バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.4 パ・バランセ part.5

2010-09-09 12:09:50 | 日記
パ・バランセを、左右の往復を繰り返すもの・前方に移動するもの・後方に移動するもの、そして前後の往復を繰り返すもの、と大まかに分けて練習してきましたが、もう一つ、円周上を移動しながら前方へのパ・バランセと後方へのパ・バランセを繋いでいく動きを練習してみましょう。
3拍子の動きですが、パ・ドゥ・バスク・アン・ナヴァン・アン・トゥールナンという呼び方があります。
左脚ポワン・タンジュ・デリエール(または*アティチュード・ア・テール)・クロワゼで準備して下さい。
②・③;左脚を1歩踏み出して→ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼにジュテ→②;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→③;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→ 左に半回転しながら右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールからデガージェ・デリエールにデヴロッペ→②;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェにトルソーを移動、右脚デガージェ・ドゥヴァン・エファッセ→③;左に向きを変えながら右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ⇒ 左脚ドゥミ・プリエにトンベ、右脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼ→②;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→③;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→ 左に半回転しながら右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールからデガージェ・デリエールにデヴロッペ→②;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェにトルソーを移動、右脚デガージェ・ドゥヴァン・エファッセ→③;左に向きを変えながら右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ⇒
それでは大事な細かいポイントをご説明しましょうね
1拍目の左脚ドゥミ・プリエで右脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼにトンベをしたあとの2拍目・3拍目のドゥミ・ポワント・ルルヴェは歩くように前進します。
次の1拍目、右脚がドゥミ・プリエをするところでも1歩前進しながらトンベをしてドゥミ・プリエをします。
このときの左脚はク・ドゥ・ピエ・デリエールで一瞬動きを停めるのではなく、デガージェ・デリエールまでデヴロッペで動きを続けます。
そのあとの2拍目で左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェを軸にしてトルソーを引き上げますが、動きを停めるのではなく、左方向へ軸が方向転換をしています。
そして3拍目では右脚のドゥミ・ポワント・ルルヴェに軸を前進させて、クロワゼを向きます。
1拍目左脚ドゥミ・プリエ‐右脚デガージェ・ドゥヴァン・クロワゼ、または右脚ドゥミ・プリエ‐左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエールからデヴロッペのところでは、トルソーの中心軸は必ず円周上に向けられます。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、3拍子のリズムを大切にしていますので、リズムや方向転換に十分になれていない初級のうちは、ク・ドゥ・ピエ・デリエールからデヴロッペをする部分を、1番ポジシオン・ドゥミ・ポワント・ルルヴェにひきつけてからデガージェ・デリエールにジュテをする動きにアレンジしたりもしています
アームスの動きにも様々な変化をつけますが、まずはきちんとしたステップを身に付けるために、ドゥミ・スゴンドでの練習をお勧めします。ステップとリズム、方向転換で迷うことがなくなったら、アームスがどう変化しても慌てることはありませんからね
アティチュード・ア・テールとは…。
ポワン・タンジュ・デリエールの膝を曲げて、軸脚の膝に触れさせたポーズで、準備のポジシオンです。両膝を触れ合わせてはいますが、膝を曲げた方の脚がターン・アウトを忘れて膝が床の方を向いてはいけません。また、足指の甲側を押し潰すように体重を載せてはいけませんよ
アティチュード・ア・テールはバランシン・プラスという呼び方をすることもありますが、この場合は軸脚とアティチュード・ア・テールの脚の膝下の交差がより深くなります。


センター・レッスン vol.4 パ・バランセ part4

2010-09-06 09:00:06 | 日記
基本のパ・バランセの練習をしていますが、一番初めに練習したのは左右の反復でしたね。
今回は前後の反復を練習しましょう。
パ・バランセ・アン・ナヴァン・エ・アン・ナリエールです
右脚前5番ポジシオン・エファッセ、アームスはアン・バで準備して下さい。
2・③;エファセ・ドゥヴァンにジュテしてトンベ⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→②;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント→③;右脚ドゥミ・ポワント、左脚デガージェ・デリエール・エファッセ→トンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→②;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント→③;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚デガージェ・ドゥヴァン・エファッセ→トンベ⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→②;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント→③;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚デガージェ・デリエール・エファッセ→トンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→②;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント→③;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚デガージェ・ドゥヴァン・エファッセ→トンベ⇒
アームスは、トンベで1歩前に踏み込んで右脚ドゥミ・プリエをするところで右腕を高く上げた“1番アラベスク”のアームスにして、トンベで1歩下がって左脚ドゥミ・プリエをするところで右腕をアン・ナヴァンよりも少し下げた“3番ポジシオン”にします。
右脚前5番ポジシオン・エファッセで準備したときのまま、トルソーの向きが変わることはありません。1本の斜線の上を前後に往復するだけです。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、アームスの動きをとても大切にしています。
アン・ナヴァンに動くときには“大きく空気を押し上げる”ように、アン・ナリエールに下がるときには“空気を自分の方に大きくかき寄せる”ように、とそんなイメージです
さあ、それではパ・バランセ・アン・ナヴァン・エ・アン・ナリエールを左右に向きをかえながら、動きを繋いでみましょう
右脚前5番ポジシオン・エファッセ、アームスはアン・バで準備して下さい。
2・③;エファセ・ドゥヴァンにジュテしてトンベ⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→②;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント→③;右脚ドゥミ・ポワント、左脚デガージェ・デリエール・エファッセ→トンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→②;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント→③;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→左脚エファセ・ドゥヴァンにジュテ→トンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール→②;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント→③;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚デガージェ・デリエール→トンベ⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→②;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント→③;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ→右脚をエファッセ・ドゥヴァンにジュテ→トンベ⇒
ここで最も難しいのはパ・バランセ・アン・ナリエール=後方へのパ・バランセの3拍目で方向を変えるところです。1拍の中で後ろ側の脚のドゥミ・ポワントから前側の脚のドゥミ・ポワントに重心を移動します。重心を移動すると同時に反対のエファッセの方にトルソーの向きを変えなければなりません。
このアン・ナリエールの3拍目、失敗したスゥトゥーニュのように両脚のドゥミ・ポワント・ルルヴェで方向転換をしてはいけませんね
右のエファッセの方向から左のエファッセの方向に向きを変えたときに、両方が同じ角度のエファッセを守らなければなりません。
今回は一番シンプルなパ・バランセ・アン・ナヴァン・エ・アン・ナリエールをエファッセで練習しましたが、アン・ナリエールに下がったところでク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァンにする脚をバッチュをしてク・ドゥ・ピエ・デリエールに入れ替え、クロワゼのポジシオンで動きを切り替えることもあります。でも、はじめに準備したときのエファッセの方向はきちんと守らなければなりません



