奥永さつき

日々のできごとをそこはかとなくつづります。

「エネルギー」は歴史を動かす

2015-06-21 20:43:11 | 日記
奈良時代に南都七大寺の勢力が増大し、それを嫌って平安京に遷都したなんて、子供の頃、学校の社会科で習ったように記憶しています。
でも、それは微々たる原因に過ぎないでしょう。

平城京時代の奈良は10~15万人の人口があったようです。その人たちの生活を支えるのは山林の木で、年間100万~150本の木を伐採する必要があったと推定されています。今の朝鮮半島がそうであるように、奈良盆地周辺の山々は丸坊主。その結果、清涼な飲料水は枯渇するし、大雨が降れば保水力がないから大洪水で、盆地だから水はけは悪い。衛生環境も劣悪化。とても住める環境ではなくなります。
都を移す以外に解決策はない。

以上のようなことに「歴史家」は気付きもしないから「歴史」にはなっていないのですが、「歴史家」ではない、土木工学の専門家の竹村公太郎氏は、平安京遷都の理由として指摘しています。「南都七大寺の勢力」よりも「住環境の悪化」の方が腑に落ちてしまいます。エネルギー問題は「背に腹は代えられない」切実な問題ですから、「歴史」を動かす。

奈良時代まで遡らなくても、先の大戦がそうだった訳です。
支那大陸の権益で米国と衝突し、エネルギーを断たれて「背に腹は代えられない」ので宣戦布告、敗戦。

今国会では、ホルムズ海峡が機雷で航行不可能になっても、「経済的理由」というだけでは機雷撤去することを認めないなどと「呑気なこと」を主張している政党があるようですが、原油が来なくなれば死活問題だろう。中東から来なくても良い、米国やロシアから輸入すればよいなどという人もいるかもしれないが、そんなに簡単な話ではない。

集団的自衛権行使反対派が、ホルムズ海峡の機雷による封鎖に備えて国内に核燃料を備蓄せよと主張しないのはとても不思議なことです。