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日中40周年式典中止 外交立て直しが急務だ

2012年09月26日 | スクラップ


       

 
 
 

 中国政府は、27日に北京の人民大会堂で開く予定だった日中国交正常化40周年記念式典を中止する、と日本側に通告した。尖閣諸島国有化に対する中国の対抗措置は、一向にやむ気配がない。


 共産党大会を控え抗議デモは中国当局によって抑え込まれているものの、中国の海洋監視船など4隻が24日も尖閣周辺の日本の領海に相次いで侵入した。中国国家海洋局は、国有化に対抗して尖閣諸島の岬や湾など26カ所に独自の名前をつけた、という。


 こうした一連の対抗措置は、あらかじめ作成された「行動計画」に基づいて、計算ずくで実施している、と見るべきだろう。


 国有化したのは日本側だ。日本政府は当然、中国の反発を予想し、中国によるさまざまな対抗措置も想定したうえで、国有化に踏み切ったはずだ。だが、日本側に準備の周到さは感じられない。


 石原慎太郎東京都知事による尖閣購入表明から国有化にいたるまでの経緯をたどると、国内の「空気」に背中を押され、場当たり的に対応した印象がぬぐえないのである。周到な計画はなかったのではないか。


 胡錦濤国家主席はロシアで、会合の合間に野田佳彦首相と立ち話をし、国有化に「断固反対」だと強い口調で申し入れた。その直後に国有化を表明したのは最悪のタイミングであった。


 2010年、尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突したときも、対応のぶれが目だった。

 



   ■     ■



 中国は永久に日本の隣国である。嫌いだからと言って、国ごと、どこかに引っ越すことはできない。経済的にも軍事的にもアジアの大国となった中国と、日本は、永久に付き合っていかなければならないのである。


 この逃れられない現実をプラスに転化させるためのさまざまな外交努力-それが乏しいのではないだろうか。鳩山由紀夫元首相の「普天間の失敗」の反作用で、日本外交はこれまで以上に「日米基軸」の基本路線を強調するようになり、その分、対中政策が手薄になってはいないか。


 21世紀のアジアで、日本はどのような役割を果たしていくつもりなのか。大国中国とどのように向き合っていくのか。それがよく見えない。


 1972年の日中国交正常化は、小異を捨てて大同に就く「日中友好の時代」の幕開けだった。だが、尖閣問題の表面化で「日中友好の時代」は、過去のものになった。日中関係は大きな曲がり角にさしかかっている。

 



   ■     ■



 国民感情を刺激しやすい領土問題や歴史問題を抱えているだけに日中の関係改善は容易でないが、永遠の隣国同士がいがみあうのは双方にとって大きなマイナスだ。


 日本外交は戦後、あらゆる面で「日米基軸」を貫いてきた。だが、米中2大国の関係は冷戦時代の米ソ関係とは異なる。日中関係の将来像を明確にし、政治・経済・文化のあらゆる分野で交流の機会を増やし、太いパイプを築いていく。そのような地道な取り組みが必要だ。

 

 

 

 


沖縄タイムス 2012年9月25日 09時26分




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