劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

“物持ち”の功罪!?

2010-01-30 01:19:23 | その他
1月も終わろうとする今日、ようやく手帳のリフィルを買った。
時期が遅かったので、使い勝手のいいものは売り切れに。

実はこの手帳はなんと、20年以上前にいただいたもの。
ちょっと重くて使っていなかった時期もあるけれど、
社会人になってからは毎年、リフィルを換えて使用。
きちんと手入れをしなかったため色あせてしまったが、今年もお世話になる。

この手帳とほぼ同い年なのが財布。
こちらは革が伸びてしまい、未使用の高額定期券やら大切な保険証やらが
いつの間にか滑り落ちて、行方をくらますありさま。
被害が甚大ゆえそろそろ引退してもらわないといけない。
そういえば10年以上前、泥棒に盗まれた挙げ句、とある競技場に捨てられていると
連絡があったのだった。思えばこの子は苦労人である。
一昨年、ゲリラ豪雨に遭ってぐっと老け込んでしまった。



「物持ちがいい」という表現があるが、
私の場合は単に幼なじみといる気楽さに甘えているだけかも。

スケジューラーソフトにお財布携帯にと、便利なものがあふれる時代にあって、
年々気難しくなっていく友に手を焼きつつ、なだめすかす日々である。

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テレビ「全身“役者魂”大滝秀治~84歳 執念の舞台~」で泣く

2010-01-24 22:36:30 | その他
昨夜、NHKハイビジョン特集「全身“役者魂”大滝秀治~84歳 執念の舞台~」を見る。

芝居が好きで好きで、どれだけ「役者に向いていない」と言われても辞めなかった大滝さん。
そんな役者としてのありよう、リアリズム演劇の演技、劇団という形態・・・
そこにある愛すべき“旧態”のすべてに、涙が止まらなかった。

彼とともに劇団民藝の代表を務める奈良岡朋子さんがシアターガイドでの拙インタビューで、
「私たちは私たちで(略)それなりに持ちこたえているし、
古いものが悪いという言い分は許せません」とおっしゃっていたのを思い出す。
ドキュメンタリー中でも、この二人のなにげない応酬が印象的だった。
劇団の養成所の一期生同士、苦楽をともにしてきた盟友に感傷めいた言葉は不要なのだ。

で、このドキュメンタリーについて友人に話したところ、
「話はよくわかったけど、そのどこで泣くの?」と言われてしまった(汗)。
ここはひとつ文章でリベンジしたいところだが、残念ながら急ぎの〆切を抱えているので、
興味のある方はぜひ、再放送(30日朝のもよう)をご覧ください。
泣きポイントは人それぞれだろうが、舞台の残酷さと魔力とが伝わるはずだ(他力本願でごめんなさい.....)。

ちなみに昨夜はNoism1『Nameless Poison~黒衣の僧』、
今日は彩の国バレエ・ガラ「ブベニチェクとドレスデン国立歌劇場バレエ団の俊英たち」を観る。
身体の動きに独自の思い・世界観を込める振付という作業、そしてもちろん、
それを十全に踊りこなす作業も、大変な労苦を伴うものだとしみじみ思う。

 モンゴル火鍋で元気をつけて、今から原稿執筆!

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海老蔵『伊達の十役』/親子生八つ橋

2010-01-21 00:16:16 | 観劇
初春花形歌舞伎夜の部@新橋演舞場



『紅葉汗顔見勢 猿之助十八番の内 伊達の十役』。
上演時間はおよそ5時間半。40回以上の早替わりを含め、主演の海老蔵が1人10役をこなした。

99年、猿之助が一世一代として上演したものを観た時はびっくりしっぱなしだったが、
今回はある程度余裕をもって鑑賞することができた。
いや、早替わりの工夫や奮闘ぶりには相変わらずびっくりするけれども、
“ここで替わる”というのがわかっているので、舞台の奥を、下を、脇を、
海老蔵が走ったりなんだりしているのを心の目(?)で観ながら全体を楽しんだ次第。

といっても、大喜利の「垂帽子不器用娘」は24年ぶりの上演で、私も初めて。
道成寺の趣向になっていて、海老蔵が娘/蛇体と押し戻しの両方を演じた。
歌舞伎座では団十郎、演舞場では海老蔵が押し戻しを務める1月だったわけだ。

