満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

「いっちばん」 畠中恵

2008-12-11 | 本の紹介

待ってました! 畠中恵作、しゃばけシリーズ最新刊「いっちばん」が出ました~
※畠中作品の他のレビュー
「うそうそ」は「こちら」
「ちんぷんかん」は「コチラ」からどうぞ~

早いもので絵本版「みいつけた」を入れると、しゃばけシリーズも第7弾となる
前作「ちんぷんかん」は、少々悲しい「別れ」が、テーマとなっておった

今回の「いっちばん」では…前作とは対照的な「出会い」が
テーマとなっておるように感じる
だからなのか…?
今回のお話では、寝込むことが仕事のような体の弱い主人公「若だんな」が…
普段よりも尚一層、頑張っておるような…?そんな雰囲気を感じて楽しい(笑)

「いっちばん」
若だんなの住まう廻船問屋長崎屋の隣に住んでいる幼馴染、
菓子屋の長男の「栄吉」は
菓子屋の倅のくせに「あんこ」を作るのがヘタだった…練習してもヘタだった
そこで栄吉は一念発起し「なんとか一人前の菓子職人になりたい」っと
他所の菓子屋に修行に出て行ってしまう
「栄吉頑張れ!」ってな気持ちと、一人残された寂しさが入り混じり
ちょいと最近元気の出ない若だんな。
それを見た妖たちは、若だんなを元気付けようとプレゼント作戦を考えるが…
妖たちの協調性の無さが露呈し喧々囂々に
結局「誰が一番若だんなを喜ばせるプレゼントを贈れるか」っと競うことになった
なにせ人ではない妖怪たちの考えること。すったもんだの大騒動となるのだが…
さて、若だんなが「いっちばん」に喜んだモノは何でしょうか~?(笑)

「いっぷく」
若だんなの住まう大店、廻船問屋の長崎屋と、
上方から江戸に進出してきた新参店が、品比べをすることになった
新参店は、客の目を引こうと、豪華絢爛な商品を集める。
一方長崎屋は地味だが通好みの良い商品を集める
この品比べにはもう一店、
新参店の親戚筋の店も、両大店に肩を並べ品比べに参加するのだが…
このお店の跡取り息子が、親戚である上方の店よりも
長崎屋の若だんなに、何やかやと擦り寄ってくる
も・もしかして…新参店のスパイ?
見えないハズの妖「家鳴り」を気にしたり
上方の店がどんな商品を集めているのかを教えにきたり
なんだか行動が胡散臭い(笑)
さて、どのお店が品比べに勝つのでしょうか?
絢爛豪華な上方の店か? はたまたその親戚筋のお店か?
それとも…若だんなの長崎屋か?
粋な江戸っ子の心粋をご堪能くだされ~(笑)

この他、若だんなが天狗にさらわれた~の「天狗の使い魔」
若だんなの幼馴染が、菓子修行に奮闘する様子を描いた「餡子は甘いか」
厚化粧のお雛ちゃんの素顔初公開の「ひなのちよがみ」の3編が収録されています
どの作品も前作「ちんぷんかん」でのお話が根底にありますので
前作を読んでいない方は、前作を読んでから
また前作を読んでいる方は急いで「いっちばん」を読むことをオススメします

やっぱ、年に一回はお江戸長崎屋の離れで寝込んでいる「若だんな」に会うと
心も体も癒されるわ~~(笑)
私は寝込んではいないけれど、妖だらけの会社で仕事をしておるもんで
馴染みが深いって言うか…妖の気持ちが解るって言うか…(ハハハハハハ)

先日、遊びに行った名古屋の帰りに新幹線の中で読みました~
5話の短編が収録されていますので
通勤途中に読むのにオススメです(笑)


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