バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.3 バットマン・デガージェ・ピケ

2010-03-22 11:49:58 | 日記
前回練習したバットマン・デガージェ・クロシュ、トルソーを揺らさずに脚だけを動かせるようになりましたか?
今回はバットマン・デガージェにピケ(=pique:突き刺す、刺す)を組み合わせてみましょう。
バットマン・デガージェでのピケは一度デガージェに上げた脚の爪先で瞬発的に床を打って、もう一度元のデガージェの高さに脚を戻す動きです。
基本の≪基≫を練習してみましょう。
左手をバーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バで準備して下さい。
プレパラシオンで右アームスをア・ラ・スゴンドに開きます。
デガージェ・ドゥヴァン→2 ピケ→デガージェ・ドゥヴァン→3 &4 5番ポジシオン→5 デガージェ・ア・ラ・スゴンド→6 ピケ→デガージェ・ア・ラ・スゴンド→7 &8 5番ポジシオン→1 デガージェ・デリエール→2 ピケ→デガージェ・デリエール→3 &4 5番ポジシオン→5 デガージェ・ア・ラ・スゴンド→6 ピケ→デガージェ・ア・ラ・スゴンド→7 &8 5番ポジシオン⇒………
いかがですかピンと音がするようなピケが出来そうですか?
ドゥヴァンとア・ラ・スゴンドのピケをするとき、足の指の裏全体で床を叩くような動きはいけません。また、ピケをする瞬間に足首の力が緩むのもダメですよ。少し大げさな表現をするなら、足の爪の先端で床を打つイメージです。
デリエールのピケでは、股関節のターン・アウトを失った脚の膝下を使って、足指の甲側の面で床を叩くような動きになってはいけません。これも少し大げさな表現ですが、拇指の第2関節より上の側面で床を打つイメージです。
ピケの動きは、爪先で床を打ったら瞬時に弾き返されるようにもとのデガージェに戻らなければなりません。べったん… と下向きの動きになってはいけません
ピケをしたあとのデガージェが、弾き返される反動のままにブラ~ンと無責任に浮き上がってはいけません。もとのデガージェの高さでキチンと抑えましょう。
一番多く見かけるコントロール・ミスは、デリエールのピケをするときに、ピケのあとの反動でトルソーが後ろに引っ張られて腰が反ってしまうことです。それでは内腿の鍛錬にはなりませんからね。背中全体で斜め上前方に向かって引っぱり上げるイメージを忘れないようにしましょう。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、ピケの直後のデガージェは動きを止めて固めるのではなく、爪先をさらに遠くに指し伸ばすようなイメージで、と伝えています
それでは、バットマン・デガージェとピケを組み合わせて練習してみましょうか
左手をバーで右脚前5番ポジシオン、右アームスはアン・バ、プレパラシオンでア・ラ・スゴンドに開きます。
&2 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→3&4 デガージェ・ドゥヴァン→5&6 ポワン・タンジュ・ドゥヴァン→7&8 5番ポジシオン→1 デガージェ・ドゥヴァン→2 5番ポジシオン→3 デガージェ・ドゥヴァン→4 5番ポジシオン→5 デガージェ・ドゥヴァン→6 ピケ→デガージェ・ドゥヴァン→7 5番ポジシオン→8 ポゼ⇒ア・ラ・スゴンドで…⇒デリエールで…⇒…
今回はピケは1回でしたが、2回のピケももちろんあります。そのためには正確に内腿を動かせる強さが必要です。ピケは決して膝から下や足首から先だけで行なうものではありません。内腿を動かすことによって生み出される動きだということを忘れないで下さいね。
内腿の動き・コントロールが重要なパ、たとえばアッサンブレ・バチューやカブリオールなどを正確に動くためにも、バットマン・デガージェ・ピケの練習は大切ですよ。


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