バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.5 バロッテ

2011-01-06 09:23:07 | 日記
前々回、前回のブリゼに引き続き、今回もアレグロでよく採り入れられる跳躍のパ、バロッテを練習しましょう。
バロッテBallotter:揺り動かす、揺さぶる、という言葉が語源になっている動きです。
動きの特性を理解するためにまずはバロッテ・パール・テールを練習しましょう。
右脚前5番ポジシオン・エファセ、アームスはアン・バで準備して下さい。
ドゥミ・プリエ→8 5番ポジシオン・タン・ルヴェ→1 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・エファセ→2 右脚前5番ポジシオン・タン・ルヴェ→3 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ポワン・タンジュ・デリエール・エファセ→4 右脚前5番タン・ルヴェ→5 左脚ドゥミ・プリエ、右脚ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・エファセ→6 右脚前5番タン・ルヴェ→7 右脚ドゥミ・プリエ、左脚ポワン・タンジュ・デリエール・エファセ→8
アームスは、5番ポジシオン・タン・ルヴェのときにアン・ナヴァン、ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・エファセまたはポワン・タンジュ・デリエール・エファセをする脚と同じ側のアームスがア・ラ・スゴンド、ドゥミ・プリエをする脚と同じ側のアームスが低めのアン・ナヴァン。
このバロッテ・パール・テールでの5番ポジシオン・タン・ルヴェは、高く跳び上がるのではなく、爪先と足首を完全に伸ばしきった“床スレスレの高さ”を守りましょう。
1回目のバロッテで片方の脚をポワン・タンジュ・ドゥヴァンに伸ばした次の5番ポジシオン・タン・ルヴェは、ドゥミ・プリエをしている脚の方にポワン・タンジュした脚を引き戻してタン・ルヴェをします。ポワン・タンジュした脚の方に移動してはいけません デリエールでも同じことです。
上半身、とくに頭部の動きは、ポワン・タンジュ・ドゥヴァン・エファセのときにはアン・ナヴァンにしたアームスの肩の方にエポールマン、ポワン・タンジュ・デリエール・エファセのときにはアン・ナヴァンのアームスの手先を越えて遠くを覗き込むように、です。
ドゥヴァン・エファセのときに上半身が椅子の背凭れに寄りかかるように後ろに倒れてはいけませんね。またデリエール・エファセのときに前屈みに猫背にならないように気を付けましょう
いかがですか?
場所を前後に移動しているのでもなければ、上半身を大きく前後に傾けているわけでもありませんが、動きを通して“揺らぎ”が見えるでしょう。これがバロッテです。
さぁ、それではバロッテ・ドゥシュー・エ・ドゥスーの練習をしましょう。
今度はデヴロッペを伴った動きになりますから、きちんと跳躍をすることが大切ですよ。
右脚前5番ポジシオン・エファセ、アームスはアン・バで準備して下さい。
ドゥミ・プリエ→8 5番ポジシオン・タン・ルヴェから両膝を曲げる→1 左脚ドゥミ・プリエ、右脚デガージェ・ドゥヴァン・エファセ→2 両膝を曲げて5番ポジシオン・タン・ルヴェ→3 右脚ドゥミ・プリエ、左脚デガージェ・デリエール・エファセ→4 両膝を曲げて5番タン・ルヴェ→5 左脚ドゥミ・プリエ→、右脚デガージェ・ドゥヴァン・エファセ→6 両膝を曲げて5番タン・ルヴェ→7 右脚ドゥミ・プリエ、左脚デガージェ・デリエール・エファセ→8
アームスはパール・テールのときと同じです。
両膝を曲げて5番タン・ルヴェをするときは、空中でトルソーを真っ直ぐに引き上げておきましょう。そしてデガージェ・ドゥヴァンまたはデガージェ・デリエールに伸ばした脚の内腿をしっかりターン・アウトしながら膝を引き上げて跳ぶことが大切です。
着地と同時に片方の脚をエファセ・ドゥヴァンまたはエファセ・デリエールにデヴロッペをします。決して前または後ろに蹴るような動きをしてはいけませんね
トルソーが不必要に前後に大きく揺れ動いたり、脚の動きがバタバタと乱雑になったりしないように気を付けましょう。
今回はバロッテ・パール・テールもバロッテ・ドゥシュー・エ・ドゥスーも初めからエファセの方を向いて練習しましたが、これは動きの特性を理解するためです。プレパラシオンではクロワゼの方向を向いて最初のタン・ルヴェで4分の1回転してエファセに向きを変えてスタートする、というのが一般的です。