別に面白くもない話だが、記録として残しておくか。
昨日、会社の電動シャッターがすべて降りなくなる、
という惨事にみまわれた。
以前にも、似たような事があった。
その時は、うろ覚えの知識で、
天井裏に入り、鎖(電動シャッターには必ず付いている)
を回そうと努力した。
「...。」
でも、降りない。そもそも、鎖(輪になっている)は回るようにはなっていない。
さんざん悩んだ挙句、その鎖を思いっきり真下に引き下げると、
「モーターの電磁ブレーキが外れる事」に気付いた。
結果、なんとかシャッターは降りたが...。
帰宅できたのは夜中(ちょっと大袈裟)だった。
しかし、その時は「そのシャッターだけの故障」だったが、
今回は「全部」なので何か電源系の故障に違いない。
そう考えた俺は社内で電気工事をしている(改装中なので)
業者の人に訊いた。
「あのう。何か電源のブレーカーをおとしたりしてないでしょうか?」
「ああ。しました。けど、もう入っている筈ですよ?」
「表のシャッターが4箇所、全て降りないんですが。」
「え?おかしいなあ。」
あちこちテスターを当てて調べたその結論から言うと...。
200Vの配電盤の中で二箇所、ヒューズがとんでいた。
そこがたまたまシャッターの電源だったらしい。
「これか。でも、このヒューズ、どこで買えますかね?」
俺はおそろしく旧式っぽい...その壊れたヒューズを見て言った。
「特殊なもんですし、第一、もう、売ってないですよ。これ。」
「...。」
まいったね。
何でこんな下らん事で、時間を浪費せにゃならんのだろう?
俺は200Vの配電盤を見回した。
こういう消耗品はその辺、どこかに隠してある事が多いんだ。
しかし...どこにもそれらしき物は無い。
仕方が無いので俺は、
配電盤の中の「水中ポンプ」と書いてある場所からヒューズをブッこ抜いた。
「これを、シャッターの所のヒューズに使って下さい。同じ種類でしょ?」
「え?でも、いいんですか?これ抜いちゃって?」
電気工事の業者さんは驚いて俺に尋ねた。
まあ、当然だ。ヒューズを抜いてしまえば通電しなくなる。
「知らね。でも、俺は『水中ポンプ』なんて見た事ないもんね。」
「見た事なくても、どっかで使ってるんじゃ...。」
「いいよ。ここの会社の歴史は知らねーが、こんなもん関係ねーよ。
水槽もプールも無いんだから。」
「いいの?」
「責任は持つ。『水中ポンプ』 = イ・ラ・ネ」
「わかった。」
無事、シャッターは作動したが、こうして、
おそらくは数十年の歴史を持つ我が社の「水中ポンプ」の歴史は幕を閉じた。
そして、今日。
何かが起きるんじゃないか?とヒヤヒヤしながら過ごしたが、
例の「水中ポンプ」が止まったからといって、別に(社内的には)困った事も起きなかった。
でも...。
さっき、思い出したんだ。以前、会社の古参社員から聞いた噂を。
「この会社の地下にはね。巨大なポンプがあるんだ。」
「何をしているポンプですか?」
「『水中ポンプ』さ。水をくみ上げる...」
「水をくみ上げてどうするんですかね?」
「さあ。それ以上は知らないけどね。その昔...(以下、忘却の彼方)」
今さら、どうーしょもないが。
俺が気付いていないだけで、どこかで何か、
恐ろしい事が「始まった」のかも知れない...。
昨日、会社の電動シャッターがすべて降りなくなる、
という惨事にみまわれた。
以前にも、似たような事があった。
その時は、うろ覚えの知識で、
天井裏に入り、鎖(電動シャッターには必ず付いている)
を回そうと努力した。
「...。」
でも、降りない。そもそも、鎖(輪になっている)は回るようにはなっていない。
さんざん悩んだ挙句、その鎖を思いっきり真下に引き下げると、
「モーターの電磁ブレーキが外れる事」に気付いた。
結果、なんとかシャッターは降りたが...。
帰宅できたのは夜中(ちょっと大袈裟)だった。
しかし、その時は「そのシャッターだけの故障」だったが、
今回は「全部」なので何か電源系の故障に違いない。
そう考えた俺は社内で電気工事をしている(改装中なので)
業者の人に訊いた。
「あのう。何か電源のブレーカーをおとしたりしてないでしょうか?」
「ああ。しました。けど、もう入っている筈ですよ?」
「表のシャッターが4箇所、全て降りないんですが。」
「え?おかしいなあ。」
あちこちテスターを当てて調べたその結論から言うと...。
200Vの配電盤の中で二箇所、ヒューズがとんでいた。
そこがたまたまシャッターの電源だったらしい。
「これか。でも、このヒューズ、どこで買えますかね?」
俺はおそろしく旧式っぽい...その壊れたヒューズを見て言った。
「特殊なもんですし、第一、もう、売ってないですよ。これ。」
「...。」
まいったね。
何でこんな下らん事で、時間を浪費せにゃならんのだろう?
俺は200Vの配電盤を見回した。
こういう消耗品はその辺、どこかに隠してある事が多いんだ。
しかし...どこにもそれらしき物は無い。
仕方が無いので俺は、
配電盤の中の「水中ポンプ」と書いてある場所からヒューズをブッこ抜いた。
「これを、シャッターの所のヒューズに使って下さい。同じ種類でしょ?」
「え?でも、いいんですか?これ抜いちゃって?」
電気工事の業者さんは驚いて俺に尋ねた。
まあ、当然だ。ヒューズを抜いてしまえば通電しなくなる。
「知らね。でも、俺は『水中ポンプ』なんて見た事ないもんね。」
「見た事なくても、どっかで使ってるんじゃ...。」
「いいよ。ここの会社の歴史は知らねーが、こんなもん関係ねーよ。
水槽もプールも無いんだから。」
「いいの?」
「責任は持つ。『水中ポンプ』 = イ・ラ・ネ」
「わかった。」
無事、シャッターは作動したが、こうして、
おそらくは数十年の歴史を持つ我が社の「水中ポンプ」の歴史は幕を閉じた。
そして、今日。
何かが起きるんじゃないか?とヒヤヒヤしながら過ごしたが、
例の「水中ポンプ」が止まったからといって、別に(社内的には)困った事も起きなかった。
でも...。
さっき、思い出したんだ。以前、会社の古参社員から聞いた噂を。
「この会社の地下にはね。巨大なポンプがあるんだ。」
「何をしているポンプですか?」
「『水中ポンプ』さ。水をくみ上げる...」
「水をくみ上げてどうするんですかね?」
「さあ。それ以上は知らないけどね。その昔...(以下、忘却の彼方)」
今さら、どうーしょもないが。
俺が気付いていないだけで、どこかで何か、
恐ろしい事が「始まった」のかも知れない...。