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外国語学習の意味、そして母国語について考えましょう

社内公用語の英語化、小学校での英語の義務化など最近「英語」に振り回され気味ですが、何故、どの程度英語を学ぶか考えます。

小学生とともに考える「必要条件・十分条件」の問題。英語でね。

2014年08月26日 | 教育諭:言語から、数学、理科、歴史へ

 小学生とともに考える「必要条件・十分条件」の問題。英語でね。長いエッセイです。

アンクルサム英語スクールでは、「英語のための英語」の勉強にならないように、「英語で」何かの目的を達成するという形になるように心がけています。それは初級者、上級者を問わず、また大人であっても、子供であっても同じです。人間は目的のはっきりないことに努力することはできません。英語学習において同じです。意味のよく分からない単語などは覚えられるものではありません。

しかし、近代社会では、子供たちに中産階級に入って欲しいという一念からでしょう、ともかく、やみくもに学習させます。そのため、にんじんと鞭で勉強するのが当然のようになっていて、私が前項で述べたことを言っても意味が分からなくなっている人が多いように思います。でも、うすうす、「TOEICのスコア、アップ」のような擬似目的、つまり、にんじんですね、を目的にすることは変だと気がついて苦笑する人も、また多いので、悲憤慷慨するようなことではないのかもしれません。


漫画 ホウレン草さて、先日、小学6年生の子とともに、論理学の学習をしました。必要条件・十分条件です。「英語で」論理学ですね、。論理学など小学生には無理だと思っている方はいませんか。しかし、一般的に言って、論理や、科学、数字には、大人より、むしろ子供の方が敏感なように思えます。せっかくの芽がだいたい中学生の頃につぶされるのが実情ではないでしょうか。

この記事では、日本語ヴァージョンをすぐ下に出しておきます。その下に、答えと、それにまつわる議論。さらに、その下には、実際に小学生とともに解いた英語ヴァージョンを出します。意欲にある方は、一番下の英語バージョンで解いてみてください。

これらの問題を作る際、気をつけたのは以下の二点です。

(1) 純粋に抽象的に、論理で考えられる問題と、実際に私たちが問題解決行動を取る際の問題(原因と結果が関わる問題)とに分けました。前者が7題。1/2という章分けで示した問題です。後者は、2/2で示した22題です。後者の22 題については、「屁理屈」で考えないでね、という前に、当人もそのことは分かっていたようです。

(2) すべての問題が、必要条件か、十分条件のどちらかに分けられるわけではありません。必要条件と十分条件の両方を満たす場合もあるし、逆に、どちらにも当てはまらないものもあります。ものによっては、私の知識不足で、あとで、ある分野の専門家である生徒さんから聞いて、修正したものもあります。

全体を通して、必要条件、十分条件が当てはまる場合は世の中で少ないこと、ましてや、両条件を満たす場合はまれだということを認識してもらうことが目的です。そこから関数の勉強に導けたらと私は思っているのですが...。

 

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必要、十分条件日本語版 一番下の英語版と同じ問題です。

(この日本語版と、一番下の英語版の間に、答えと、疑問、議論のコーナーがあります。)

 

 

 

必要条件と十分条件
necessary conditions and sufficient conditions

★ 以下の空欄にnecessary か、sufficientを入れよ。両方とも入らない場合もあるし、両方入る場合もあるゼ。見解が分かれる場合も想定しています。

必要条件・十分条件 以下のどれかを入れよ。
N) necessary  必要
S) sufficient  十分
N and S) both necessary and sufficient  必要かつ十分
×) neither necessary nor sufficient 必要条件でも十分条件でもない

 


1/2:「論理」的なもの:概念の包含関係:  ベン図で考えよ。

1) 港区に住んでいることは、東京都民であることの[ ]条件である。

2) 東京都民であることは、港区民であることの[ ]条件である。

3) フォーミュラー1のドライヴァーであることは、自動車を運転できることの[ ]条件である。

4) A + B = 0であることは、A = B = 0であることの[ ]条件である。

5) 四角が正方形であることは、その四角が平行四辺形であることの[ ]条件である。

6) x を実数とするとき,x>1 であることは,x> -2 であるための[ ]条件である。 

註:実数:real number(有理数と無理数を合わせたもの)

 

2/2:「因果関係」に関するもの。 22題
現在の知識を前提し、行動の基準にするものです。

1) 酸素があるのは、火が燃える[ ]条件である。

2) 通常気圧で、水の温度がマイナス10度であることは、その水が氷であることの[ ]条件である。

3) 通常気圧で、水の温度がプラス10度以下であることは、その水が氷であることの[ ]条件である。

4) 海の中に一時間沈んでいるのは、水死する[ ]条件である。

5) 水の中に鼻と口をつけることは、水死することの[ ]条件である。

6) コンセントを抜くのは、洗濯機が動かなくなる[ ]条件である。

7) コンセントを入れるのは、洗濯機が動く[ ]条件である。

8) 運転免許証を持っていることは、運転ができる[ ]条件である。

8) F1レースで、ケロタがグランプリを獲得したことは、ケロタが運転ができる人だと考えるための[ ]条件である。

9) 100メートルを9秒で走れることは、100走世界チャンピオンになるための[ ]条件である。

10) 100メートルを11秒で走れることは、100走世界チャンピオンになるための[ ]条件である。

11) アカイエカに刺されることは、日本脳炎になるための[ ]条件である。

12) 1と1を足すことは、答えが2になるための[ ]条件である。

13) andの論理:

