バレエ・メソッド アンサンブル・ド・ミューズ スタイル

クラシック・バレエの実際のレッスンをモデルとして、正確に無理なく美しく動き踊るためのヒントやアドバイスをお伝えします。

グラン・バットマン

2009-04-01 12:45:41 | 日記
《グラン・バットマン(grands battements) 》の確認と練習をしてみましょう。
ロシア派では《グラン・バットマン・ジュテ(grands battemennts jetes)》と呼んでいます。
まずは右足前の5番ポジシオンで準備しましょう。
右足を“ポワン・タンジュ・ドゥヴァン”に向かって勢いよく擦りだしたら、そのまま動きを止めることなく脚を上に上げます
爪先が頂点に達したら“ポワン・タンジュ・ドゥヴァン”に向かって下ろし、5番ポジシオンにおさめます。
 爪先が頂点に達したあと、力を抜いて脚を落としてはいけません。太腿の内側をしっかり“お腹に向かって引き上げる”とイメージして、脚の勢いをコントロールしましょう。
 高く脚を上げようとして動作脚側の骨盤が前に出たり、背中が丸まって骨盤を掬い上げるような形になったり、軸脚の膝が曲がったりしてはいけませんね。また、脚の勢いに負けてトルソーが無意味に後ろに倒れないように気を付けましょう。
つぎは、“ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド”に向かって右足を擦り出す勢いで“ア・ラ・スゴンド”に脚を上げ、“ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド”に下ろしてから、右足後ろの5番ポジシオンにおさめます。
 脚の勢いに負けてトルソーがバーの方に倒れないように気を付けましょうね。そして上げる脚の膝や足首が前に倒れないように、股関節の“アン・ドゥオール”を守りましょう。
後ろへの“グラン・バットマン・デリエール”をするときには、“ポワン・タンジュ・デリエール”に爪先を擦り出した脚が上がるにつれて、トルソーも少し前の方に傾きます。上げた脚を“ポワン・タンジュ・デリエール”に下ろしたときに、トルソーをもとの位置に立て直しますよ。
 爪先が“ポワン・タンジュ・デリエール”を通過するより前に、トルソーを必要以上に前に倒してはいけません。腰を痛める原因になってしまいますよ
 股関節の“アン・ドゥオール”をしっかり守って、上げた脚の膝や足首が横を向くようにコントロールして下さいね。
 “グラン・バットマン・デリエール”をするときに、脚の勢いに負けてトルソーが動作脚側に開いて後ろに傾いたり、ウエストの後ろ側を縮めたりしないように気を付けて下さいね。背中の筋肉を傷めたり、腰を痛めたりする危険がありますからね
 “グラン・バットマン・デリエール”をするときの背中は、“平らに”“平行に”“長く”とイメージしましょう。
アンサンブル・ド・ミューズでは、まずトルソーを真っ直ぐに保つことと、股関節の“アン・ドゥオール”を守ることを優先するため、初心者のレッスンでは“グラン・バットマン”は90度の高さを基準としています。
レッスンを重ねてトルソーが安定し筋力が増し、関節の柔軟性が増すにつれて、脚を高く上げることは可能になります
《グラン・バットマン》にもさまざまなヴァリエーションがあります。“グラン・バットマン・バランソワール”“グラン・バットマン・デヴロッペ”“グラン・バットマン・フェッテ・ルルヴェ”“グラン・バットマン・トンベ”などさまざまです。でもどのパターンの《グラン・バットマン》をするにしても、
基本の《グラン・バットマン》、きちんと“ポワン・タンジュ”を通って脚を上げ、“ポワン・タンジュ”に『下ろして』から5番ポジシオンにおさめる、トルソーと骨盤を真っ直ぐに自然に保って股関節の“アン・ドゥオール”を守ることが一番大切ですね。
軸足やトルソー、骨盤のポジシオン、股関節の“アン・ドゥオール”等にはおかまいなしで、ただ勢いまかせで乱暴に放り上げただけの高く上がった脚よりも、きちんとポジシオンを守ってコントロールされた90度の高さの脚の方が美しいと私は思いますよ