バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.7 グリッサード・アン・トゥールナン

2011-07-07 12:31:13 | 日記
アティチュードやアラベスクのピケ・アン・ドゥダーンやトゥール・アン・ドゥダーンのアラベスク-ルルヴェなど回転の練習が続きましたが、今回も回転するパの練習をしましょう。
アレグロやコーダなどのテンポの速いアンシェヌマンによく採り入れられるテクニック、グリッサード・アン・トゥールナンです。
決して難しい動きではありませんから、それだけに勢い任せの“やりっぱなし”にならないように気を付けて練習しましょう。
でははじめましょうか。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バからプレパラシオンで右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンドへ。
右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→8 プレパラシオン⇒1 左脚ドゥミ・プリエで右エファセを向く→2 右脚にピケ→3 左脚前5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・ポワント→4 右方向へ→5 回転→6 右脚前5番ポジシオン・クロワゼ→7 5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・プリエ→8 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→1 左脚ドゥミ・プリエで右エファセに→2 右脚にピケ→3 左脚前5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・ポワント→4 右方向へ→5 回転→6 右脚前5番ポジシオン・クロワゼ→7 5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・プリエ→8 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ→

動きの構成を分解してみるとこのようになります。
アームスの動きは…
プレパラシオンで右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド。そのまま右エファセに向きを変えて左脚前5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・ポワントのときに両手をアン・ナヴァンに集めます。回転が終わって右脚前5番ポジシオン・クロワゼ・ドゥミ・プリエにおりたときにドゥミ・スゴンドに開くか、プレパラシオンのアームスに戻ります。
このグリッサード・アン・トゥールナンもピケ・アン・ドゥダーンやトゥール・シェネのように連続で行ったり、マネージュをすることも出来ます。
回転ものの常で必要以上に勢いがつきやすくなりますから、自分自身が振り回されないように一つ一つの動きを丁寧に練習しましょう。
それでは大切なポイントをみていきましょうか。
右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン-ドゥミ・プリエで右エファセに向きを変え、右脚のピケにトルソーを移動して左脚をクロワゼ・ドゥヴァンに引きつけますが、この左脚の引きつけがくれぐれも遅くならないように気を付けましょう。少し大げさな言い方をするなら、右脚のピケと同時に左脚をクロワゼ・ドゥヴァンに引きつけるくらいでいいのです。
回転ものではいつもいうことですが、回転を急ぎすぎて、脚が5番ポジシオン・クロワゼを完成するよりも先に回転を始めてはいけません。両脚がきちんと5番ポジシオン・ドゥミ・ポワントになったのを確認してから回転を始めるつもりで、慌ててはいけませんね。
右脚のピケでトルソーを移動したとき、重心が後ろに落っこちたままにならないように気を付けましょう。
回転を始めたら5番ポジシオンの前側の脚の上にさらにトルソーを引き上げて、両方の内腿を引き上げながら脚の前後を入れ替えます。この動きはトルソーや両脚がきちんと引きあがっていれば、脚を大きく踏み代えなくても自然に入れ替わりますよ。
回転する間、トルソーが後ろに反らないように気を付けて下さいね。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ピケにトルソーを押し上げて後からの脚をクロワゼ・ドゥヴァン・ドゥミ・ポワントに引きつけたとき、アンダー・バストが必ず前側の爪先の真上に位置するように、とアドヴァイスしています。
それでは、すこしテンポを上げて、連続したグリッサード・アン・トゥールナンを練習してみましょうか
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ。
右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→8 左脚ドゥミ・プリエで右エファセに方向を変える⇒1 右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒2 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒3 エファセに右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒4 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒5 エファセに右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒6 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒7 エファセに右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒8 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒1 エファセに右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒2 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒3 エファセに右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒4 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒5 エファセに右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒6 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒7 エファセに右脚でピケ→左脚前5番ポジシオン・クロワゼ⇒8 右方向に回転→右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼ-ドゥミ・プリエ⇒
いかがですか?
最初から最後まで同じ回転を続けることが出来ましたか?
回転が終わってポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼのドゥミ・プリエに下りると同時にエファセの方向に向きを変えます。このときアン・ナヴァンのアームスでトルソーをリードするようにコントロールするといいですよ。
勢いがつくとピケする脚の上に飛び乗るような乱暴な動きになりがちですが、あくまでも基本はグリッサードですから、滑るように丁寧な動きをするように気を付けましょう。
回転が終わった後のポワン・タンジュ・ドゥヴァン・クロワゼのドゥミ・プリエがおろそかにならないように、素早く強く丁寧なプリエをするようにしましょう。

