バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

バー・レッスン vol.10 リンバリング

2012-03-01 13:20:55 | 日記
前回練習したグラン・バットマン・デヴロッペ、スムーズに脚を上げることが出来るようになりましたか?また、バットマンした脚をルティレまで引き戻すルティレ・パッセの動きも同じようにスムーズに動けるようになりましたか?
自分のグラン・バットマンの頂点を知ることも大切なことですね。
今回はバーに脚を載せて行うリンバリングを練習しましょう。
以前練習したものはバーに乗せた脚の膝を伸ばして行いましたが、今回はアティチュードで行います。
でははじめましょう。
左手バーで右脚前5番ポジシオン・クロワゼ、右アームスはアン・バからアン・ナヴァン、ア・ラ・スゴンドへ。
右脚ク・ドゥ・ピエ・ドゥヴァン→6 ルティレ→7 デヴロッペ・ドゥヴァン→8 アティチュード・ドゥヴァンで外くるぶしをバーに⇒1 ドゥミ・プリエ→2 戻る→3 ドゥミ・プリエ→4 戻る→5 カンブレ・アン・ナヴァン→6 トルソーを起こす→7 カンブレ・アン・ナリエール→8 トルソーを起こしてア・ラ・スゴンド⇒1 ドゥミ・プリエ→2 戻る→3 ドゥミ・プリエ→4 戻る→5 バーの上の脚の方にカンブレ→6 トルソーを起こす→7 バーに背を向ける方向に向きを変えて→8 バーに載せた脚はアティチュード・デリエール→1 ドゥミ・プリエ→2 戻る→3 ドゥミ・プリエ→4 戻る→5 カンブレ・デリエール→6 トルソーを起こす→7 右手でバーをもって→8 アティチュード・デリエール・ドゥ・ファス⇒1 パンシェを→2 しながら→3 アティチュードの→4 膝を伸ばす→5 トルソーを→6 起こして→7 プルミエール・アラベスク→8 ポゼ
ア・ラ・スゴンドは通常のリンバリングと同じようにバーに載せた脚は膝を伸ばしましょう。ただ、バーの高さがあまり高くなくトルソーを真っ直ぐに支えられるようならア・ラ・スゴンドもアティチュードにしてもよいでしょう。
デリエールはアティチュード・デリエールした脚の膝下をバーに載せて、両手を後ろに回してバーを持ちます。
右手はバーに残し4分の1回転のプロムナード・アン・ドゥオールをして向きを変えましょう。左手をアン・オーにします。
パンシェをしながら左アームスはアン・ナヴァンにします。最後に右手をアン・ナヴァンにしてプルミエール(=1番)・アラベスクです。

いかがですか?
アティチュード・ア・ラ・スゴンドにした場合とデリエールが少し難しいかもしれませんね。
では大事なポイントを確認していきましょう。
アティチュード・ドゥヴァンでバーに脚を載せるときには、外くるぶしより少し前の部分からカカトをバーに載せます。小指に近い部分を載せて足首が緩み“バナナ足”になってしまわないように気を付けて下さいね。カカトよりも足指部分を低く、とイメージするといいですよ。
カンブレ・アン・ナヴァンやアン・ナリエールをするときにアティチュードの膝が閉じないように気を付けて下さいね。
アティチュード・ア・ラ・スゴンドでバーに脚を載せる場合はカカトを前に出すつもりで土踏まずをバーに載せるようにするといいでしょう。曲げた膝の角度は90度より浅くても構いません。もちろんバーの高さが合わない場合や股関節の柔軟性が足りない場合は通常のア・ラ・スゴンドでいいのですよ。
アティチュード・デリエールに向きを変えるときは、少しずつ軸脚のターン・アウトを先行させながらまず膝下をバーに載せ、そのまま背中を大きな柱に巻きつけていくつもりで向きを変えます。両手を後ろにまわしてバーを持ちますが、バーを引っ張るような姿勢にならないように、軸脚の立ち位置にも気を付けましょう。そしてアティチュードの膝がトルソーよりも外に大きくはみ出さないように注意しましょうね。
アティチュード・デリエールのまま4分の1回転のプロムナードをするときにも、軸脚のターン・アウトが先行します。左手をバーから離してアン・オーに引き上げることでバーに載せた脚を引き上げるのを助けます。
アティチュードの膝を伸ばしながらアラベスク・パンシェをするときに、アン・ナヴァンにした左アームスが下がりすぎないように気を付けましょう。
右手でバーを引っ張るようにしがみついたまま軸脚のカカトのほうに、さらにはもっと後ろの方に重心がズレないように気を付けて下さいね。トルソーを起こすのに大変な力が必要になってしまいますよ。
パンシェからトルソーを起こしたら、軸脚の上にきちんとトルソーを引き上げて骨盤の向きや両肩の高さ、両脚のターン・アウトなどを確かめ修正してからバーの手を離して、アン・ナヴァン・アロンジェに伸ばしプルミエール・アラベスクのポゼをしましょう。

このリンバリングはデリエールで軸脚やトルソーの位置を正しく保つことに特に注意が必要ですし、股関節や腰・背中の柔軟性もひつようです。もしも無理があるようなら通常のデリエールのリンバリングにしてもいいのです。丁寧に練習を重ねていくうちに、いずれはきちんと出来るようになりますからね。