お金を十分持っていることと、学力優秀であることの両条件を兼ね備えていることは、一流私大医学部に入れるための[ ]条件である。 

14) 歴史もの

「日出る処の天子が日沈む処の天士に送る」という手紙を送ったという記録が日本と隋の両方にある、ということは、この手紙が本当の送られたと考える[ ]条件である。

15) 103の鍵を回すことは、103の部屋のドアを開けるための[ ]条件である。

16) 地球が自転することは、地球に朝が来ることの[ ]条件である。

17) ルパンⅢ世が、東京での銀行強盗事件がおきた時、パリのマキシムでディナーをいただいていたことは、彼が実行犯でないことの[ ]条件である。

18) ルパンⅢ世が、東京での銀行強盗事件がおきた日、フランスにいなかったことは、彼が実行犯であることの[ ]条件である。

19) ルパンⅢ世が殺人現場で煙の出ている銃を持っていたことは、彼が犯人であることの[ ]条件である。

20) ルパンⅢ世のDNAが現場から見つかったことは、ルパン三世が犯人であることの[ ]条件である。

21) 事実に基づくことは、あらゆる種類の研究にとって、[ ]条件である。

22) 飛行機に乗ることは、ハワイに行くための[ ]条件である。
Getting on an airplane is the [ ] condition of going to Hawaii.

 

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 必要条件と十分条件 答えと、議論 (下に英語篇があります)

necessary conditions and sufficient conditions

 ルパン3世★ 以下の空欄にnecessary か、sufficientを入れよ。両方とも入らない場合もあるし、両方入る場合もあるゼ。見解が分かれる場合も想定しています。

 

 

 

 

 

 

1/2:「論理」的なもの:概念の包含関係:  ベン図で考えよ。

 1) 港区に住んでいることは、東京都民であることの[ ]条件である。

Living in the Minato ward is the [ s ] condition of being an inhabitant of Tokyo.
●主語の位置に動詞を名詞として置くときは、通常、動名詞(-ing)である。下に見るように、これから行動を起こすような場合、to不定詞の名詞用法が使われる。
inhabitant住民

 2) 東京都民であることは、港区民であることの[ ]条件である。

Living in Tokyo is the [ n ] condition of a resident of Minato Ward.
resident住民

3)フォーミュラー1のドライヴァーであることは、自動車を運転できることの[ ]条件である。

Being a driver of Formula 1 is the [   s   ] condition of being able to drive a car.

 

4) A + B = 0であることは、A = B = 0であることの[ ]条件である。

A + B = 0 is the [ n ] condition of A = B = 0.

 

5) 四角が正方形であることは、その四角が平行四辺形であることの[ ]条件である。

The fact that a tetragon (quadrangle) is square is the [ s ] of the fact that this tetragon is a parallelogram.
● the fact that文:~という事実 that以下はthe factの「内容」を示す。
tetragon = quadrangle:四角形 parallelogram平行四辺形

 

6) x を実数とするとき,x>1 であることは,x> -2 であるための[ ]条件である。

The fact that when x is a real number, x is larger than 1( x>1) is the [ s ] condition of x> -2
real number実数(有理数と無理数を合わせたもの)

 

 2/2:「因果関係」に関するもの。

現在の知識を前提し、行動の基準にするものです。

1) 酸素があるのは、火が燃える[ ]条件である。

Oxygen is the [ n ] condition of burning.

2) 通常気圧で、水の温度がマイナス10度であることは、その水が氷であることの[ ]条件である。

The fact that the temperature of water is under minus 10 degrees Celsius in normal atmospheric pressure is the [ s ] condition of the fact that the water is ice.
atmospheric pressure大気圧

3) 通常気圧で、水の温度がプラス10度以下であることは、その水が氷であることの[ ]条件である。

The fact that the temperature of water is less than 10 degrees Celsius under normal atmospheric pressure is the [ n ] condition (of the fact) that the water is ice.

4) 海の中に一時間沈んでいるのは、水死する[ ]条件である。

Being under the sea for one hour without any device is the [ s ] condition of being drowned
drown(ドラウン)水死する、させる  device装置

5) 水の中に鼻と口をつけることは、水死することの[ n ]条件である。

Having your nose and mouth immersed in water is the [ ] condition of dbeing drowned.
● have 名詞 + --------:~に-----させる

6) コンセントを抜くのは、洗濯機が動かなくなる[ ]条件である。

Having the washing machine unplugged is the [ s ] of the fact this machine doesn’t work.
● have 名詞 + --------:~に-----させる
● of the fact thatのthat(「~という」)が省略されている。
unplugコンセントを抜く
★ 電池式の洗濯機はまだありません。最初、ラジオで問題を作ろうとしました。 

7) コンセントを入れるのは、洗濯機が動く[ ]条件である。
Getting the washing machine plugged and getting it on is the [ n ] condition (of the fact that) this machine can work.
● 括弧内は省略できる。
● get 名詞 + ----:haveの場合とほぼ同じで、おおよそ「AにBさせる」という意味になる。
★ 洗濯機は壊れているかもしれません。

8) 運転免許証を持っていることは、運転ができる[ ]条件である。

Having a driving license is the [ n ] condition of being able to drive.
be able toは、canと同じ意味であるが、このようにofの後に-ing形にして、持ってくることができる。

9) F1レースで、ケロタがグランプリを獲得したことは、ケロタが運転ができる人だと考えるための[ ]条件である。

The fact that Kerota won “le Grand prix” in the Formula 1 race is the [ s ] condition that you think that he can drive a car

10) 100メートルを5秒で走れることは、100走世界チャンピオンになるための[ ]条件である。

To be able to run for 100 meters in five seconds is the [ s ] condition of becoming the world champion.