グリッサード・アン・トゥールナンとほかの回転ものを組み合わせたアンシェヌマンも練習してみるといいですね。

トゥール・アン・ドゥダーン・アラベスク・ルルヴェ

2011-07-04 12:03:23 | 日記
前回練習したピケ・アン・ドゥダーン・アティチュード・デリエールとピケ・アン・ドゥダーン・アラベスク、スムーズに重心を軸脚の上に押し上げたり、後ろの脚を素早くアティチュードやアラベスクに上げることが出来るようになりましたか?
今回ももう一つ、トゥール・アン・ドゥダーンの練習をしましょう。
今回練習するのは、ピケではなくルルヴェでのターンです。
ただ、ルルヴェの動きは、ピケするのと同時に重心を移動する、という反動を利用することが出来ません。それだけにしっかりトルソーを引き上げる体幹の筋力と脚の筋力が必要です。
ですから、バレエを始めて日が浅く、まだ十分に身体が出来ていなかったり筋力が足りない状態のときには、無理に練習することはありません。無理をすることで不必要で不自然な悪い癖がついてしまったり、コントロールを勘違いするようになってはこまりますからね
でははじめましょう。
まず回転軸をしっかりコントロールするために、4分の1回転から練習しましょう。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン⇒1 &2 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはアン・オー→3 &4 右脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→5 右脚軸にルルヴェ、左脚アラベスク、同時に→6 右エファセの方向へ4分の1回転→7 プルミエル・アラベスク-ドゥミ・プリエ→8 左前5番ポジシオン、アームスはアン・バ⇒1 &2 左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはアン・オー→3 &4 左脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン、アームスは左アン・ナヴァン、右ア・ラ・スゴンド→5 左脚軸にルルヴェ、右脚アラベスク、同時に→6 左エファセ方向に4分の1回転→7 プルミエル・アラベスク-ドゥミ・プリエ→8 右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バ

このアンシェヌマンを4セット繰り返しましょう。
ゆっくりのテンポで構いませんから、しっかり軸脚でルルヴェをすることを自分で確認しながら練習するといいですね。
では大事なポイントを確認しておきましょうね。
大きい4番ポジシオンがトゥール・アン・ドゥダーンのプレパラシオンですが、ドゥミ・プリエをした脚の上にきちんとトルソーを載せていますか?腰のあたりが縮んだり、骨盤が横向きになったりしていませんか?あるいは骨盤を前に押し出すような姿勢になっていませんか?
きちんと1番アラベスクのポジシオンが決まる前に回転を急ぎすぎて、トルソーが軸脚側に過剰に傾いたり、寝そべるような姿勢になったりしていませんか?
軸脚の膝はしっかり引き上げられて伸びていますか?
4分の1回転が終わって軸脚がドゥミ・プリエをするところでいきなりアラベスクの足を高くあげようとしていませんか?
ピケ・アン・ドゥダーン・アラベスクのときにもいいましたが、アン・ナヴァンのアームスが肩幅よりも外に外れていませんか?
4分の1回転が終わってドゥミ・プリエに下りたとき、軸脚のターン・アウトは失われていませんか?
これらのことに気を付けながら、もう一度4分の1回転を練習してみて下さい。

それでは1回転の練習をしましょう。
右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、アームスはアン・バ。
→8 プレパラシオン⇒1 &2 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはアン・オー→3 &4 右脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン、アームスは右アン・ナヴァン、左ア・ラ・スゴンド→5 右脚軸にルルヴェ、左脚アラベスク、同時に→6 右方向へ1回転→7 プルミエル・アラベスク-ドゥミ・プリエ→8 左前5番ポジシオン、アームスはアン・バ⇒1 &2 左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン、アームスはアン・オー→3 &4 左脚ドゥミ・プリエの大きい4番ポジシオン、アームスは左アン・ナヴァン、右ア・ラ・スゴンド→5 左脚軸にルルヴェ、右脚アラベスク、同時に→6 左エファセ方向に1回転→7 プルミエル・アラベスク-ドゥミ・プリエ→8 右脚前5番ポジシオン、アームスはアン・バ

こちらも4セット繰り返しましょう。
注意しなければならない大事なポイントは4分の1回転のときと同じです。
ただ、特に気を付けなければならないのは、勢い任せ・力任せにトルソーや脚を振り回してじは行けない、ということです。
少し大げさな言い方をするなら、このパのコントロールのイメージは
アラベスク・ルルヴェのポゼが完成してから、回転を始める
ということになるでしょう。
効果的に動くためには、ちょっとした反動や勢いも大切ですが、決して勢い任せの“出たとこ勝負”になってはいけないのです。
このパは、アラベスクの脚を下すことなく、アラベスク-ドゥミ・プリエとアラベスク-ルルヴェを繰り返しながら連続してトゥール・アン・ドゥダーンを続ける、というテクニックに発展していきます。
ですから常にトルソーを真っ直ぐに引き上げて安定させておくこと、そしてアラベスクにあげた脚を上下させないこと、そのための筋力が必要になる、ちょっと難しい動きですね。
アラベスクの脚はムリに高く上げる必要はありません。脚の高さは低くても構わないのですから、きちんとしたポジシオンを保ち続けることが大切です。