バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

アームスの動き

2013-04-15 10:38:51 | 日記
前回のプリエの練習のところで、アームスの動きに釣られてトルソーがグニャグニャになってはいけないとお話しましたね。
見よう見まねでのレッスンをしていると、なんとなく“雰囲気で”バレエっぽく動けている気になってしまうのかもしれません。
アンサンブル・ド・ミューズのレッスンでは、トルソーがきちんと定まるまでは顔の向きはドゥ・ファスのまま、ポール・ドゥ・ブラもア・ラ・スゴンドのみ、でレッスンしています。ことにアームスをクネクネと無駄に動かすようなことは極力控えるようにしています。
とはいっても頭部のポジシオンは大事なことですから今回はそのことを確認してみましょう。
でははじめましょう。
左手バーで1番ポジシオン。アームスはアン・バ。顔はドゥ・ファス、つまり正面向きです。
プレパラシオンのアームスと頭部の関係は…。
≪1≫頭部を左肩の方に傾けて右の手のひらを覗くようにします。
≪2≫右の手のひらに視線を向けたままアームスをアン・ナヴァンに。この時は頭部はまだ左肩のほうに傾けたままです。
≪3≫アームスをア・ラ・スゴンドに開くとともに頭部を起こし、視線とともに右の手のひらを追って行きます。
≪4≫頭部を少し後ろに傾けア・ラ・スゴンドの指先に視線を向けたポジシオン、これがエポールマンです。
プリエのときのアームスと頭部の関係は…。
≪1≫ドゥミ・プリエはエポール・マンのまま行います。
≪2≫グラン・プリエをはじめる寸前にア・ラ・スゴンドのアームスの手のひらを下にむけアロンジェにします。
≪3≫グラン・プリエをしながらアームスを下げ、それに合わせて視線も下げながら頭部を少しずつ左肩のように傾けて行きます。
≪4≫グラン・プリエの最も深い位置でアームスがアン・バになったとき、頭部は左肩のほうに傾いていて視線は右の手のひらを覗くようにします。
≪5≫グラン・プリエから立ち上がるときのアームスと頭部の動きはプレパラシオンのときと同じです。
カンブレのときのアームスと頭部の関係は…。
≪1≫頭部はエポールマン、ア・ラ・スゴンドのアームスをアロンジェにして、前に倒していく上体の動きに合わせて下げて行きます。
≪2≫上体が一番深い位置にカンブレ・アン・ナヴァンをしたとき、アームスは上体に対してアン・オーの位置にあります。
≪3≫アームスで上体を吊り上げるように起こし、トルソーが元の位置にもどったときにアームスはアン・オー。このとき頭部はまだドゥ・ファスです。
≪4≫頭部をエポールマンにしてカンブレ・アン・ナリエールをはじめます。肘よりも少し上に視線を向けるといいでしょう。
≪5≫トルソーを起こしアームスをア・ラ・スゴンドに開きます、頭部はエポールマンのままです。

いかがですか?
これがおおまかなポール・ドゥ・ブラとプリエそしてカンブレとの関係です。
グラン・プリエの寸前にアロンジェにするとき、またカンブレ・アン・ナヴァンの寸前にアロンジェにするとき、アームスを少し煽っても構いません。でも、それはより良いグラン・プリエやカンブレをする前にトルソーをさらに引き上げるためにすることです。トルソーと無関係に、無頓着にただ振り上げてはいけませんね。
以前のレッスンのときにも何度かお話しましたが、アームスはトルソーを助ける働きをします。トルソーのコントロールを妨げるようなアームスの動きには修正が必要ですし、無駄に動かさない方が賢明です。
では、また次回。