JR山崎駅を出て踏切を渡り天王山登り口にはいかず、
線路沿いに歩いて行くと「山崎院跡」があります。
山崎院は奈良時代の高僧「行基(ぎょうき)」が
建立した寺とされています。
行基は貧しい人たちにこそ仏教の教えが必要だと考え、
人々と共に道を造り、ため池を掘りここ山崎の地では、
淀川に橋を架けた偉大な人物です。
国家からは反逆者として厳しく迫害されますが、
民衆からは絶大な支持を集めます。
この力を見込んだのか利用したか解りませんが、
聖武天皇は東大寺の廬舎那仏(るしゃなぶつ)
通称「奈良の大仏」造立の最高責任者に行基を任命します。
当時日本の人口600万ほどですが、その半数ちかい260万人が
造立事業に関わったとされています。
律令(りつりょう)の法の下でどん底の
厳しい生活をしていたにもかかわらず・・・です。
山崎院跡から銅の塊が出土していますが、
その成分は大仏に使われたものとほぼ同じだと分析されています。
当時、銅は大変貴重なもので聖武天皇から、
贈られたのではないかという事です。
西の天王山から東の淀川まで最短地は200m程、
ここを通らないと西へも東へも行けない・・
歴史上とても重要なこの地に橋をかけた行基は、
聖武天皇から日本初の大僧正の位を授かり「高僧行基」となります。
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