★人間に限ります。(ケロタはそういえば蛙でした)

11) 100メートルを11秒で走れることは、100走世界チャンピオンになるための[ ]条件である。
To be able to run for 100 meters in eleven seconds is the [ n ] condition of becoming the world champion.

12) アカイエカに刺されることは、日本脳炎になるための[ ]条件である。

To be bitten by a mosquito called akaieka is the [ n ? ] condition of coming down with “nihon noen”.
be bitten by:「蚊に刺される」。英語ではbite(「噛む」)を使う
★ ところが、シマダラカも日本脳炎を移すと、Dr.Yが言っていましたので、じつは、この問題は、必要条件でも十分条件でもありません。

13) 1と1を足すことは、答えが2になるための[ ]条件である。

Adding 1 to 1 is the [ s ] condition of the answer being 2.

14) お金を十分持っていることと、学力優秀であることの両条件を兼ね備えていることは、一流私大医学部に入れるための[ s ]条件である。 

● andの論理
To have enough money and to have high score at school at once is the [ s ] of being able to enter a prestigious medical school of a private university..
● A and B at once:AとBの条件を両方とも満たしていること。このat onceは、「すぐに= right away」の意味ではない。
★ 一つだけの条件だと、必要条件でも十分条件でもありませんが、二つ有ると、入ろうと思えば入れるということになります。

15) 「日出る処の天子が日沈む処の天士に送る」という手紙を送ったという記録が日本と隋の両方にある、ということは、この手紙が本当の送られたと考える[ ]条件である。

The fact that the letter that said “the emperor of the country where the sun rises is sending this letter to the emperor of the country where the sun sets was recorded both in ‘”Zui” and in Japan is the [ s ] condition of the fact that Shotokutaishi really sent this letter,
★ 当時は、通信手段がなかったので、双方に証拠があれば、手紙のやりとりがあったことは確かでしょう。

16) 103の鍵を回すことは、103の部屋のドアを開けるための[ ]条件である。

To turn the key of room 103 in the keyhole of room 103 is the [ n ] condition of opening the door of room 103.
● 普通は、必要、十分条件をともに備えていると考えるべきでしょうが、内側からのロックがかかっていたり、内側から押さえている場合もあります。

 17) 地球が自転することは、地球に朝が来ることの[ ]条件である。

The rotation of the earth is the [ s and n ] of the earth having mornings.
● the earth having morningsは、the fact that the earth has morningsの短縮形(動名詞と、動名詞の意味上の主語)
rotation自転
★ 朝の普通の定義からすると、必要、十分条件だと言えるでしょう。

18) ルパンⅢ世が、東京での銀行強盗事件がおきた時、パリのマキシムでディナーをいただいていたことは、彼が実行犯でないことの[ ]条件である。

The fact that Lupin Ⅲ was having dinner at Maxim’s in Paris when a bank in Tokyo was robbed is the [ s ] condition of the fact that he himself didn’t rob the bank.
rob A of B:AからBを奪う、強盗する

 

19) ルパンⅢ世が、東京での銀行強盗事件がおきた日、フランスにいなかったことは、彼が実行犯であることの[ ]条件である。
The fact that Lupin Ⅲ was not in France on the day when a bank in Tokyo was robbed is the [ n ] condition that he himself robbed the bank..

20) ルパンⅢ世が殺人現場で煙の出ている銃を持っていたことは、彼が犯人であることの[ ]条件である。

The fact that Lupin Ⅲ was carrying a gun smoking is the [ ×] condition that he was a criminal.
★ smoking gunというのは「動かぬ証拠」という意味ですが、誰かが巧妙にルパン3世を犯人に仕立てている可能性もあります。だからこそ、裁判というものがあり、決着をつけて、社会がそれを認める必要があるのです。

21) ルパンⅢ世のDNAが現場から見つかったことは、ルパン三世が犯人であることの[ ]条件である。

The fact that the DNA of Lupin Ⅲ was found on the spot is the [×] condition that he was a criminal.
★ 上と同じ理由で、確実とはいえません。もし十分、必要条件が満たされるのだったら、裁判、司法という制度は必要ないです。

 22) 飛行機に乗ることは、ハワイに行くための[ ]条件である。

Getting on an airplane is the [ × ] condition of going to Hawaii.

 

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必要条件と十分条件 英語篇
necessary conditions and sufficient conditions

十字路漫画教室で実際に解いたのは、この、英語篇です。ここで使っている「英語」は、普遍的概念ばかりです。だから「論理の問題が解ける」わけです。

私たちの必要とする英語力とは、まず、このような普遍的概念、論理展開を英語でできるようにすることではないかと思います。ある意味で「表面的」な英語力ですが、英語圏の文化にどっぷりつかることと、普遍的概念を英語でなんとか言い表せることは、やはり違うのでは。

 (一番下に、答えと、疑問、議論のコーナーがあります。)

★ 以下の空欄に以下の4つのいずれかを入れよ。

N) necessary

S) sufficient

N and S) both necessary and sufficient

×) neither necessary nor sufficient

 

1/2:「論理」的なもの:概念の包含(ほうがん)関係:  ベン図で考えよ。

1) Living in the Minato ward is the [ ] condition of being an inhabitant of Tokyo.
●主語の位置に動詞を名詞として置くときは、通常、動名詞(-ing)である。下に見るように、これから行動を起こすような場合、to不定詞の名詞用法が使われる。
inhabitant住民


2) Living in Tokyo is the [ ] condition of a resident of Minato Ward.
Resident住民

 

3) Being a driver of Formula 1 is the [ ] condition of being able to drive a car.


