バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.2 カンブレ

2009-10-21 10:46:50 | 日記
これまで一番の基本になるシンプルなバー・レッスンで脚の動かし方やトルソーのコントロール、《アン・ドゥオール(=ターン・アウト)》の確認や練習をして、そしてセンター・レッスンでもシンプルな《パ》《アンシェヌマン》の確認と練習をしてきましたね。
ここで、もう一度バー・レッスンに戻りましょう。
今後、センターでの《パ》《アンシェヌマン》が少しずつ難しくなっていきますから、それを無理なく身に付け動けるようになるためにも、バー・レッスンで動きの基本を身に付けることと身体作りが大切です
一番初めのバー・レッスンは、鏡に対して正面向きで両手でバーにつかまってのレッスンが中心でした。
それは、アンサンブル・ド・ミューズでは、キッズクラスや大人の入門・初心者の方に自分の身体を真っ直ぐ にコントロールすることを覚えて頂くため、動きに伴う“歪み”や“捻じれ”を、ご自分の目 でも確認して頂くために、必ず最初は《両手バー》でのレッスンを採り入れているからです。
ここからのバー・レッスンは、特に指定がない限り《片手バー》でレッスンしましょう。
それでは左手をバーに置いて、1番ポジシオンで立って下さい。
アームスを“アン・バ”から“アン・ナヴァン”を通って“ア・ラ・スゴンド”に…、ここまでがプレパラシオン(=準備の動作)です。
先ず、ドゥミ・プリエを2回、グラン・プリエを1回行います。
そして脚の付け根(=股関節)からトルソーを前に倒していきます。アームスは身体が下へ行くのに従って下げていき、トルソーが完全に下に降りたときにはアームスも床スレスレまで降ろしています。ここまでが《カンブレ・アン・ナヴァン》です。
次にアームスでトルソーを前方に引き上げるように背中から起こしていき、元の1番ポジシオンに戻ってアームスは“アン・オー”になります。
そこから今度はトルソーを後ろに反らしています。アームスは常に顔の横に沿わせておきましょう。ここまでが《カンブレ・アン・ナリエール》です。
胸から身体を起こしていきます。アームスを大きく“ア・ラ・スゴンド”に開きながら身体を起こす動きと、そのまま“アン・オー”に引き上げてくる動きとがあります。
さあ、ここで大切なポイントの確認をしましょう
《カンブレ・アン・ナヴァン》で深く沢山曲がろうとして、お尻を先に後ろに引いてはいけませんよ。バーを握り締めてしがみつかなければならないようでは、重心が完全に後ろにズレています
レッスンを始めてまだ日が浅い方や身体の硬い方は、無理に“二つ折り”になろうとする必要はありません。無理をすると腰を痛めてしまいますご自分の最大の角度で十分です。
《カンブレ・アン・ナヴァン》で深く曲がろうとして、肩に力が入って首が縮まないように気を付けて下さいね。
トルソーを起こす時に、背中よりも先に顔を上げて、首の後ろが縮まないように気を付けて下さいね、あまり美しい形ではありませんよ
《カンブレ・アン・ナリエール》をするとき、骨盤を前に押し出してウエストの辺りから急角度にトルソーを曲げてはいけません 腰を痛めてしまいます。
トルソーを後ろに反らす前に、顎が上がって首の後ろが縮んではいけません。呼吸が通らなくなってしまいますし、頚椎(=首の骨)に負担がかかります。
《カンブレ・アン・ナヴァン》のときは、胸からトルソーを一旦斜め上前方に引き上げておき尾てい骨から背骨を順に1個ずつ下に向けて降ろしていき、最後に首の骨を降ろす、《カンブレ・アン・ナリエール》のときは、トルソーを斜め上後方に引き上げ続けるとイメージするといいですよ
この《カンブレ・アン・ナヴァン》《カンブレ・アン・ナリエール》は1番から5番までのどのポジシオンでも行なえますが、一般的には1番プリエと5番プリエのあとに続けて行なわれます。アンサンブル・ド・ミューズでは、中級クラス程度になると2番ポジシオンでも続けることがあります。
2番と4番のプリエの後には横方向、つまりバーの方とセンターの方へのカンブレを続けるのが一般的ですが、横方向へのカンブレの練習と確認は次回にしましょう

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