひためん)の揉ノ段(もみのだん)から
黒式尉の面を掛ける鈴ノ段へ、右手には金色の鈴を四方に響かせ、
五穀豊穣の祈念に通じる見事な栄えある舞台を見せた。」


若松 隆師は「縁の下の力持ち」という言葉そのままに
長年にわたり山本家のお舞台を支えて来られた功労者の中のお一人です

「三番三」の披き、おめでとうございます



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2016年1/2(土) 阿佐ヶ谷神明宮の奉納能楽 工藤寛師の能『羽衣』

2016年01月03日 | 能楽ニュース

あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます

昨日1/2(土)に東京・阿佐ヶ谷神明宮で行われた奉納能楽を
今年も撮影と会長の神田佳明からメールが届いております

阿佐ヶ谷神明宮で毎年、金剛流の工藤 寛師が
お正月二日に奉納されていて、今回で15回目

昨年も神田会長は、お舞台を撮影させていただいていて
当ブログでもご紹介済みでした

◆昨年の舞台写真はこちらからどうぞ↓
http://blog.goo.ne.jp/rinpoonokai/e/374136bcbede4dea4f64795c6d995f80

今回は特別にご許可いただき、りんぷうの会の有志も
舞台撮影させていただきました

ありがとうございました


以下、神田会長のレポートをどうぞ

神明宮の撮影は朝10時に阿佐ヶ谷に集合、
りんぷうの会の有志が三脚持参に消音ケースをセットして
能楽堂前に整列。

神明宮を行きかう方々が皆さん立ち止り、舞台の開演を待ちわびました。





11時きっかりに白装束の神官三人が
舞台中央に進み清祓の式が始まった。

弓矢をつがへ鬼門に弓を引く所作など
年明けに相応しい儀式を見守った。





続いて金剛流能楽師・工藤 寛師の「羽衣」が始まった。

美しい天人が朱の羽衣を翻し、静かに橋掛りを渡ると、
頭上に戴く天冠が朝日に輝き
「東遊びの数々に その名も月の色人は 参拾伍夜中の空にまた」と
奉納能を目出度く舞い収めた。



あいにく管理人・オガタは今回も拝見できなかったのですが
新年の朝日を受けて輝く工藤先生の「羽衣」の舞姿は
本当にお正月にふさわしく晴れやかで
素晴らしいと思いました

屋外の舞台ならではの強い外光も
ライティングとして魅力的ですね


◆阿佐ヶ谷神明宮のFacebookはこちらからどうぞ↓
https://ja-jp.facebook.com/shinmeiguu

◆金剛流能楽師・工藤 寛師のホームページはこちら↓
http://kudoh-kan.com/


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