バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.4 バットマン・デガージェ

2010-07-08 09:09:27 | 日記
前回はバットマン・タンジュの一連の流れの途中で軸脚と動作脚を替える練習をしましたね。
軸脚の交代に釣られてトルソーの向きがズレたり、骨盤が倒れたりしないように引き上げておく感覚、イメージは掴めるようになりましたか?
今回はバットマン・デガージェでも軸脚と動作脚を交代する動きを練習しましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バで準備します。
7・8 右アームスをア・ラ・スゴンドにポール・ドゥ・ブラ⇒1・2 右脚バットマン・デガージェ・ドゥヴァン→5番ポジシオン⇒3・4 バットマン・デガージェ・ドゥヴァン→5番ポジシオン⇒5 デガージェ→5番⇒6 デガージェ→5番⇒7・8 デガージェ→5番ドゥミ・プリエ1・2 左脚デガージェ・デリエール→5番⇒3・4 デガージェ・デリエール→5番⇒5 デガージェ→5番⇒6 デガージェ→5番⇒7・8 デガージェ→5番ドゥミ・プリエ1・2 右脚デガージェ・ア・ラ・スゴンド→右後ろ5番⇒3・4 デガージェ・ア・ラ・スゴンド→右前5番⇒5 デガージェ・ア・ラ・スゴンド→右後ろ5番⇒6 デガージェ→右前5番⇒7 デガージェ→右後ろ⇒8 デガージェ→右前5番1・2 左脚デガージェ・ア・ラ・スゴンド→左前5番⇒3・4 左デガージェ・ア・ラ・スゴンド→左後ろ5番⇒5 デガージェ→左前5番⇒6 デガージェ→左後ろ5番⇒7・8 デガージェ→左前5番ドゥミ・プリエ1・2 右デガージェ・デリエール→5番⇒3・4 デガージェ・デリエール→5番ポジシオン⇒………
繰り返し以後2セット目のア・ラ・スゴンドでは、右脚はデガージェのあと前の5番ポジシオンに引き付けるのが先になり、左はデガージェのあと後ろの5番に引き付けるのが先になります。
さあ、いかがですか、バットマン・タンジュのときよりも、脚を上げて動きが大きくなっている分、トルソーのコントロールが難しくなるでしょう?
はじめの右脚デガージェ・ドゥヴァンのあと、左脚デガージェ・デリエールをしますが、このクロワゼ・デリエールのときに、トルソーの向きがバーの方に大きくズレていませんか
はじめの右脚デガージェ・ドゥヴァンを5番ドゥミ・プリエに収めたあとの左脚デガージェ・デリエールに移るとき、骨盤が前傾したり股関節のターン・アウトが失われてカカトから弾き出すようなデガージェになっていませんか
右脚のデガージェ・ア・ラ・スゴンドのあとの左脚のデガージェ・ア・ラ・スゴンドをはじめるときに、骨盤が前傾したり股関節のターン・アウトが失われて膝が前を向いていませんか
デガージェ・ア・ラ・スゴンドをした右脚が次の左脚デガージェ・ア・ラ・スゴンドのために軸脚となったとき、股関節のターン・アウトはきちんと守れていますか
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、このような動作脚と軸脚の交代をともなう構成のときには、宙に浮いて動かない鳥かごの下でそれぞれの脚が動く。脚の上に鳥かごが重く載っかることはないとイメージするように伝えています
このバットマン・デガージェで、アームスのポジシオンをかえることもあります。たとえば、右脚デガージェ・ドゥヴァンのときは右アームスをアン・オーに、そして左脚デガージェ・クロワゼ・デリエールのときは右アームスはアン・ナヴァン‐アロンジェに、という具合です。
このとき気を付けなければならないのは、アームスのアン・ナヴァン‐アロンジェでデガージェ・クロワゼ・デリエールをすると、アームスに引っ張られたトルソーが前方にズレてかなり大きくバーの方を向いてしまうことがある、ということです
4番アラベスクの指定がない限り、トルソーはあくまでもアン・ファスを守りましょう


