小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

「沈んでいいものは、ひとつもない」(03/09~15)+acv.

2009-03-17 01:09:11 | 週間日記
今年も出ましたフキノトウ(50mmf1.8シリーズ1)

03/09 14:41

あっという間にあたたかくなって月曜。ですので、いろいろ宿題はありますが、先に先週日記を更新します。
アーカイブは前回から謎のアラカルトものですが、今回は「理系進学」がテーマの高校生向けの本で、「あなたの興味にピッタリの理系分野はどこ?」(2001/04/01:http://runjuku.yu-yake.com/simpleVC_20090316220834.html)。性格診断みたいなのつくってくださいよと編集のMさんがいうので、それでは、と考えてこのペンタゴンスタイルを考案しました。あまりに理系的、ロジカルなこのかたちは、ひょっとして世界初かも知れない、なんか南方熊楠みたいだぜ、と悦に入り、同書、ほかのページで受験手記を語ってもらった化学科にいたOBのS君にマージャンしながら、どうだこんなのみたことないだろ、と自慢すると、「そうですね、センセイ、世界初かも知れませんよ」となかなかいいやつでした。UFOの解説は理屈上のこじつけとしてMさん用に書いたのですが、本ができたら載っててびっくりしました。
感動はともかく、先週日記部分から。

●3月
9日(月)とくに用がなかったのでずっとだらだら過ごす
10日(火)夕、ジャック・タチ『のんき大将(カラー版)』(1947)はやっぱり絵がすごい~塾は中止~深夜山本嘉二郎+高峰秀子『馬』(1941)はまるでタイムマシンのように当時の東北の暮らしぶりがわかった
11日(水)電話取材~昼は太田・麺之介で醤油ラーメンと餃子ランチ。特別うまかった~えばらでロングジョン980+税~原稿~晩、同級生M君、幼稚園父親仲間Mさんと雷文に。つい資本・市場主義批判に熱くなって少し反省~M君宅に泊
12日(木)深谷シネマ1930の回で黒沢清『トウキョウソナタ』は今年度第1位に浮上~ベルクで買い物中、ホテル関係Kさんにしばらくぶりに遭遇。いろいろ話す
13日(金)午後、次週、PTA会長の同級生M君に頼まれた卒園式撮影の下見で幼稚園に。いろんな意味で身近な異次元~高崎へ~早く到着し、まず環七ラーメン周麺*で醤油ラーメン、悪くはないが土佐っ子とは別物。とくに細いのにしっかりした麺に感心。食べながら、往時の土佐っ子のディテールを思い出し、“別のを食べて思い出す一杯”という現象が新鮮~シネマテークたかさきで『バンクジョブ』はおもしろいのはおもしろいが。今の映画に何が大事かを考察~帰り、やや物足りず、R17沿い中華和洋飲食大勝園新町本店*で手打ちラーメン
14日(土)晩にネット作業の必要でき、夕方から母屋居間の古新聞片付+HDが書込不能になって久しいSHARP機のHD内容DVDに避難作業~作業完了~空腹+買い物に出撃~大麻生・四華郷で味噌ラーメン~ベルクで半額のさばはさば大根に~西友でティーチャーズ1080円とビールは初めて買うシルクエビスも1缶。ちょっとエビスにしてはあっさりし過ぎか
15日(日)避難作業終わり、SHARP機史上確か三度目のHD初期化。壊れてたらどうしようと思ってたら問題なくデフォルト状態に~好天の中、父親がじゃがいもを植えていたので、前季に正式なところ以外に生えてきたやつらを、これも植えようと、また正式じゃないところに植えてみた~だめだ、競馬が当たらん~気を取り直し、相撲みながらそろそろ暑いかなあという煮ぼうと製作

サッカーはCLベスト16、2ndレグが始まり、1stレグのアトレティコ:ポルトと、ユーヴェ:チェルシー半分寝、ローマ:アーセナル、リバプール:レアル前半、マンU:インテル半分寝、バルサ:リヨン半分寝。半分寝が多いのにはこれには驚愕の文化度差がありましたがこれはまたの機会に。

