バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

センター・レッスン vol.2 ピケ・アン・ドゥダーン

2010-01-22 12:24:35 | 日記
もう一つ、回転するパの練習をしましょう。
前回までの回転は場所を移動しない動きでした。移動するためにはパ・ドゥ・ブーレを先行させましたね。
今回は回転しながら移動する動きです。
最初の頃のレッスンで、ピケ‐ルティレで横に進む練習をしたことを覚えていますか?今回の回転の練習では、この横方向にピケできちんと進むことが出来るかどうかが決め手となります。
まずスタジオの一番奥の壁際で右脚前の5番ポジシオン、鏡に対して真横を向いて立って下さい。トルソーは完全に左を向きます。
&8 左脚ドゥミ・プリエで右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド、アームスは右がアン・ナヴァンで左はア・ラ・スゴンド→1 &2 右脚にトルソーを押し上げて左脚をルティレに引き上げ、右方向に回転、アームスをアン・ナヴァンに集める→3 &4 左脚ドゥミ・プリエに降りて右脚はポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド、アームスは右がアン・ナヴァンで左がア・ラ・スゴンド→5 &6 右脚を軸にして左脚をルティレ、右方向に回転、アームスはアン・ナヴァン→7 &8 左脚ドゥミ・プリエに降りて右脚をポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド、アームスは右がアン・ナヴァンで左がア・ラ・スゴンド→…
これがアンサンブル・ド・ミューズのレッスンで行うピケ・アン・ドゥダーンの基本の≪基≫です。1回転ずつ正確に、キチンとピケ・ルティレに立ち上がり、ドゥミ・プリエ・ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドに降りて重心を安定させる、ということを大切にしています
では大事なポイントを確認してみましょう。
左脚ドゥミ・プリエ、右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドのプレパラシオンのとき、顔はしっかりと鏡に向けて、自分と視線を合わせるようにするといいですよ
右軸脚の上にトルソーを押し上げて左脚をルティレに引き上げ回転を始めたとき、トルソーが反対側=右向きになるまでは自分と視線を合わせたままにして、軸脚とトルソーの回転を先行させます。
ルティレがキチンと完成していないのに、顔から先に回転を始めるのは間違いです。
回転の勢いをつけようとして右腕を振り回すように開きすぎたり、斜め後に振り下ろすようなことをしてはいけません。重心がズレてしまいますよ。
アン・ナヴァンに集めたアームスの肘を曲げすぎたり、肘が下がったりしては美しくありませんね。基本のアン・ナヴァンの形を守りましょう。
1回転キチンと回ってから=トルソーの向きがプレパラシオンと同じ向きに戻ってからルティレした脚を降ろしてドゥミ・プリエをします。
回転が終わっていないのにルティレの脚を降ろして残りの回転をしてはいけません。そんな中途半端な回転を続けると進む方向がズレていきますから気を付けましょうね
回転が終わったらドゥミ・プリエと同時にポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンドをしますが、このポワン・タンジュに伸ばす脚は横方向にジュテをするように伸ばします。ドゥミ・ロン・ドゥ・ジャンブを失敗したように振り回してはいけません
上達するに従って回転のスピードも次第に速くなっていきますが、決して手足を乱暴に振り回すような回転をしてはいけません。ただ勢いだけで“ガラガラガラ”と回転を続けても美しくありませんね。高い技術を身に付けたダンサーであればあるほど、余計な勢いをつけることなく無駄な力を使わずに回転していますよ。ゆっくりのテンポでいいのですから、キチンと軸を大切にして安定した回転が出来るように練習しましょう。