名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

五嶋みどり&オズガー・アイディンデュオリサイタル2011@名古屋宗次ホール (6月19日13:00~)

2011年06月20日 23時23分23秒 | 観る(ライブ)

今日のコンサートの注目点は、

演奏がどーのこーのじゃなく、

小学生で鮮烈なデビューを遂げ、1人の人間として大きく成長した人間五嶋みどりそのもの。

具体的には、彼女の自己表現の作法とエモーションコントロール。


本日のみどりセレクトは、

モーツァルト、ヤナーチェク、ラヴェル、クルターク!にベートーヴェン、


Gy醇rrgy Kurt醇@g Eight Duos op. 4 - Violin & Cymbalon

(この曲だったわけじゃないけど、クルタークってこんな感じです)


と、理解し得ない作曲家もいたりで、

叙情的鑑賞(感傷)の期待はギブアップ、人間みどり観察に集中です。


大学で教鞭をとるプロフェッサーとしての知性と教養、

社会貢献に積極的な姿勢と経験が、

彼女の音楽性をさらに神に近い位置へ昇華させたに違いない、

という仮説をこの目で確認するために。




BRAVO

紛れもなく一流の音楽家でした。


ゆるぎない音への集中力、

指が弦の上を自由自在に動き回り、弓をくねくね操る超技巧、

弓が弦スレスレこする感じの、pが5個くらいつきそうなピアニッシモのロングトーン。
(素人目にもこれ、超むずかしそうでした)

心理学博士号を取得、大学での教鞭による、

思考や経験の幅を広げた結果の、作品や音符への深い理解。

どうやら、彼女も米国市民権を取得したらしいのですが、

そんなこんなで、日本より米国での生活が長いからなのか、

共演者のピアニストがコロラド出身だからなのか、

ヤナーチェクの超ドラマチックなソナタですら、どこかドライでクールなスタンスで、

不思議にニューヨークの乾いた都会的センスが漂っていました。


以前、

NYのアベリーフィッシャーホールでNYフィルを聞いたとき、前半は打楽器をタカタカ鳴らすような超前衛な現代曲、

そして後半はベートーベンやブラームスで終わるというようなプログラム構成になっていて、

友の話によれば、NYの流行はこんな感じであるとのことでした。

日本では、現代音楽のなじみがあまりないため、この手の曲がメジャーな演奏会で

プログラムされることってまだあまりないですよね。

なんか、そんな選曲のレパートリーでも、NYの風を感じたのでした。

あー

NY行きたくなってきた!

NYでミドリ聞きたい!




2011年6月19日(日) 13時~@宗次ホール
共演:オズガー・アイディン(ピアノ)
モーツァルト: ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ト長調 K.301、
ヤナーチェク: ヴァイオリン・ソナタ、
ラヴェル: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調、
クルターク:3つの断章 Op.14e
ベートーヴェン: ヴァイオリンソナタ 第9番 イ長調「クロイツェル」 Op.47
アンコール: ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女



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