センター・レッスン vol.4 パ・バランセ part3

2010-09-02 09:13:09 | 日記
前回練習したパ・バランセは前方に進むステップでしたので、今回は後ろに下がるステップを練習しましょう。
後方に下がる動きは、トルソーの向きが曖昧になったり、重心の移動がスムーズに出来なかったりと、とくに難しいステップでなくてもぎこちなくなることがありますから、リズムやトルソーの向きを正確に捉えるように練習しましょう。
右脚後ろ5番ポジシオン・エファッセ、アームスはアン・バで準備して下さい。
プレパラシオンでアームスをドゥミ・スゴンドに開きます。
2・32・3;右斜め後方へ右脚をジュテしてトンベ⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール・エファッセ→2;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント‐エファッセ・ドゥヴァン→3;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント‐エファッセ・デリエール→左後方にトンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール・エファッセ→2;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント‐エファッセ・ドゥヴァン→3;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント‐エファッセ・デリエール→右斜め後方にトンベ⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール・エファッセ→2;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント‐エファッセ・ドゥヴァン→3;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント‐エファッセ・デリエール→左斜め後方にトンベ⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール・エファッセ→2;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント‐エファッセ・ドゥヴァン→3;左脚ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント‐エファッセ・デリエール→右斜め後方にトンベ⇒
☆前回のレッスンで、2拍目と3拍目の体重を乗せない脚について“デガージェ”という表現をしましたが、“デガージェ”と言いますとどうしても“脚を上げる”と勘違いしてしまう傾向があるようですので、今回“ポワント”という表現に改めました。脚全体を爪先までを真っ直ぐに伸ばして体重を乗せていない状態のことです。
それでは大切なポイントをチェックしていきましょう。
1拍目のドゥミ・プリエで、頭部=顔は正面に近い方の肩に向けてエポールマンです。
トルソーと脚、全体が左右のエファッセに交互に向きを変えます。肩だけを必要以上に振り動かしてはいけません
2拍目のドゥミ・ポワント・ルルヴェに立ち上がったとき、お尻を後ろに引いてしまって、トルソーが“お辞儀”のように前傾していませんか?
3拍目の最後に斜め後方にトンベをしたとき、左右それぞれ同じ歩幅でトンベが出来ていますか?
1拍目のドゥミ・プリエはきちんと股関節のターン・アウトを守れていますか?
では、もう一度、今度はアームスの動きも一緒に練習してみましょう。
2・32・3;右斜め後方へ右脚をジュテしてトンベ、《アームスはア・ラ・スゴンド》⇒ 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール・エファッセ、アームスは《左アン・ナヴァン・アロンジェ、右ア・ラ・スゴンド》→2;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント‐エファッセ・ドゥヴァン→3;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント‐エファッセ・デリエール→左後方にトンベ、《アームスはア・ラ・スゴンド》⇒ 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ク・ドゥ・ピエ・デリエール・エファッセ、《アームスは右アン・ナヴァン・アロンジェ、左ア・ラ・スゴンド》→2;右脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、左脚ポワント‐エファッセ・ドゥヴァン→3;左脚ドゥミ・ポワント・ルルヴェ、右脚ポワント‐エファッセ・デリエール→右斜め後方にトンベ、《アームスはア・ラ・スゴンド》⇒
1拍目でアームスは2番アラベスクのアームスになるのです
スムーズにステップを踏めるようになり上達するにつれて、アームスのポジシオンも様々に変化するようになります。たとえば、トルソーを大きく捻り伸ばして4番アラベスクのようなラインを作ることもあります。でもそれはあくまでも基本のステップ、基本のアームスがきちんと身に付いてからでよろしいのです。華やかな動きの形を表面的に真似てばかりいると“型崩れ”を起こしてしまいますよ