【カウンター09】
ラーメン4/37(*2/15) 外飲み1/18 劇場映画2/12 自宅映画2/8 自宅サッカー4/18.5 購入ウィスキー2/16

それほど忙しくもなく映画をみたりサッカーみたりでゆっくりした一週間。気候も日曜からは夏のようでしたが、時間があるので片づけを少ししました。
さっきまで台所と闘っていましたが、日曜の夕方と今日の午後は古新聞との戦いです。

私は大の新聞好きで知られています。
三大新聞の一つにいたこともあるお世話になっている編集者の方は、ビジネスモデルとして終わってます、とはいうものの、これだけ便利なものはない。経済だの健康だの、はたまた縁遠い書の世界やサルが子どもに歯磨きをおしえてるかも知れない写真など、新聞でもなければ自分からはほとんど読まないだろう記事に、へえ、そうなんだと思うこと、これはまさに編集の力で、検索力にすぐれたネットでは味わえない体験です。
そして何より新聞紙。この巨大なフォーマットの優秀さは、たとえば競馬をやる方なんかは、どんなにネットが便利になってもこの見やすさ、情報へのアクセスしやすさは手放せない。その点はよくわかっていただけるのでしょうか。もちろんにおいも手触りも大好きです。

で、それはそれでいいのですが、困るのは新聞がたまることです。
知っている人は、どうしてあの人は新聞を捨てないんだろうと思っていて、時々ありがたいことに口に出す人もいますが、ちゃんと、読まなくてもせめてめくって見出しだけでも目を通さなければ集金の人の置いていく茶色い袋に入れない。そうすると、仕事が忙しくなったりすると捨てられない新聞が増えてくる。とくにチャンピオンズリーグが始まると、結果を知ってしまうことを恐れて開くのに緊張しますので、後で読もうとそのあたりにうず高く積まれることになります。
もともと、風水を信じているわけでもないので、新聞がたまるのなんて何とも思いません。何といっても旧塾の引越しで、新聞だけでなくたまった問題集やフリーペーパーの類もあったにせよ1トンもの古紙を業者に運んだほど。その様子を見て語られた言葉で今までもっともおもしろかったのは、中学の同級生I君が部屋に来ていった、「いつも思うけど、これ火ぃつけたらよく燃えんべなぁ」。多分、I君にとって新聞は「燃えるもの」なのでしょう。

そこで、父親もいつも文句をいってる、居間に積まれた分から戦闘開始。今回は、気になる見出しの記事を切り抜くという戦法に出ました。
もちろん今までに、切り抜きしたこと、スクラップしようとしたことはあります。ところが、愛しの新聞紙は保存には弱く、ちゃんとスクラップして陽を避けないとすぐに黄色くなってしまいます。
そこで、数年前に思いついたのがスキャンしてデータ化して保存すること。週間日記に入れだした「アーカイブ」もそこから発想されたものです。
新聞をはさみで切る作業はけっこう楽しい。シャキシャキ切っていく中、これをまとめてブログに書いておくといいかもな、紙に書くとどっかいっちゃうし、実際、hatenaなんかの「ブックマーク」ってそういう機能だしな、そういえばなんだかんだと引用する中で新聞で読んだのからも少なくない、頭に残すのかデータにするのかって違いだけどどうかな、そうだ、これは国語の授業でやる「まとめ」と同じでつまり「編集」という作業、松岡正剛が「編集」っていうのと立花隆がいう「調べて書く」からすると「読んで択ぶ」かな、そういえばこの二人、広大な文学的蓄積がありながら、アウトプットされるものに文学的配慮がほとんど感じられないのが共通で、それは一種の含羞なのかな、などと埒もなく考えるうちに切り抜きは積み重なっていきます。

中島岳志・中野剛志「金融危機・保守と国家」、「文芸時評1993-2007」刊行時の、著者川村湊・松浦寿輝、連載「私の3作」で「大昔のこと」野見山暁治、張競評の保坂和志、この不況は「300年に一度」への入り口だ、という山崎和正;「ポストグローバリゼーション」の到来として興味深い、大岡昇平生誕100年特集の読書欄、ヴァージニア・ウルフ新訳のの鴻巣友季子、定期連載の野坂昭如、鹿島茂、小川洋子、春日武彦、赤瀬川原平、渡辺裕……。
やはり人文系の記事が多いですが、ジャーナリスト香取章子『「地域猫」との共生』なんかも切り抜いて、わさわさと楽しくなって、思わず身を乗り出してしまいます。

