昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
アンティークなラジオを中心とした、自由でお洒落な、なんちゃってワールド♪

おいしん坊、万歳!~博多ッ子 純情 田中麗奈と会っちゃいました♪~

2006-09-17 | 昭和三丁目の真空管ラジオ
 とある雑誌のランキング特集で、「サラリーマンが転勤したい都市」の№1にみごと輝いた福岡市。その理由の一つに「人情が厚い」と挙げられる街、博多へ一泊の旅に出た。

 博多っ子気質という言葉があるが、これは主に山笠の勇壮さにすかして見た博多の男性の野太い、しかしどこか照れたような人の良さ指す。一方、全国の転勤族の面々に「人情が厚い」と言わせるのは、言わずと知れた女性の情のことだろう。
 新幹線のぞみに乗り換えるため降り立った広島駅で買った穴子むすび(¥168)と伊右衛門茶で小腹を満たし、一路、博多へ。

      

 JR博多駅から地下鉄に乗り換え、福岡の中心地・天神へ。ひさびさの再会の挨拶もそこそこに、地場百貨店の岩田屋やソラリアプラザが取り囲む福岡市・天神2丁目の1等地にオープンする、ファッションビルVIORO(ヴィオロ)へ向かった。
地上8階・地下3階、30歳前後の「大人の女性」をターゲットにしたVIOROは、イタリア語の「花(fiore)」と「真実(vero)」を意味する言葉を合わせた造語。高級ブランドを中心とした靴やバッグ、アクセサリー、カフェなど九州初出店の41店舗を含む、58店舗で開業。東京で話題の「表参道ヒルズ」のテナントも入居している。
 
      

 建築デザインは、商業施設の設計に数々の実績があるジョン・ロウ氏。
デザインキーワードは「温かみとクールさのコントラスト・永続性・透明感」で、「石」と「ガラス」の組み合わせをベースに「暖色系の塗装」と「金属の仕上げ」を随所に取り入れるなど、シンプルでありながらも上質な外観フォルムである。

      

 オープニングセレモニーでは、福岡出身の女優、田中麗奈さんがゲストとしてテープカットに出席し、新たな大型施設の誕生に花を添えた。

 博多の女性を言い表す方言に、「ごりょんさん」という言葉がある。山笠の期間中、一家の主の男が家にはほとんど寄り付かず、仕事もそっちのけで山にのぼせることを公に認められてきた博多の地。ごりょんさんの肩に、一家の切り盛りや山笠の裏仕事がのしかかり、それは博多の祭りのしめくくりである放生会(ほうじょうえ 9/12~18)まで続く。そして女性は着物を新調し、この放生会着もんでお参りしたそうだ。祭りにのぼせたご亭主から、ごりょんさんへのご褒美といったところか。
 傍で彼女を見ていると「田中麗奈がごりょさんで、俺は山笠にうつつを抜かす“博多っ子純情”な生活もいいなぁ・・・」などと、思考回路はトリップしてしまう。

      

 昼食は7Fのフレンチ・レストランBISTRO ET VINS PÉTOROで、980円のリーズナブルなランチコースを試してみた。ちょっぴり下のクラスをセレクトしても十分堪能できる程よい贅沢感が、逆に心地よい。

      

 午後からの仕事の時間調整のため、店内を観察して回ったところ、オープン初日ということもあり、女性客を小洒落た店員さんが迎えるショップの奥には「ちょいワル風」ファッションに身を固めたオジサンたちが控え、微妙な視線を送ってくる。
1969年、イタリアのフィレンツェで生まれた水牛のマークでお馴染みの高級レザーブランド イル ビゾンテ>(IL BISONTE)に立ち寄り、今日の記念に安いキーホルダーを購入してもらった。

 ひと仕事終え、ホテルでシャワーを浴びた後、夕食がてら外出した。
ガイドブックで洒落た話題の店を探す気合も根性もないボクは、いつものようにフロントで「この近くにあるお薦めのお店を教えてください~♪」と尋ねてみた。

      

 ホテルから歩いて五分、博多区役所前にある、店構えも店内もごく普通の居酒屋「男の食彩 あき津゛」は、知る人ぞ知る、他に類のみない貴重な”極附”オリジナル辛子明太子が人気の隠れた有名店でもある。ちなみに、こちらのお店と辛子明太子は、『ラピタ』2004年10月号、『サライ』2004年11月号別冊にて紹介されています。
とりあえずビールで乾杯し、恰幅がよく何気に品のあるご主人にお勧め料理を尋ねたところ、「この時期は秋刀魚や鯖が美味しいですよ」と気さくに対応いただけた。店主の人柄に触れることも、旅の楽しみの一つであろう。

       

 直径30cmの大皿に盛られたごま鯖の刺身は、焼海苔の上に刺身・白ねぎ・ワサビを乗せ、酢味噌をつけて食べる逸品だ。焼酎「夜叉」との相性も抜群!
次に注文したのは秋刀魚を炭火で軽く炙り、刺身にした『炙り秋刀魚』。表面に火を通すことで秋刀魚独特の芳ばしい香りに包まれ、脂の乗った新鮮な秋刀魚の刺身を味わえる。背身と腹身は別々の種類の醤油につけて食べるところにも、お店のこだわりが伝わってくる。
美味しい料理と焼酎に軽く酔い、初秋の夜風が心地よく感じる博多の夜であった。