さて、海老蔵の10役演じ分けは、女方にはいささか厳しいものがあるし、
ほかにも思うことはもちろんいろいろとあるのだが、
堂々たる仁木弾正と爽やかな細川勝元には惚れ惚れした。
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叔母から生八つ橋のマグネットをもらったところ、本物が食べたくなってしまい、
早速、ゲット。並べると、さながら親子生八つ橋である。


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『音楽の友』2月号/大好き鶏飯

2010-01-18 20:54:16 | 執筆
『音楽の友』2月号(音楽之友社)


下記執筆しています。

◆ダンス紹介連載
~「マニュエル・ルグリの新しき世界」、東京バレエ団『シルヴィア』、
Kバレエカンパニー『海賊』~

それぞれの概要と見どころを書いています。

「マニュエル・ルグリ~」はオペラ座を引退したルグリの新たなガラ公演、
東京バレエ団『シルヴィア』はポリーナ・セミオノワとマルセロ・ゴメスの豪華客演も注目、
Kバレエ『海賊』は楽しく美しい熊川哲也版です。

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シンガポール料理のチキンライスは、シンプルだけど美味しい。
短時間でササッと食べられるのも便利。
先々週はミュージカル『ファニー・ガール』と『キャバレー』の合間に、
先週は『ヤン・リーピンのシャングリラ』の会見と取材の合間にと、2週連続で賞味!


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映画「NINE ナイン」試写会@丸の内ピカデリー

2010-01-15 01:06:18 | その他
時折忘れたりまた思い出したりするのだが、子供のころダニエル・デイ=ルイスが好きだった。
『マイ・ビューティフル・ランドレット』に『存在の耐えられない軽さ』、
あと『ラスト・オブ・モヒカン』なんてのもありましたっけね。
その色気にうっとり見入っていた私だったが、彼は靴職人になるとか言い出して
スクリーンから姿を消す(正確には『ギャング・オブ・ニューヨーク』とかに出てるけど)。
それから幾星霜。
07年、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でアカデミー主演男優賞を受賞し、メジャー復帰したダニエル。
そして昨年秋に全米で公開され、日本では3月に公開予定のロブ・マーシャル監督『NINE ナイン』で
グイドを演じる彼はある意味、視る対象というよりこちらの視覚そのもののようだった。



ミュージカル『NINE』はフェリーニの有名な映画「8 1/2」の舞台化。
03年にはアントニオ・バンデラスを主演に迎えたデヴィッド・ルヴォーのリバイバル版が
トニー賞六部門にノミネートされたのも記憶に新しい。
今回の映画はつまり、原作映画→ミュージカル化→映画化というルートを辿っているわけだが、
舞台版の「あっちを向いてもこっちを向いても女、女、女!」な色合いは薄れた一方、
死の影よりも躍動する生への憧憬、生命の賛歌的な雰囲気が強いのが印象的
(むろんそこに、死をも感じ取ることができる)。

あー、イタリア(映画)って、イタリア(女性)って美しい。VIVA イタ~リア!
私もあんなふうに人生の喜びと苦々しさをとことん吸い込んで味わって、
輝くような女性たちを愛し、彼女らを泣かせながら「泣きたいのはこっちだよ」と
ダニエル演じるグイドさながらのため息をついてみたいよっ!!(ん、違う?)
※実際に演じている俳優の大半はイタリア人じゃないし、台詞も英語です、念のため。

映画版「NINE」はフェリーニが多くの作品を創ったチネチッタで撮影されており、
テイスト的にも往年のイタリア映画へのオマージュ度高し。
原作映画や舞台との違いやら共通点やらを考えるだけでも楽しいし、
それ以外にも、ペネロペ・クルスってほんと、顔と体がアンバランスだよなーとか、
ニコール・キッドマンの胸のあたりがスカスカしてるのはアリなのか?とか、
あ、でもニコールはショートボブがすごくきれいでロングより似合うじゃんとか、
ソフィア・ローレンが出てくると俄然イタリアっぽい!とか、盛り上がれるポイント多数。

ま、結局、ダニエル云々に関しては単に自分の嗜好が
オヤジ化しただけなんじゃないかと言われれば、それまでだけれども。


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“初”づくし 歌舞伎座夜の部ほか

2010-01-08 02:37:09 | 観劇


少し遅いが、今年の観劇初めである。歌舞伎座夜の部@歌舞伎座

【『春の寿』】
雀右衛門休演が非常に残念。としか言いようがない。あ、隼人がいた。

【『菅原伝授手習鑑』「車引」】
幸四郎、吉右衛門の兄弟が芝翫を迎え、松王丸、梅王丸、桜丸の三兄弟を勤めた。
さすがに観応えがあって素晴らしい。
芝翫は初役だそう。豪華な兄弟共演に一肌脱いだといったところだろうか。
時平公は富十郎。相変わらず声に艶があり、堂々たる威容。

