酔っぱらってきた。
後ろにいるはずもない人の気配を感じる。おや、そろそろ今晩も、もう一人の俺があらわれたようだ。もう一人の俺に作文を変わってもらおうと思いながら振り向くと、見知らぬ俺が正座していた。
ピンクのTシャツに、ピンクのトランクス。ひたいには油性のマジックで「愛」と書き込まれている。
「俺は5人めのもう一人の俺『愛』だ!」
おう!とうとうもう一人の俺も五人めで、ゴ俺ンジャーか。
「で、愛の俺がなんのようだ?」
「愛の伝導に来た!」
「なんでさ?」
「君が、あまりにも愛を理解してないからさ!」
「してるよ。愛はない」
「ソレが間違いなのだ!愛は全てで、愛は勝つのだ!心配ない上にチェケラベイビーなのだ!」
「人を好きな気持ちを愛と言ってみても別にいいけど、それは自分の勝手じゃん。他人を好きになってドキドキするのは、あくまで自分であり他者には受け入れられない事もある。俺は人付き合いって、夫婦や子供であろうと関係の積み重ねであると思うんだけどね。じゃあ、関係ってなんだろ。俺は損得勘定だと思う。自分の得にならない人物を君は1ミリでも愛せるか?」
「愛は勝つ!」
「そう言って、麻薬に走るんだベ?麻薬は愛か?」
「勝新太郎!」
「パンツなのか?」
「愛は全てで尊い。まずその概念をコーマシャルリズムでもいいから理解せねばならない。繰り返し繰り返し、愛が全てだと唱え続ける。ソレ以外に愛を貫く道はなく、愛は理屈でなく、生きるという事、全てなのだ」
「お前、本当に俺なのか?そんな事をどこで思いついた?」
「どこもくそもあるか!真実を認められない愚か者めが!」
「いや、待てや。そもそもloveが愛なのがおかしいんだよ。愛はおろかで可愛らしく、どこかもの悲しい感情であったはずなのだ。明治以前まではな。単に、loveの訳語にちょうど良い言葉が見当たらなかったから『愛』ですましちまっただけなんだ。同じloveでも、神の人への愛は慈悲。人の神への愛は献身などで代用出来るはずだ」
「今日はここまでだ。またあおう」
愛の俺は消えた。
後ろにいるはずもない人の気配を感じる。おや、そろそろ今晩も、もう一人の俺があらわれたようだ。もう一人の俺に作文を変わってもらおうと思いながら振り向くと、見知らぬ俺が正座していた。
ピンクのTシャツに、ピンクのトランクス。ひたいには油性のマジックで「愛」と書き込まれている。
「俺は5人めのもう一人の俺『愛』だ!」
おう!とうとうもう一人の俺も五人めで、ゴ俺ンジャーか。
「で、愛の俺がなんのようだ?」
「愛の伝導に来た!」
「なんでさ?」
「君が、あまりにも愛を理解してないからさ!」
「してるよ。愛はない」
「ソレが間違いなのだ!愛は全てで、愛は勝つのだ!心配ない上にチェケラベイビーなのだ!」
「人を好きな気持ちを愛と言ってみても別にいいけど、それは自分の勝手じゃん。他人を好きになってドキドキするのは、あくまで自分であり他者には受け入れられない事もある。俺は人付き合いって、夫婦や子供であろうと関係の積み重ねであると思うんだけどね。じゃあ、関係ってなんだろ。俺は損得勘定だと思う。自分の得にならない人物を君は1ミリでも愛せるか?」
「愛は勝つ!」
「そう言って、麻薬に走るんだベ?麻薬は愛か?」
「勝新太郎!」
「パンツなのか?」
「愛は全てで尊い。まずその概念をコーマシャルリズムでもいいから理解せねばならない。繰り返し繰り返し、愛が全てだと唱え続ける。ソレ以外に愛を貫く道はなく、愛は理屈でなく、生きるという事、全てなのだ」
「お前、本当に俺なのか?そんな事をどこで思いついた?」
「どこもくそもあるか!真実を認められない愚か者めが!」
「いや、待てや。そもそもloveが愛なのがおかしいんだよ。愛はおろかで可愛らしく、どこかもの悲しい感情であったはずなのだ。明治以前まではな。単に、loveの訳語にちょうど良い言葉が見当たらなかったから『愛』ですましちまっただけなんだ。同じloveでも、神の人への愛は慈悲。人の神への愛は献身などで代用出来るはずだ」
「今日はここまでだ。またあおう」
愛の俺は消えた。
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