バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バットマン・フラッペ

2009-03-18 11:36:00 | 日記
《バットマン・フラッペ(battements frappes)》の確認と練習をしてみましょう。
フラッペ(frappes)には、打つこと、ヒット、ショット、キックという意味があります。
動作足の指の裏側で床を打つように押して、膝・足首・爪先を伸ばす動きです。
まず、丁寧に足の動きを確認してみましょう。
左足を軸足、右脚を動作脚とします。
右足首を曲げてかかとを軸足の前に、“スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン”で準備します。
“スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ”のポジシオン、覚えてますか?
《バットマン・フォンデュ》のところで、『動作足の爪先を軸足の足首の前や後ろに触れさせたポジシオン』とご説明しました
今回は足首を曲げてフレックスといいます)、“スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ”をします。
“スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン”から、足指の裏で強く床を押しのけるように擦りながら膝・足首・爪先を伸ばして、“ポワン・タンジュ・ドゥヴァン”に脚を伸ばします。
きちんと脚が伸びたら、膝を曲げて“スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン”に足首を曲げて、脚を引き戻します。
“バットマン・フラッペ”の動きは、素早く脚を伸ばしきったところ、“ポワン・タンジュ”の位置や“デガージェ”の位置にアクセントがあります。
今度は、“ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド”に向かって、“フラッペ”をしましょう。足指の裏で床を強く擦ることも脚の伸ばし方も“ドゥヴァン”と同じです。でも、
足指の裏で強く床を擦って動く脚の勢いに負けて、動作脚がわの骨盤が持ち上がらないように気を付けましょうね。
“ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド”にきちんと脚が伸びたら、膝を曲げて、“フレックス”にした足首を、こんどは軸足の足首の後ろ側“ク・ドゥ・ピエ・デリエール”に引き戻します。
この位置から“ポワン・タンジュ・デリエール”にフラッペをします。
足指の裏側を床に付けたときに、足首が外側に倒れてバナナ足にならないように、注意が必要です。早い動きで“フラッペ”の練習をするようになったとき、バナナ足だと足首を傷めてしまうかもしれません。
脚の“アン・ドゥオール”をしっかり守って、膝も爪先も横に向けたままで“ポワン・タンジュ・デリエール”に“フラッペを”しましょう。
脚が伸びきったとき、膝も足首も外向きになっていますか?
かかとを後ろに向けて“フラッペ”をしようとすると力が抜けた状態で床を蹴り上げるような動きになってしまい、膝が曲がってしまいます
“ポワン・タンジュ・デリエール”に“フラッペ”して伸ばした脚を、“フレックス”にした足首から“ク・ドゥ・ピエ・デリエール”に引き戻します。このとき、膝を前に向けて膝から引き戻さないように気を付けましょう。膝はしっかり外向きのまま、ですよ。
“フラッペ”をして脚を伸ばしきったときに、勢いあまって“プラ~ン”と脚がうきあがらないように気を付けましょう。内ももをしっかりお臍の方に引き上げる、とイメージして、さらに“遠くに”爪先を伸ばし続けるとイメージしてみて下さいね。
足指の裏で床を擦らないで“フラッペ”をするロシア式(ワガノワ・メソッド)の動き方もあります。
アンサンブル・ド・ミューズでは、“床を擦る”フラッペの練習を大切にしています。軸脚やトルソー(胴体)の引き上げ、“アン・ドゥオール”が十分に出来ていないときに、爪先を伸ばした床を擦らないフラッペで曲のテンポが速くなった場合、爪先が床に落ちて押され、足指や足首を傷めてしまう危険もあるからです
《バットマン・フラッペ》は、軸足のドゥミ・ポワントで行なうもの、“ドゥーブル”や“トリプル”など“スュル・ル・ク・ドゥ・ピエ”での動きを伴うものなど、上達するにつれて動きも難しくなっていきます
《バットマン・フラッペ》をきちんと練習することは、ジャンプで跳び上がる時に素早く床を押したり、爪先から安全な着地をしたりするためにも大切なことです。アレグロの早い動きを身に付けるためにも大切な練習です。

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