4) “A + B = 0” is the [ ] condition of “A = B = 0”.


5) The fact that a tetragon (quadrangle) is square is the [ ] of the fact that this tetragon is a parallelogram.


● the fact that文:~という事実 that以下はthe factの「内容」を示す。
tetragon = quadrangle:四角形 parallelogram平行四辺形


6) The fact that when x is a real number, “x is larger than 1( x>1)” is the [ ] condition of “x> -2”.
real number実数(有理数と無理数を合わせたもの)

 

2/2:「因果関係」に関するもの。21題あります。
現在の知識を前提して<行動の基準>にするものです。屁理屈はなしでね。

1) Oxygen is the [ ] condition of burning.


2) The fact that the temperature of water is under minus 10 degrees Celsius in normal atmospheric pressure is the [ ] condition of the fact that the water is ice.
atmospheric pressure大気圧


3) The fact that the temperature of water is less than 10 degrees Celsius under normal atmospheric pressure is the [ ] condition (of the fact) that the water is ice.


4) Being under the sea for one hour without any device is the [ ] condition of being drowned
drown(ドラウン)水死する、させる  device装置


5) Having your nose and mouth immersed in water is the [ ] condition of being drowned
● have 名詞 + --------:~に-----させる


6) Having the washing machine unplugged is the [ ] of the fact this machine doesn’t work.
● have 名詞 + --------:~に-----させる
● of the fact thatのthat(「~という」)が省略されている。
unplug(アンプラグ)コンセントを抜く


7) Getting the washing machine plugged and getting it on is the [ ] condition (of the fact that) this machine can work.
● 括弧内は省略できる。
● get 名詞 + ----:haveの場合とほぼ同じで、おおよそ「AにBさせる」という意味になる。


8) Having a driving license is the [ ] condition of being able to drive a car.

9) The fact that Kerota won “le Grand prix” in the Formula 1 race is the [ s ] condition that you think that he can drive a car


10) To be able to run for 100 meters in five seconds is the [ ] condition of becoming the world champion.


11) To be able to run for 100 meters in eleven seconds is the [ ] condition of becoming the world champion.


12) To be bitten by a mosquito called ”akaieka” is the [ ] of coming down with “nihon noen”.
be bitten by:「蚊に刺される」。英語ではbite(「噛む」)を使う come down with(病気に)かかる


13) Adding 1 to 1 is the [ ] condition of the answer being 2.


14) andの論理
To have enough money and to have high score at school at once is the [ ] of being able to enter a prestigious medical school of a private university..
● A and B at once:AとBの条件を両方とも満たしていること。このat onceは、「すぐに= right away」の意味ではない。


15) 歴史もの

The fact that the letter that said “The emperor of the country where the sun rises is sending this letter to the emperor of the country where the sun sets was recorded both in ‘”Zui” and in Japan is the [ ] condition of the fact that Shotokutaishi really sent this letter,


16) To turn the key of room 103 in the keyhole of room 103 is the [ ] condition of opening the door of room 103.


17) The rotation of the earth is the [ ] of the earth having mornings.
● the earth having morningsは、the fact that the earth has morningsの短縮形(動名詞と、動名詞の意味上の主語)
rotation自転


18) The fact that Lupin Ⅲ was having dinner at Maxim’s in Paris when a bank in Tokyo was robbed is the [ ] condition of the fact that he himself didn’t rob the bank.
rob A of B:AからBを奪う、強盗する


19) The fact that Lupin Ⅲ was in not in France on the day when a bank in Tokyo was robbed is the [ ] condition that he himself robbed the bank..


20) The fact that Lupin the 3rd was carrying a gun smoking on the spot is the [ ] condition that he was a criminal.
on the spot現場で

21) The fact that the DNA of Lupin the 3rd was found on the spot is the [ ] condition that he was a criminal.


22) Getting on an airplane is the [ ] condition of going to Hawaii.

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英語で理科、数学:「実験教育」はうまく行っているのでしょうか?

2014年07月25日 | 教育諭:言語から、数学、理科、歴史へ

英語で理科、数学: 「実験教育」はうまく行っているのでしょうか?

この記事の内容は、シリーズ・タイトル「英語で理科、数学」から少々逸脱します。「英語で~」の部分ですが、抜けています。しかし、現在担当してる小学校6年生には、「英語で理科、算数」を教えているので、タイトルどおりのエッセイもこれから書くと思います。

今回は、「理科」の部分のみの話題です。

ちょっと細かく、長い内容です。理科教育へ関心のない方は飛ばしてください...、と書こう思ったのですが、理科教育の意義について、皆さん考えていただくきかっけになると思いますので、国語や、英語の先生にも、読んでいただきたいと思います。

もみじ坂青少年センター神奈川県の公立中学では、昔、横浜市の、もみじ坂にある青少年センターというところで、全県の中学生が一度実験授業に参加するという慣わしがありました。ひょっとしたら今でも行われているかもしれません。学校の理科室ではふだんできない実験を生徒に体験させるためです。私はそこで銀メッキの実験を体験しました。しかし、その実験がどういう意味を持っているのか、じつは、皆目分かりませんでした。今でもその実験を覚えているのは、その意味が分からなかったからです。(記憶している理由には、もみじ坂には、前川國男の名建築が打ち並んでいることに感動したこともあるかもしれません。)

