劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

12歳・片岡千之助の第一回「千之会」

2012-07-29 18:35:22 | 観劇
12歳の片岡千之助が主催する「千之会」第一回が開かれた。



最初の演目『正札附根元草摺』では千之助の五郎も大奮闘だったが、
勘九郎の小林朝比奈が多彩な振りをしっかり見せて実に良かった。

その後、千之助の父である孝太郎、勘九郎、千之助の三人で口上。
孝太郎が、父・勘三郎の大手術が終わったばかりの勘九郎を気遣いながら、
自身の父・現仁左衛門の病気の折に現勘三郎が孝太郎を励まし、
翌月の『連獅子』の相手を引き受けてくれた逸話を披露し、
勘九郎もまた、松嶋屋から受けた恩義の数々を語った。
千之助は自身の回が続くよう「心からお祈りします」と言ってしまい、
場内が温かい笑いに包まれ、応援の拍手もさらに増した。

藤間勘十郎、孝太郎の貫禄の『喜撰』を経て、最後は千之助の『供奴』。
まだまだだ必死な感じもあるが、力強く堂々と演じていた。
“カーテンコール”では幕を開けず、控えめに袖から出て客席に深々と頭を下げたのにも好感を抱いた。

初舞台から観ているので、近所のおばさま感覚(?)で、つい「可愛い」と目を細めてしまうが、
そんな感傷はさておいても、舞台度胸があり、気合いも十分で、
何より観客を引きつけることができる俳優だと思うので、今後の活躍を楽しみにしたい。

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