バー・レッスン vol.4 バットマン・タンジュ

2010-07-04 08:45:09 | 日記
今回はバットマン・タンジュの途中で、軸脚と動作脚を換えるコントロールを練習しましょう。
センター・レッスンでいくつものパの練習をしていると、軸脚と動作脚は常に右から左へ、左から右へと変化し続けることが分かるでしょう?軸脚が換わっても身体の重心は常に真っ直ぐにコントロールされていなければなりませんね。
そのコントロールの一番の基本を、改めてバットマン・タンジュで確認しながら練習しましょう。
左手バーで右前5番ポジシオン、右アームスはアン・バ。
プレパラシオンで右アームスをア・ラ・スゴンドに開きます。
右アームスをアン・ナヴァンに→8 アン・ナヴァンからア・ラ・スゴンドに⇒1 右脚ポアン・タンジュ・ドゥヴァン→2 右脚前5番ポジシオン→3 ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 右後ろ5番ポジシオン→5 ポアン・タンジュ・デリエール→6 右後ろ5番ポジシオン→ 左脚ポアン・タンジュ・ドゥヴァン→8 左脚前5番ポジシオン⇒1 右脚ポアン・タンジュ・デリエール→2 右後ろ5番→3 ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 右前5番→5 ポアン・タンジュ・ドゥヴァン→6 右前5番→> 左脚ポアン・タンジュ・デリエール→8 左脚後ろ5番ポジシオン⇒…
ここで大切なことは、右脚のポアン・タンジュ・デリエールのあとスムーズに左脚でポアン・タンジュ・ドゥヴァンが出来るかどうか、右脚のポアン・タンジュ・ドゥヴァンのあとに左脚でポアン・タンジュ・デリエールが出来るかどうか、です。
右脚ポアン・タンジュ・デリエールのあとの左脚をポアン・タンジュ・ドゥヴァンに出すとき、骨盤がバーとは反対のほうに開いてトルソーの向きがズレていませんか
右脚ポアン・タンジュ・ドゥヴァンのあとの左脚のポアン・タンジュ・デリエール、お尻を後ろに突き出すような姿勢になってカカトから脚を動かしていませんか
右脚ポアン・タンジュ・ドゥヴァンのあとの左脚のポアン・タンジュ・デリエールで、骨盤がバーの方に開いてトルソーの向きがズレていませんか
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、『トルソーは水面に浮いている白鳥と同じ。水面下で脚がどんなに激しく水を掻いて動いていても、浮いている白鳥の身体は動かないことをイメージするように、と伝えています
もう一つ順番を変えて練習してみましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バ。
右アームスをアン・ナヴァンに→8 アン・ナヴァンからア・ラ・スゴンドに⇒1 右脚ポアン・タンジュ・ドゥヴァン→2 右脚前5番ポジシオン→3 左脚ポアン・タンジュ・デリエール→4 左脚後ろ5番→5 右脚ポアン・タンジュ・ドゥヴァン→6 右前5番→7 右脚ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 右脚後ろ5番ポジシオン⇒1 右脚ポアン・タンジュ・デリエール→2 右脚後ろ5番ポジシオン→3 左脚ポアン・タンジュ・ドゥヴァン→4 左脚前5番→5 右脚ポアン・タンジュ・デリエール→6 右後ろ5番→7 右脚ポアン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→8 右前5番⇒…
さあ、いかがですか?
ポアン・タンジュ・ドゥヴァン、ポアン・タンジュ・デリエールで軸脚と動作脚が交代するたびに、トルソーがバーの方やバーと反対の方に捻れたり、前後に漕ぐように動いたりしていませんか?
どちらの脚が軸脚になり動作脚になっても、トルソーはしっかりアン・ファス(=正面)を守らなければなりません。
そして、ポアン・タンジュした脚を5番ポジシオンに引き戻すたびに、重心がカカトに落っこちてトルソーを吊り上げることを忘れることがないように気を付けましょうね。
左手バーで右脚前5番からのポアン・タンジュ・ドゥヴァンは“クロワゼ・ドゥヴァン”、右脚後ろの5番から左脚のポアン・タンジュ・ドゥヴァンは“エファッセ・ドゥヴァン”です。では、デリエールはどちらがクロワゼでどちらがエファッセになるでしょうか