ところで、現在、子供の科学リテラシーを高める、という目的でしょうか、理科の理科の実験実験を薦める書籍、講演会などが大変目に付きます。しかし、中学生のときの体験を思い起こすと、ほんとうにこうした実験教育が機能しているのかどうか、どうしても疑いの目をもって見てしまいます。

なんのために実験をするかとういことが横に追いやられて、光ったり、色が変わったりということで子供を驚かしているだけではないか、という疑いです。実験はある仮説を確かめるために行うわけですが、その仮説の方は忘れられて、耳目を驚かすようなことだけが行われているとしたら、それは「実験教育」と言えるのでしょうか。

そういう実験教育の現場を見学に行っているわけではないので、確かなことは言えませんが、最近、科学技術の専門家、2名の方に伺ったことから、私の疑いは、より濃厚になりました。

それは、こういうことです。


シェーレ冒頭に書いたように、小学校6年生の子、一人に「英語で理科」を行っているのですが、そこで、「空気は元素か」という問題が生じました。その昔、西洋では、多くの人が、この世のあらゆるものは、空気、火、土、水という4元素から成り立っていると考えている時代がありました。しかし、18世紀に、スウエーデンのシェーレという学者が、<空気が、常に同じ割合で、性質の異なる二種類の「空気」に分かれる>ことを示しました。片方の「空気」のなかでは燃焼が起きませんでしたが、もう一方の「空気」のなかでは激しい燃焼が起きたのです。つまり、空気が元素でないことを証明し、四元素説を否定したのです。今では、燃焼が起きない方の「空気」はほぼすべて窒素、激しい燃焼が起きる方の「空気」は酸素として知られています。現在の元素説は、この実験から開かれたので、これはとても重要な実験です。

シェーレは硫肝水という液体に、空気の一部を吸収させるという方法をとりました。残った「空気」を入れたフラスコを逆さにして水面につけると約1/3ほど水がフラスコの中に上がってきたというのです。消えた1/3は硫肝水のなかに入ってしまったのです(実際は1/5のはず)。燃焼が起こらなかのは、この残った空気(窒素)です。一方、硫肝水に吸収された方の空気(酸素)の中では激しい燃焼が起きることも確かめました。

ロウソクの燃焼実験さて、シェーレの実験を再現しようとしたのですが、硫肝水は手に入らないので、脱酸素剤という薬品で実験を試みました。しかし、どうも、うまく行きません。そのことを、その二人の、世間で理系とみなされている方に伝えたら、コップを逆にして中でロウソクを燃やす実験をしてみたら、と言われました。水面につけておくと、しばらくすると火が消え、その後、水が上がって来るということです。それは燃焼によって、酸素のみが空気中からなくなったからなので、これで、空気が二つに分かれる、つまり元素でないことがわかる、ということでしょう。

皆さん、そう思われますか...。

 

どうも怪しい。ろうそくは酸素がゼロになるまで燃え続けるのでしょうか。少し酸素が減ったら消えると考えた方がよいのでは。私たち人間も、空気中の酸素が減っただけで苦しくなって死んでしまうのですから。

二つ目に、ロウソクが燃えた後、酸素は炭素と結びついて、空気中で、二酸化炭素として存在するはずです。

二つ目の疑いに対しては、二酸化炭素は水に溶けるのでやはり空気は減るのだという説明をうけました。大気圧に反して急に水に吸収されるのでしょうか。

どうも、怪しい...。実は、火を消した後、水面が上がることは確かめたのですが、これを小学生に、酸素と窒素が分離するからだと説明することにはためらいを覚えていました。ネットにもこの実験はいくつか出ているのですが、何故そうなるかということについては明快な説明がない。(だったら、なぜアップロウドしているのでしょうか。)

もやもやした状態で、紀伊国屋書店で立ち読みしてた時、左巻健男さんという方の書かれた本に、「ロウソクの火が消えると酸素はどうなる」という章があったので、さっそく読んでみました。そこには、ロウソクが消えたとき、酸素がもとの20%ほどから、16~17%になるだけなので、水面が上がる主な理由にはならない、と書いてありました。水面が上がる理由は点火後、膨張した空気が火が消えた後収縮したためだそうです。(その本は買いました。)

そうか!。左巻さんの言うことを信じれば、先の二人の説明は、やはり間違っていることになります。j左巻さんによると、この実験には間違った説明が多いということです。でも、左巻さんの意見を確かめるにはどうしたらよいのでしょう。

う~ん。そうですね。密閉したビン内で点火してみたらどうでしょう。

アイアン ウール 酸素そんなことを考えていながら、インタネットで、今度は英語で探してみました。おお、すると日本語の何倍もの化学教育関連のサイト、動画があるではありませんか。そのなかに、Percent Oxygen in Airという動画があり、そこには、試験管に、お酢に浸したスティール・ウールを押しこんで、水面上に立てておくと、20%だけ水面が上がる実験が映し出されていました。そうか、もう一度、スティール・ウールを使うか、東急ハンズに行って脱酸素剤を購入して試みて見ましょう。一週間かかる実験だそうです。

