「りんぷうの会」 公式ブログ

会長:神田佳明(能楽写真家)
能楽撮影教室・能楽舞台撮影会は現在、休止中です

本日は狂言の舞台写真です ― 山本凜太郎さんの「三番三」 ―

2011年05月17日 | 能楽公演・能楽関連イベントのご案内
こちらも掲載が遅くなってしまって、大変、恐縮なのですが
去る4月16日(土)、国立能楽堂にて「山本則直一周忌追善 山本会別会」が開催されました。

冒頭の写真は、山本凜太郎さんの「三番三」(さんばそう)。
撮影は、神田佳明です。

今回は、能楽研究家で、りんぷうの会の副会長でもある三浦裕子先生に
コメントをお願いしました。


「三番三」は祝祷の能〈翁〉で狂言方がつとめるもので、
面を掛けない「揉之段」(もみのだん)と、
黒色尉(こくしきじょう)の面を掛ける「鈴之段」を舞います。

写真の「三番三」は「揉之段」をつとめる山本凜太郎さんですが、
卵色の足袋に包まれた足の先まで神経が行き届いていて、折り目正しく、
そして躍動感に溢れた美しさがよく伝わってきます。

凜太郎さんは現在、高校三年生。
この時が披キ(初演)で、その初々しさも大きな魅力でした。

「三番三」をつとめる役者は「別火」(=べっか。穢れを避けるため炊事の火を別にすること)という
精進潔斎を舞台前に修めますが、凜太郎さんの場合は、
師匠であり伯父さんでもある山本東次郎先生と別火をされたそうです。



写真をよくご覧いただくと分かりますが、
凜太郎さんの後方には後見をされている、お父さんである
山本泰太郎師が写っておられます。

泰太郎師は、先日、「第15回 日本伝統文化振興財団賞」を受賞されました。

今月の31日(火)に贈呈式の予定とのことで、贈呈式に続いて同日、
同賞の歴代受賞者によるチャリティ公演「古典芸能の夕べ」が開催されるそうです。

その際に、番組の構成上、15分程度の短縮版になるそうですが、
泰太郎師は「三番三」を舞われるとのこと。
今からとても楽しみです。


◆東日本大震災チャリティ公演
~日本伝統文化振興財団賞歴代受賞者による~古典芸能の夕べ

2011年5月31日(火)開催
午後6:00開演(午後4:30開場)
会場:紀尾井ホール(1階) 
入場料:5,000円(全席自由)
主催:財団法人日本伝統文化振興財団
出演:日本伝統文化振興財団賞歴代受賞者
司会:葛西聖司

本公演チケットで、第15回日本伝統文化振興財団賞贈呈式(午後5時開始)に入場可。

※詳細は、日本伝統文化振興財団のホームページをご覧ください。
http://japan.japo-net.or.jp/event/2011/05/31/zaidansho_15.shtml


最新の画像もっと見る