墨汁日記

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雨ビニ

2005-06-02 20:12:48 | 駄目
 「雨ビニ」とこの専売所ではよばれている。

 雨の日に新聞にかけるビニールの事だ。
 専用の機械があり、上から新聞を入れるとビニールにくるんで新聞を下から吐き出してくれる。
 新聞を持ち、機械の挿入口から新聞を入れる。ガチャコン。新聞がビニールにくるまれて吐き出される。だいたい、一部で二秒ぐらいであろうか。
 俺の配る夕刊は諸紙(朝日以外の新聞)を含めて、300部ぐらい。
 300(部)×2(秒)=600(秒)
 600(秒)÷60(秒)=10(分)
 ようするに、俺が配らにゃならない新聞を全部、雨ビニにするとしたら十分かかるって事だね。

 しかし、俺は三時半までに夕刊を入れてくれという読者をかかえている。配達前に、そんな悠長な事はやってられない。しかし。専売所から雨の日は必ず全ての新聞をビニールに入れてから出発するようにと言われている。

 すぐはじめられて十分かかるならいいんんだ。しかし、あいにく機械は一台。配達員は九名。当然、余計な順番待ちがある。

 アサヒタウンズを入れ終えたところで、午後の三時五分。

 ビニールがけの機械はすでにふさがっている。終わるのを待って雨ビニしてたら、専売所を出発できるのは三時二十分すぎになるだろう。
 とてもじゃないが、十分で三時半までに新聞を入れてくれという読者の家まで到達する事は不可能だ。
 ふと、外を見ると一瞬、雨がやんでいる。

 俺は、一瞬やんだことをいいことに、雨はふってないという事にして出発することを決意する。どうせ、ふっても小雨だろう。俺には雨なんか見えない。雨なんぞ気のせいだ。
 五分で新聞を積み、誰かにとがめられる前に大急ぎで出発する。

 まー。最悪、本降りになってもなんとかならーな!こう見えてもかっては、五年間も新聞配達やってたんだ。なんの雨装備もなくても、なんとかしてやるってば。

 でも、一応、用心の為にカッパだけは持って出る。新聞が濡れても、自分が濡れるのはやだもんね。
 しかし、カッパを着た時点で俺の負けだ。
 雨がふった事を認めたことになる。

 意地でギリギリまでカッパは着用しないつもりだ。雨なんかふってなかったでとうしちまうつもりだ。
 こんなの雨じゃないと強情はるつもりなのだ。

 まぁ、たいした雨じゃない。


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