しかし、これで空気が元素でない証明が「証明終わり」になったわけではありません。水面上に残った「空気」と、酸化鉄の酸化を解き、つまり還元して、そこから出た「空気」(重さはさびで増えた分と同じはず)の性質が違うことを示す必要があります。水面上に残った「空気」(主に窒素)の中で燃焼は起きません。かたや、さびを還元した時でた「空気」(酸素)の中では激しい燃焼が起きるはずです。やはりシェーレさんと同じ水準の実験は無理でしょう。ラヴォアジエはもちろんのこと、18世紀の人は偉かったとつくづく思います。

その小学生には、残念ながら、実験の一部しか見せることはできないでしょう。あとはインタネットにたよるしかありません。あまり教育上好ましいことではありませんが...。

ラヴォアジエさて、今回の件では、何が問題だったのしょうか。科学、技術の専門家は必ずしも原理的に考えていないのではないか、と疑われることです。加えて、実験の意味が学校教育で十分生徒に伝わっているか、という点に関しての疑いも、前より強まったということです。

自然科学にしろ、自然科学と見なされない分野にしろ、疑うこと、確かめることはとても大切なことです。理科教育はそういう態度を養うのに役に立つではないかと思います。もう少し詳しく言うと、理科教育の目的は、主に三つあるのではないかと思っています。今回の件で、その考えが強まり、ブログに書くことにしたのです。その三つとは以下のとおりです。

① 第一に、仮説と実験を通して、疑う、確かめるという態度を養うこと。

② 疑いながらも粘り強く調べるということ。

③ 第三には、確かめたことを自信を持って言うということで、明朗な自我を形成すること。

より詳しくはまたあとで論じたいと思っています。理科の先生だけでなく、理科以外の先生の意見を伺いたいと思います。

●一番下のイラストは、ラヴォアジエ翁、実験の図

 

 


英語教育と国語教育:三世代家庭と外国語学習

2014年06月15日 | 教育諭:言語から、数学、理科、歴史へ

 英語教育と国語教育:三世代家庭と外国語学習

帝塚山大学名誉教授・伊原吉之助さんの評論に、興味深い一節が見つかりました。

『若者を未熟にした核家族の弊害』 帝塚山大学名誉教授・伊原吉之助
2014.6.4 03:08 (最終閲覧:6月16日)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140604/edc14060403080001-n1.htm

英語教科書この評論の全体の趣旨は、「祖父母の存在は歴史と社会という外側の世界に子供の目を向けさせるので、子供の成長に欠かせない」ということです。それを、おもに、その反対例である核家族の弊害と対比しながら論じています。とりわけ、言葉の習得に、三世代同居の影響が大きいと指摘しています。

もっとも、この種の意見は、一般的な検証が困難なので、「保守派のたわごと」として片付けられがちな意見でもあります。こうした意見は定期的にマスメディアに登場ます。その際、一定の数の人が「溜飲を下げる」のですが、証拠がないので、人を動かし、具体的な対策にまで手が届かず、事態は変わらないという結果に終わりがちです。

 

ところで、この評論の趣旨とは別に、つぎの箇所に興味を持ちました。

 

日本人および日本文化の根幹は国語です。それがうまく継承されてゐません。日本人が言霊と尊び、聖書も「太初(はじめ)に言葉ありき」と宣言した大事な言葉を、戦後の日本人は実に粗末に扱ひました。せめて祖父母が孫と同居してゐれば基本はちやんと伝はつたのにと残念至極です。

 三世代家庭では敬語が自然と身につきます。父母が祖父母に敬語を使ふからです。そして敬語こそ人間関係を重んずる日本文化の精髄です。ここで孫は言葉の使ひ分けを学びます。これが将来、外国語を学ぶときに役立ちます。国語の使ひ分けは、国語と外国語の使ひ分けに通ずるからです。


abc 「これが将来、外国語を学ぶときに役立ちます。国語の使ひ分けは、国語と外国語の使ひ分けに通ずるからです。」という部分は、三世代家庭が好ましい論拠として、述べられています。著者はこのあとすぐに敬語の話を進めて、祖父母の存在が外国語教育に影響するという意見はこれ以上展開していませんが、ユニークな意見です。

 

外国語学習の本質をつきつめると、他者の理解ということに行き着きます。この場合の他者というのは、自分とは違う考えを持った人間という意味です。自分の持っている先入観、思い込みが通じないということは、外国語を学習する時、大きな障害でもあるし、また外国語を学習する際の深い動機となることです。外国語学習の最初の動機は、単に、「英語ができる自分がうれしい」とか、「映画を字幕なしで分かりたい」というようなことが多いのですが、この動機に目覚めるようになれば、その学習者の外国語学習が本物になったといえるでしょう。

伊原さんが述べている外国語とは、まさに、ここで述べた他者にほかなりません。自分たちが当たり前に思っている言葉が通用せず、または不適切な場合があるということをつきつめて、その一番先にあるのが外国語ということができます。このような他者の意識がないままで、英語学習を始めても、試験で点を取ってやめたり、えらそうに見せるために英語を学んだりすることに満足するだけに終わってしまうかもしれません。

ハロー外国語を学ぶ際、自分は本当は分かっていないのだろうか、自分の言ったこと、書いたことが通じていないのではないだろうか、という自問自答はとても大切なのですが、しだいに、つい、分かった気になっていまい、また、通じた気になってしまいがちです。「できる人」ほどその陥穽に陥いる可能性が高いのです。それはなぜか。その大きな一因は、外国語を「マスター」すべき技能、または道具だと思っているからだからと思います。しかし、言語は、国語であれ、外国語であれ、道具という客観的なものとして片付けられないもの、自分自身と切り離せない存在です。自分以外の他者に対する姿勢そのものであると言ってよいでしょう。その姿勢とは、外の世界に対して敬意を抱き、自分を疑い、謙虚な姿勢を維持することです。この姿勢があってはじめて、外国語学習は、楽しく継続でき、意義深いものになります。

