満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

陰陽師 作:夢枕 漠

2007-10-25 | 本の紹介


陰陽師~「安倍晴明」どんのお話でやんす~

お話は上層部だけが雅な生活を送る平安時代
陰陽寮の天才天文学者の異名を取る「安部晴明」と
名門貴族で笛の名手だが…多少オトボケ気味の「源博雅」
この二人が平安の都でおこる数々の面妖な事件を解決していく~
ってなお話です

お二人とも実在の人物ですが…
果たしてこんなに蜜な友情があったのかは解りません
しかも…安部晴明にまつわる奇奇怪怪な出来事も
何と言っても今を遡ること1,000年前の話ですから
尾ひれが付いておったとしても文句も言えません(笑)

ただし…歴代天皇の信任厚く
藤原家とも懇意であり
彼の子孫が鎌倉時代~明治の頃まで「土御門家」として
陰陽寮を統括していた事は事実である



晴明の家の庭である
一見すると…雑草が生い茂っているかの様な庭ではあるが
そこには陰陽道に使う様々な薬草などが植えられ
それは…それなりに…風情がある

庭先に晴明と博雅がゆるゆると酒を飲んでいる

四季を通してこんな感じの書き出しで始まる
時に花びらが舞い
時に短い命を燃やすセミの声に感銘を受け
時に短い秋を告げる虫の音に心打たれ
時に寒さの中で笛を吹く

そこへ…晴明、博雅どちらからともなく
耳に届いた不思議な出来事を語りあい
二人で事件の真相を見極めに出かけてゆく
「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」「そうしよう」

面妖な出来事がおこっている現場へ出かけてゆくが…
決して退治はしない
何が理由で面妖な出来事に至っているのかを探り
要となる理由を解き放つ
それがこの陰陽師のお話の良いところである

異形なモノは、理由なく人を苦しめたりはしない
さしたる理由もなく人を貶めたり殺めたり出来るのは人のみである

そんなお話が「ほとほと」と牛車に揺られながら
平安の都を眺め歩くように繰り広げられている

車や電車、飛行機なんぞで
ビューっと駆け回っている現代人にとっては
「犬の卒倒」である(ワンパターン~ガハハハハハ)

なんでも…現代若者に
「生まれ変わるなら何時代がいい?」っとアンケートを取った所
圧倒的に「平安時代」っとの答えが多かったとか
それを聞いて、あの細木先生が…
「平安時代なんか、一部の特権階級だけが雅な生活していて
あとの大多数の平民はヒドイ生活をしてたんだから」などと
毒ついておったが・・・・

何時代?っと聞かれたから「平安時代」っと答えたのであって
これらの答えの続きは「平安時代の貴族に生まれたい!」と
なっておったと思うぞ~(笑)

満天どんは…雅な生活にも憧れるがの~
堅苦しい事は嫌いじゃて・・・今が一番良いな~

おっと…終わってしまうところであった~ガハハハハハ

 原作:夢枕 漠 画:岡野 玲子

の漫画シリーズもあります
コチラは良いですよ~~岡野さんの絵と原作が大変マッチしております
やんごとない雰囲気が良く出ています
晴明さんの悪戯っ子的な雰囲気に源博雅のすっとぼけた表情が
絶妙な味を出しております~(笑)

PS.晴明家の庭のくだりを読むと…何故か我社の裏庭を思い出す。
   雑草が生い茂っておるが…それなりに風情があるっと思うのだが
   毎年除草剤を撒いて雑草を殺してしまう
   ところが…また幾日かもせぬうちに新たな芽が出て
   庭一面を覆いつくす
   その生命力が大層、美しい
   人も自然の一部なのであろう
   生きる事に一生懸命な人は何時も美しい
   そんなコトを会社の庭を眺めながら思うのだが…
   晴明達のように酒が飲めたら…もっと良いのに…(笑)