
↑たすき姿で狂言面について詳しく解説される山本東次郎先生

皆様いかがお過ごしでしょうか?
熱中症にはどうぞお気をつけください。

神田佳明会長より旬な最新情報が届きましたので
アップさせていただきます。
今回のテーマは、大蔵流狂言・山本東次郎家の虫干しです。
7月30日午後、人間国宝の大蔵流狂言師・山本東次郎先生とご一門が
東京・杉並能楽堂で虫干しを催されました。
虫干し:衣類などを虫や黴から防ぐ目的で、土用の頃に陰干しして風を通す夏の行事のこと
狂言肩衣(かたぎぬ)・素袍裃(すおうかみしも)・直垂(ひたたれ)・狂言袴といった麻の装束が
桟敷に所狭しと並べられ、熨斗目(のしめ)・厚板(あついた)・唐織などの絹の装束は
能舞台にびっしりと吊るされていました。

↑能舞台の天井に吊るされた狂言装束の数々。白い紐が織りなす直線も美しい。
百を越える狂言面は畳のお部屋に飾られ、
たすき姿の東次郎先生が面の種別や性格を丹念に解説していらっしゃいました。
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普段とは違って狂言面の表情を間近に見、装束の質感を味わうなど、
日常とは異なる贅沢で貴重な一時でした。

↑右手前は、来場者に狂言装束の説明をする山本則孝さん。
近年、ゲリラ豪雨に襲撃されるなど
地球温暖化の影響を実感することがありますが、
虫干し当日も突然に暗雲が垂れこめ、
玄関前に並べられていた赤頭(あかがしら)・白頭・黒頭の仮髪(かはつ)類が
急遽、片づけられるなど、主催者のご苦労が偲ばれる場面もありました。