この点で、祖父母の存在は、自分以外の世界があり、それが敬意の対象であることを体感させてくれるきっかけとして意味があると言えます。外国語学習が、じつは具体的に外国語を学ぶ前から始まっていると言っていいかもしれません。ブログのこのシリーズの分類項目は、「国語教育と英語教育」ですが、国語と英語を対立と妥協の関係でしか捉えない傾向にたいして、第三の意見を述べることが趣旨です。伊原さんの一節は、著者自身も軽く触れたと思っている点に過ぎないのかもしれませんが、外国語学習の本質について大切な点に触れていると思います。本質論ではありますが、一方、日々の英語学習、または英語の教員に対し、大きな示唆を与えていると思います。

しかし、この指摘も一般的な検証が困難なものです。「そうだ!」と思う人はいるでしょうが、一定の数の人が「溜飲を下げる」だけに終わらないで、少なくとも、国語の先生と、英語の先生の間の議論のきっかっけになってほしいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 


Did you ever go to Kyoto?は「正しい」か、という問い 英語教師の通弊

2014年05月10日 | 教育諭:言語から、数学、理科、歴史へ

  Did you ever go to Kyoto?は「正しい」か、という問い 英語教師の通弊

英語教室

 

今回は、英語を初めとして、日本語も含め、、母国語を教える教員へ向けて書かれています。ですから、英語学習者には関係がない、と言ってもいいのですが...。

若干、皮肉が込められていることもあらかじめお断りしておきましょう。

過去の経験を訊く時、Have you ever been to Kyoto?と学校で習います。ところが、米国人が、いや、Did you ever go to Kyoto?でいいんだ、と言ったり、また、学校の「正誤問題が間違っている」ことを指摘しながら、「ここが変だぞ、日本人」と言うと、なんだか、日本人は、恐れ入りやの鬼子母神という心理状態になります。ひいては、「だから学校英語はだめなんだ」ということにもなりましょう。(このコラムのタイトルはトリッキーです。Did you ever to to Kyoto?に関する、言語学的課題がテーマではありません。Sorry...)

この思考過程はとてもよく知られているので、それを使って、それで「みすぎよすぎ」をする人たちがでてきます。いわく、「学校英語」はダメで、「正しい」のは○○だ」、「非実用的な英語」対「役に立つ英語」という対立心理です。

英米ときに、新手の話題もあります。Did you ever go to Kyoto?が米国、Have you ever been to Kyoto?が英国。つまり、「英国英語 対 米国英語」というコンセプトもなかなか魅力的です。

しかし、よく考えてください。そういう本、記事は誰が読むのでしょう。英語を学ぶ、日本人をはじめとする非英語諸国の人です。そういう読者は、「教えてくれてありがとうございます」と、素直にお金を払います。

一方、書き手の方の意識に注目してみましょう。この種の、英米比較記事を読む人は、英米人ではなく、英語学習者であることは分かっているはずです。しかも、そんな英米比較など、書いている本人にとって、とhave you everりわけ研究も、学識も必要がありません。(例外もあります。それは末尾の註で。)

ここまで考えると、あまり好ましくない、英語教師の心理が浮かび上がってきます。習う側が素直に受け入れることに乗じて、自分ににとっては当たり前のことについて、上から教えを垂れるという姿勢です。

それは言い過ぎだ、と言う人もおられるでしょう。しかし、再び、よく考えていただきたいのです。英国と米国で用法が違えば、英語を習う、非英語圏の国の人たちは、二重に学習しなければならなくなるのです!。

じっさいは、二重だけでは済みません!。米国でも、「私は3年東京に住んでいます」は、"I've been living in Tokyo for 3 years."であって、 "I'm living in Tokyo for 3 years"ではないのですから、英米の違いだけでなく、米国英語内での、現在完了形と過去形の、さらに複雑な違いを学習しなければならなくなります。口語と文語の違いもあります。習う方はこれだけ負担が増えるのです。

世界の英語言語は家元制度ではありません。米国流と英国流があるというような悠長な話ではありません(昔は、なんとなく、そう思われていませんでしたか?)。英語学習者は、米国に行くこともあるし英国に行くこともあるのです。学習者が遭遇するこのような困難には考慮が払われていません。

教える立場の人は、習う人が伸びてもらいたいと思うはずです。だったら、当然、英米の用法の分離のもたらす困難を、習う立場に立って顧慮するはずです。でも、私が最近、英字新聞で読んだ、英語教師によるこの種の記事には、「私の使う英語ではこうだ、ああだ」という自己主張こそあれ、そこには学習者の顔が見られませんでした。

そうなってしまう背景には、ひょっとしたら...、「英語を話すのは当然であり、話せないのはお前が悪い、あるいは、劣っているからだ」という心理が潜んでいるのではないか、と言ったら、被害妄想でしょうか。

母国語を教える人は気をつけなれればなりません。自分の使っている言語が絶対日本語教師だと思っていはいけないと。日本語を教える人にも言えることです。米国人、英国人の英語教師諸君にまず、言いたいのは、自分が当たり前と思っている母語以外の英語との違いを、ある程度勉強してから教壇に立ってほしい、ということです。最低限、「これは我が国でこう言うが、他国ではこうだ」と言うのが教師の親切というものです。義務でもあります。

