バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.9 バットマン・タンジュ

2011-12-12 08:32:43 | 日記
今回からはセンター・レッスンです。
以前にもお話しましたが、バレエのパやアンシェヌマンは日々新しいものが生み出されたり改良されたりしています。ですからレッスンもここまでやれば完了、ということはありません。パとパの組み合わせ=アンシェヌマンは無限ですし上達するにつれてテクニックも複雑になっていきますしね。1回転のピルエットが2回転・3回転へ発展しシンプルなアッサンブレやジュテがバッチュを伴うものになったり…etc.etc.…。
ですから諦めず飽きずに丁寧に繰り返すことが大切だと思います。
ではレッスンをじはじめましょう。
今回はバットマン・タンジュです。アンシェヌマンはいたってシンプルですから、トルソーや軸のコントロールを大切にして下さいね。
右脚前5番ポジシオン・アン・ファス、アームスはアン・バからプレパラシオンでアン・ナヴァンを通ってア・ラ・スゴンドへ。
→8 プレパラシオン⇒1 右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→2 5番ポジシオン→3 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 右後ろ5番→5 ポワン・タンジュ・デリエール→6 5番→7 左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→8 左脚前5番→1 右脚ポワン・タンジュ・デリエール→2 5番→3 ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド→4 右脚前5番→5 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→6 5番→7 左脚ポワン・タンジュ・デリエール→8 左後ろ5番→1 右脚でポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドしながら右に90度方向転換→2 右後ろ5番ポジシオン→3 右脚でポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドしながら右に90度方向転換→4 右前5番→5 右脚でポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドしながら右に90度方向転換→6 右脚後ろ5番→7 右脚でポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドしながら右に90度方向転換→8 右前5番→1 右脚デガージェ・ア・ラ・スゴンド、同時に左脚ルルヴェ→2 2番ドゥミ・プリエ→3 右脚ルティレでトゥール・アン・ドゥオール→4 右前5番→5 右ルティレ、左ルルヴェ→6 右後ろ4番ドゥミ・プリエ→7 トゥール・アン・ドゥオール→8 左前5番ポジシオン⇒…
アームスは
Ⅰ.右脚のポワン・タンジュ・デリエールのつぎの左脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァンのときに右アームスをアン・オーにし、右脚ポワン・タンジュ・デリエールから戻って右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァンのつぎの左脚ポワン・タンジュ・デリエールのときに左アームスをアン・オーにします。
Ⅱ.右脚デガージェ・ア・ラ・スゴンド、左脚ルルヴェと同時にアン・オー、2番ドゥミ・プリエで右アームスをアン・ナヴァンに下します。
Ⅲ.ルティレ‐ルルヴェと同時にアン・オー、4番ドゥミ・プリエで右アームスをアン・ナヴァンに下します。

いかがですか?
このアンシェヌマンのカギとなるのはタンジュ・ア・ラ・スゴンドをしながら方向を変えていくところですね。
では大事なポイントをチェックしていきましょう。
右脚ポワン・タンジュ・デリエールのあと5番ポジシオンでトルソーが落っこちて軸脚の上に座り込んでいると、次の左脚のポワン・タンジュが出来なかったりタイミングに遅れてしまいますよ。右脚ポワン・タンジュ・デリエールからドゥヴァンまで戻ってつぎに左脚のポワン・タンジュ・デリエールをするところも同じです。アン・オーに引き上げるアームスでさらにしっかりトルソーを引き上げるようにしましょう。
ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドをしながら方向転換をするところでは、動作脚が弧を描くような動きになってはいけません。動作脚が軸脚のカカトを押し返すように動いてポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドをすることで方向が変わります。安易に軸脚のカカトを引いて股関節のターン・アウトを失ってはいけませんね。
方向転換をするときには、無駄な勢いを付け過ぎて90度を超えたり、あるいは90度に足りなかったりすることがないように方向をしっかり定めていきましょう。
デガージェ・ア・ラ・スゴンド‐ルルヴェのあとの2番ドゥミ・プリエで骨盤が前傾してお尻を突き出すような姿勢にならないように気を付けましょう。2番ドゥミ・プリエで座り込むように腰がおちてしまうと、次のトゥール・アン・ドゥオールできちんと回転できなくなります。
2番ポジシオンからのトゥール・アン・ドゥオールはトルソーを素早く軸脚の上に引き上げて動作脚もルティレに引き上げます。ルティレが遅くなるとトルソーを軸脚に引き上げることを妨げたり重心がズレたりしてしまいますよ。
ルティレ‐ルルヴェをするときには、アン・オーに引き上げるアームスで同時にルティレする脚の膝を引き上げるつもりで、アームスの動きを少しだけ先行させましょう。ルティレ‐ルルヴェの完成よりもアームスが遅れると中途半端で不自然な動きに見えますよ。

バットマン・タンジュの最後に反対側の脚でタンジュをすることも、タンジュ・ア・ラ・スゴンドで方向転換をしていくことも縦方向 の軸をしっかり引き上げておかないと安定した動きになりませんね。それはデガージェ・ア・ラ・スゴンド‐ルルヴェでもルティレ‐ルルヴェでも同じことです。今回は方向転換以外はアン・ファスでの動きですから、鏡に映る自分の身体を観察しながらポジシオンや軸を修正していくといいですよ。

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