ほぼ日刊、土と炎、猫と煙突

白く燃え尽きた灰の奥深く、ダイアモンドは横たわる。

動物だもの。

2005年09月29日 23時09分15秒 | 古い日記
白猫が一匹、会社内の敷地をウロウロしていた。

ピース(写真上)が捨てられていた周辺を、
「捜している」ような様子だった。

多分、こいつはピースの実親だろう。

猫は一度に2~5匹程度、子供を産むらしいが、
「とても育てきれない」と判断した場合、
捨ててしまう事がままある。(獣医談)

実際、年に5匹も仔を産み、
それが全部育ったら、子孫が増えすぎて、やがて共倒れを起こす。

第一、育ててみればわかるが、
仔猫一匹あたり、親猫の2倍は食べる。

それを5匹も育てあげる...には、
人間で言えば「普段の収入の10倍近い出費」
が必要なわけで、「貯え」の概念が無い猫には、
最初から出来ない相談である。

よって、死ぬ分を見越して複数の仔を産むんだろう。

そう考えると「仔捨て」は自然の摂理で、
自然界では珍しい事ではない...と思える。

しかし、猫は居なくなってしまった仔を、
急に思い出して捜し始める習慣がある...らしい。

ある家で、一つがいの猫を飼っていた。

仔を産んだので、数ヶ月、育てさせた後、
親の目を盗んで、他人にあげた。

仔猫は一匹、また一匹、と減っていくが、
親猫の方は、
「あれ?独り立ちしたのかな?」
と思うのか...。

別に気にする様子もなかった。

そして、半年後、とうとう一匹もいなくなり、
親猫二匹は、通常の生活に戻った。

しかし、それから1年か2年くらいは...
時々、思い出したように、
仔猫を捜している様子を見せた、と言う。

冒頭の白い猫も、突然、思い出したんだろう。

でも、思い出せるのは、
「あれ?あの仔は?」という事だけで、
「何故、いなくなったのか?」まではわからないと思う。

「育てきれないので、自分が捨てた」とは記憶していないと思う。

人間だけでいいよ。そういう事がわかるのは。

みつを。