新聞に対する姿勢としては、前のめりが最高。
ダージリンでも飲みながら、午前中の光を浴びてやや仰向け気味に、というのもいいですが、こうやってどんどん読み進むにはどうしたって置いて読まなければなりません。
居間なら床に広げてひざを突いて、塾舎では生徒用のテーブルがあるのでその上に広げますが、それでもともすればいすの上にひざをついて高いところから読みます。ともかく、新聞はやや高いところからいっぱいに広がったのをみるべきで、携帯性に優れるゆえ満員電車でも読めますが、それはしかたのない場合に限るべきでしょう。もっとも、広々した部屋の中で折りたたんで新聞を読む人は、あっ、たまに冬の寒い日に小さくたたんで読むことはあります。

そんな中、今回の新聞との闘いのMVPは、これまた大好きな詩人、荒川洋治の3ヶ月に1回持ち回り連載「水脈」09年3月12日「語り合う光景」でした。
電車の中できいた20歳くらいの若者が野球の話をするのをきいて「楽しかった」話から、テレビ番組「アメトーーク」での「家電芸人」の話、これらに感じ入った後で、「中年のお笑いタレントと、十代の女性(モデル・女優)」が、まったくそのお二方についての知識がない映画監督に「話を聞きに行く」という番組に移ります。

荒川はいう。「それにしても、お二人に対してとても失礼な番組だ。ぼくは途中でテレビを消したくなった」。
それでもみ続けて、不思議なことを言い出す。ちょっと長いけど引用。

・・・
(略)もし両監督が、しっかりした番組で話していたら、ぼくはその言葉に耳を傾けただろうか、と。ぼくはこの困った番組にも、人が話をする、そして人がそれを聞くときの、ひとつのかたちが示されていることに気づいた。どんな話も何かを示している。どこかをめざしている。沈んでいいものは、ひとつもない。
・・・

すごい、そうだ、沈んでいいものなんてない。
ああよかった、今日、古新聞読んで。
うず高い新聞は困らない言葉にあふれるばかりか、困った言葉の使い方もわかってる。
だから、捨てられない、なかなか。

(BGMはAccuradioで、今はちょうどビートルズで Back in the USSR。imeemの beatle covers http://www.imeem.com/people/FwgvvZ_/playlist/Llm4z_M3/beatle-covers-music-playlist/ にはレニングラードカウボーイズ版を入れました。おっと、お次はゲッツ・ジルベルト Corcovado)

"乱雑"は"整頓"より「豊か」(ある実験も兼ねてます。詳しくは後日)

03/12 13:32

池シリーズはいくつ目だったか。ミシビシは植木鉢好き

03/12 14:19

じゃがいも塩スパは、粉のピーナツとガーリックで強化されました。

03/14 14:48

択びきれず2枚掲載。f1.8シリーズ2

03/09 14:51

その1分後。f1.8シリーズ3

03/09 14:52
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2 コメント

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お久しぶりです (阪神ファン)
2009-03-19 19:08:22
ふきのとうですね…我が家ではシクラメンが満開です。
冬の花のイメージが強いせいか、ぽかぽか陽気の日に咲き誇っている姿が可愛らしく見えます。
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「球春」間近ですぞ (カロンタンのエサやり人)
2009-03-23 08:16:45
おお、阪神ファンさん。しばらくです。
どこに修行に行かれていたのですか。さぞたくましくなってのご帰還と思います。

そうか、シクラメン。植物の時季をうんぬんいうのは、やつらにとってみれば、人間どもの勝手な思い込みなのかも知れませんね。ねこが寒がりだという思い込みと同じに。

鳥ちゃん、3番説が有力ですが、はたしてどうなんでしょうか。
一発、気合を入れてやっておくんなさい。もうすぐWBC準決勝が始まります。
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