■中村富十郎傘寿記念「矢車会」公演 昼の部@歌舞伎座を観る。
通常の公演以外で歌舞伎座に足を運んだのは、昨年は立川談志・談春の「親子会」と、
田中佐太郎・亀井忠雄主宰「囃子の会」の2回だったが、今年はこれが最初。
~「拍手は、しないで!?」~
『寿三番叟』では中村歌昇の三番叟と中村錦之助の千歳の息の合った踊りとともに、
錦之助の後見を務める錦之助の子息にして未来のスター(たぶん)隼人のひさびさの姿に喜ぶ。
こうした奉納舞では、演じ手が神に対して頭を下げるにもかかわらず、
観客へのお辞儀と見なされるのか、しばしば拍手が起こってしまうのだが、
それがなかったところに、この日の観客の見識を感じた。
余談だが、能でも公演によってやたらと拍手をする人がいて気になる。
能では拍手はしなくてもいい。というか、せずに余韻を楽しむことも知ってほしい。
『雪傾城』は中村芝翫の傾城と、富十郎の息女、渡邊愛子の舞踊。
2歳になる前の初お目見えでは、舞台を縦横無尽に駆けめぐっていた彼女ももう5歳。
今回は振りを懸命になぞり、「姫天王!」と大向こうの声を浴びていた。
~「若々しい富十郎の弁慶」~
そして、なんといっても最大の見ものは『勧進帳』。
武蔵坊弁慶を富十郎、源義経を富十郎の子息・中村鷹之資、富樫左衛門に中村吉右衛門、
四天王に市川染五郎、尾上松緑、尾上右近、市川段四郎という豪華な布陣。
富十郎の後見は錦之助。富樫の太刀持ちには明日の名舞踊手(予想!)中村梅丸だった。
仁左衛門、吉右衛門の弁慶などにも言えることなのだが、
富十郎の弁慶は、呪文風味な成田屋のそれと違って、明瞭なセリフ回し。
持ち前の瑞々しい張りのある声も手伝ってか、
時折、世話物かと思うほどリアルなのが興味深かった。
今回、弁慶は史上最年長、義経は史上最年少なのだとか。
記録が重要とは思わないけれど、富十郎の気合いの入り方にはひとかたならぬものが。
最後には「まだまだいける!」と声が掛かっていた。
------------
ところで、都電をけっこう活用しているのだが、
先日、「あれってホントに人が乗ってるのねえ」としみじみ言われた。
普通に生活の足というか、都電さまさまですよ!!
自転車でレールの上を通ると時々、ハマりそうになるけども。
(これはリスボンの路面電車)
■下記、執筆しています。
『マリ・クレール』7月号(アシェット婦人画報社)
Art&Stage欄 ミニコラム:喜ばれる差し入れは何?
女優・有森也実さん コメント
差し入れにピッタリの美味しい「1品」を紹介していただきました。
ご自身は6月、舞台『女信長』にご出演!
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錦之助の後見を務める錦之助の子息にして未来のスター(たぶん)隼人のひさびさの姿に喜ぶ。
こうした奉納舞では、演じ手が神に対して頭を下げるにもかかわらず、
観客へのお辞儀と見なされるのか、しばしば拍手が起こってしまうのだが、
それがなかったところに、この日の観客の見識を感じた。
余談だが、能でも公演によってやたらと拍手をする人がいて気になる。
能では拍手はしなくてもいい。というか、せずに余韻を楽しむことも知ってほしい。
『雪傾城』は中村芝翫の傾城と、富十郎の息女、渡邊愛子の舞踊。
2歳になる前の初お目見えでは、舞台を縦横無尽に駆けめぐっていた彼女ももう5歳。
今回は振りを懸命になぞり、「姫天王!」と大向こうの声を浴びていた。
~「若々しい富十郎の弁慶」~
そして、なんといっても最大の見ものは『勧進帳』。
武蔵坊弁慶を富十郎、源義経を富十郎の子息・中村鷹之資、富樫左衛門に中村吉右衛門、
四天王に市川染五郎、尾上松緑、尾上右近、市川段四郎という豪華な布陣。
富十郎の後見は錦之助。富樫の太刀持ちには明日の名舞踊手(予想!)中村梅丸だった。
仁左衛門、吉右衛門の弁慶などにも言えることなのだが、
富十郎の弁慶は、呪文風味な成田屋のそれと違って、明瞭なセリフ回し。
持ち前の瑞々しい張りのある声も手伝ってか、
時折、世話物かと思うほどリアルなのが興味深かった。
今回、弁慶は史上最年長、義経は史上最年少なのだとか。
記録が重要とは思わないけれど、富十郎の気合いの入り方にはひとかたならぬものが。
最後には「まだまだいける!」と声が掛かっていた。
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ところで、都電をけっこう活用しているのだが、
先日、「あれってホントに人が乗ってるのねえ」としみじみ言われた。
普通に生活の足というか、都電さまさまですよ!!
自転車でレールの上を通ると時々、ハマりそうになるけども。
(これはリスボンの路面電車)
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