【『京鹿子娘道成寺』】
勘三郎渾身の花子。きびきびとしてとにかく表情豊か。
踊りは目まぐるしいほど起伏に富み、羯鼓などのさばき方もテンポがいい。
観終えたこちらがくたびれたほど(!?)充実の内容だった。
所化の中では特に、種太郎の可愛らしくフレッシュな演技に目が釘付け。
小山三が烏帽子を持って来たのも印象的だった。
押し戻しの団十郎と蛇体の勘三郎は、さながら錦絵。

【『与話情浮名横櫛』】
染五郎の与三郎に福助のお富。
「木更津海岸見染」での二人の出会いにはもっともっとしっとりした情緒がほしい。
まだ月の初旬だから変わるかもしれないが、お富は与三郎に食らいつきそうな色目遣いだし、
与三郎の羽織り落としもあまりきれいにキマっていなかった。
「源氏店」では、アンニュイなお富、傷だらけの与三郎ともに色っぽい。
錦吾扮する藤八の芝居が手堅かった。滑稽一辺倒ではなくどっしりしている。
彌十郎の蝙蝠安もやや品がいいもののチンピラぶりがよく出ていて好感を持った。
歌六の多左衛門はいささか線が細いが、落ち着いた演技で場を引き締めていた。
             * * *

歌舞伎座も建て替えまであと百数日ほど。
さまざまな俳優が入れ替わり立ち替わり登場して、ちょっとしたお祭り状態。
さよなら公演のご祝儀価格というかなんというか・・・が、財布的に辛い。

休憩時間には、歌舞伎座内の稲荷神社で初詣。

 かろうじて松の内に詣でた♪

そして〆は初焼肉。いえね、9日ほど前にいただきましたけれども、あれは昨年だから。
「去年は去年、今年は今年」 ←本日の「源氏店」蝙蝠安のヘタな真似(にもなってない)

 カルビ
 タン
 ロース

写真並べ過ぎ? 遅い時刻ゆえ少々鮮度は落ちているにしても美味であった。

 そして、ホルモンチゲで温まる。至福。

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『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』vol.8・創刊第3号

2010-01-06 00:12:13 | 執筆
『Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)』vol.8・創刊第3号(出版社)


「はじめてのニッポンカルチャー」というテーマで、
能・狂言・文楽・歌舞伎・落語・茶道・華道まで幅広く紹介されています。

私はこのうちのP.120-128の文楽の記事を執筆。
豊竹咲甫大夫のインタビューのほか、ルーツや仕組みなどについて書いています。


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哀歓こもごも......?

2010-01-04 00:23:51 | その他


お正月は親元でのんびり。美味しい物も、たらふくいただく。
感心するのは“文明の利器”的遊び道具がたくさんあること。
いやあ、現代社会って飽きないようにできてるね。
実家で思い知るべきことなのかよくわからないけどまあいいや。

一方、発売前に届いたとある見本誌を見たら、最終段階で手を入れたらしく、
文章が変なことになっていたりルビが間違っていたりし、
こちらの与り知らぬことだけにオイオイという感じ。と、初愚痴。

ひとまず今のところ、けっこう平和な年明けではある。

 お気づきだろうが、このおせちは縮緬の置物

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新年

2010-01-02 00:16:15 | その他
新年あけましておめでとうございます。

おかげさまで昨年も出会いに恵まれ、慌しくも楽しい時を重ねることができました。

観劇も充実していました。
ロメオ・カステルッチ『Hey Girl!』の衝撃は忘れ難いし、
ジンガロ『バトゥータ』では馬が蹴散らす泥をかぶって大興奮。
友枝昭世に片岡仁左衛門に・・・名演を挙げればきりがありません。

ちなみに拙ブログは、不定期投稿でしたが、大晦日をもって晴れて1周年!

今年はさらに素敵な日々を過ごすことができますように。
たくさんの素晴らしい人や作品と遭遇できますように。

そしてみなさま、本年もどうぞよろしくお願い致します。


高橋彩子

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