湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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☆ルーセル:弦楽四重奏曲

2017年08月01日 | フランス
◎ノヴァーク弦楽四重奏団(SUPRAPHON)

これは軽やかで喜遊的で素晴らしい。ルーセルの室内楽だからといって晦渋だというイメージは誤りだ。この団体は現代的な硬質な音(でも一種東欧的な音ではあるのだが)で統一されていながらも表現がしなやかで自然であり、透明感がばっちりで生々しさが無いぶんルーセルのドロドロしたところが完全に「機構」として機能しており、余計な雑念を持ち込まない。そこがバッチリ曲にはまっている。ファーストの雄弁ぶりも鼻につかず(実際感傷的ではないが瞬間ポルタメントなどそれなりにやっている)、旋律が決して埋没しないのでスケルツォからフィナーレの流れが晩年ルーセルにしては異例に「楽しい」のだ。2楽章ですらアイヴズの「賛美歌;アダージオ・カンタービレ」を更に親しみやすくして、書法のアマチュアぽさを払拭したような、とても完成度の高い叙情音楽に聞こえる。ちゃんと旋律があったのだ、とかつ目する向きもいよう(それ以前にここまでルーセル聞いてる人っているのか?)。とにかくこの演奏、ステレオでいい録音ということもあって、抜群にいい。◎。

※2006/4/21の記事です
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