ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

タイル馬鹿一代

2006年04月27日 23時14分38秒 | 古い日記
パチンコ、酒、競馬、そういうものは除いて、

普段、何事にも関心を示さない彼等には珍しい事だと思うが...。

オサーン達は改築中の建物の土台(普通の家で言えば縁の下みたいな所)
を覗き込んだり、触ったりしている。

「さすがだね。あいつは。言うだけの事はある。」
「なかなかこうはできない。」
「触ってみろ。これが『ホンモノの左官屋』の仕事だ。」

俺も表面を撫でてみたが、そう言われれば...そんな気がしないでもない。

オサーンは語り始める。

1:壁はともかく、こういう縁の部分を地面から垂直に立てる、のは難しい事。
2:たいていは中が脹らむが、定規で当てたようにビシッとしている事。
3:20cm近い厚さでも、型を使わないで「コテ一本」で仕上げた事。

見る人が見ないとわからないらしいが、まとめると、そんな感じかなあ。

そんな風に物事を...いや「コテ一本」を見た事が無い俺には、
かなりのカルチャー・ショックだった。

-------肉屋のコロッケ--------

俺は昔、実家の傍にあった肉屋の事を思い出した。

そこのコロッケは近所でも評判だった。

「サイズが大きい。」
「ひき肉をタップリ使っている。」
「これで値段が安いのだから言う事が無い。」

数年後...結局、その肉屋は廃業した。

まあ、直接的な理由ではないにしろ、
その遠因は御近所の「ホメ殺し作戦」にあったのではないか?
と思っている。

肉屋さんは手を抜く訳にも、値段を上げる訳にもいかなくなったんだろう。

-------本題--------

現在、我が国が抱えている問題点を2,3挙げる。

1:働かない若者、ニートの増加。
2:ホリエモンの仮釈放。
3:強度偽装マンション。

それも、これも...。
射幸心(意味わからん人は辞書ひいてね)ばかりを煽るマスコミが悪い。

株や虚業で一攫千金を得る輩のみが脚光を浴び、
「本当にいい仕事をする奴」が正当に評価されない。

挙句、旭肉屋なんかは潰されてしまったりする。

この問題を解決する為にはどうすればいいか?

それには...「包丁人、味平」以来の流れをくむ職人漫画だ。



しかし、「庭勝負」なんてものが本当に「良い仕事」なのか?

何か本質的な物を見落としていないか?

職人の「自己満足の押し売り」に過ぎないんじゃないか?

おもしろおかしけりゃ、漫画は何でもアリなのか?

...と考えさせる作品ではあるな。