さらに言えば、相手の国の言語を学ぶのも基本です。なぜなら英語を学ぶということは母国語と英語との違いを学ぶことですから。まさか、母国語は「決して減らない、楽に手に入れた資本」だという気持ちで教師になっているのではないでしょうね。「決して減らない、生まれつき持っている資本」で商売をしている、もう一つの、あの商売と同じになってしまいやしませんか。

註:220125 更新

この記事を書いてだいぶになりますが、以前、ここにBritish Councilによる演劇形式の洗練された英米語比較をリンクしておきました。残念ながら掲載終了となってしまったので、最近発見した、比較的ちゃんとした動画を一つ紹介します。British Councilにも文章形式の記事はあるのですが、こうしたものは動画で学習したいものです。これ以外にも英米語比較動画のサイトはたくさんあります。

How Are British English and American English Different?

https://www.youtube.com/watch?v=NdJQdt3xkFQ

How to understand the differences between British and American English - See more at: http://learnenglish.britishcouncil.org/en/how/how-understand-differences-between-british-and-american-english#sthash.fmnb3ZqC.dpuf
How to understand the differences between British and American English - See more at: http://learnenglish.britishcouncil.org/en/how/how-understand-differences-between-british-and-american-english#sthash.fmnb3ZqC.dpuf
How to understand the differences between British and American English - See more at: http://learnenglish.britishcouncil.org/en/how/how-understand-differences-between-british-and-american-english#sthash.fmnb3ZqC.dpuf

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今回、最近ある英字新聞に載った、英語学習欄の記事を素材にして書きました。自国語を他国で教える、ということは、一見、誰にでもできる易しい仕事です。しかし、楽そうであるからこそ、そこに、その人の人間性が現われてしまうのです。「ちょろいもんだい」と思っているか、「いや、そんなに簡単なことなのか」と自問自答しているかどうか、です。

 

 


英語教育と教育産業の関係を考える前に、二言、三言

2014年03月28日 | 教育諭:言語から、数学、理科、歴史へ

 前回と異なり、ちょっと重い課題、かもしれません...。

しかし、英語の先生のみならず、教育、研究に携わる方へ向けて、二言、三言。


下の長い絵は、『福沢先生ウェーランド講術の図』 安田靫彦画

上野の戦いの砲声を耳にしながら、英書の経済学の講義を続ける福沢諭吉です。記事は、ずっと下の方にあります。


テーマは、教育と労働との違いです。が、単純に道徳的なことではありません。道徳だと、それ以上論じることができない、ということになります。例えば、 「汝、殺すなかれ」に、「~だから」という理由付けをすることには、ためらわれますね。もっとも、「汝、姦淫するなかれ」ぐらいだと、ちょっと意見が分か れるところです...。

おっと、話を戻しましょう。先日、亡くなった小野田寛郎さんが、自然塾を始めるにあたって、カナダの自然保護について取材に行った際、向こうの人に、「環 境は子孫からの預かりものだ」と聞かされ、「環境は子孫のために残さなければならない」という考えを当然だと思っていた小野田さんは、自らの傲慢さを恥じ た、ということでした。


世の中は<交換>によって循環し、成り立っていることは、自由主義経済の原理と同様、認めましょう。しかし、交換は一対一の関係のものに限られるでしょうか。「当たり前ではないか」という声も聞こえてきます。


しかし、先入観にとらわれずに、世の中を見渡してみると、必ずしもそうではないことが分かります。一対一の交換が合理的ではない局面も案外あるものです。
親は子供を養育したからといって、子供から代金を取るでしょうか。取らないのは当たり前だと誰もが認めるでしょう(西洋の中世の職人文化においては、それ らしきものが認められますが)。


では、「養育」とは、「無償の行為」でしょうか。主観的にはそう思われる方もいるでしょうが、長い目で見ると、そうではな いようです。養育、教育は、親のそのまた親から与えられたものを、自分の子供に与える行為と言えます。一対一の交換ではなく、或る人か ら与えられたものを、その人ではなく、後の世代の別の人に与えるという行為です。小野田さんが経験した、カナダの原住民の社会では、その交換原理が意識され、掟として存在しているのです。

下の二つの矢印で、違いを表せます。


商取引における「交換」 : ←→


養育、教育における「交換」:→→→ ....


教育を産業にすることに人々がなんとなくためらいを感じるのは、こういう原理的違いをうっすらと感じているからでしょう。教育活動で、受け手に代償を求めるというのには根本的に無理があるのです。


しかし、世の中の大きな部分は貨幣経済で動いているので、現代社会で暮らしている私たちには、両方の原理をどう調整するかが、課題になります。「どこまで お金で済ませるのか」、「どこがお金で動いていけない点か」、という判断は、教育職、研究職につく人にとって、とても重要なことです。若いうちには、なか なかこの判断ができないというのも無理のないことです。


特に、私がこのことを言いたいのは、需要の多い、いわゆる教育産業と称される分野で働いている若い人(年配者には絶望しています)に対して、です。上のことをお読みになって、反発するか、あるいは、ある目的を見出すきっかけとされるか、私には分かりません。


前回とうって変わって、重い話題になりました。じつは、もっと理論的に深く、教育活動と経済について論じる必要があります。また、あえて今回抽象的に言い ました。具体的な生々しい事柄もあります。しかし、ここは、外国語と母国語の学習、教育に話を限ることにしていますので、この辺で打ち止めにしましょ う。

次回は、日本語についてです。