劇場彷徨人・高橋彩子の備忘録

演劇、ダンスなどパフォーミングアーツを中心にフリーランスでライター、編集者をしている高橋彩子の備忘録的ブログです。

Nobody but Ferruccio Soleri!!『二人の主人を一度にもつと』

2009-07-06 01:29:25 | 観劇
ミラノ・ピッコロ座『アルレッキーノ――二人の主人を一度にもつと』@世田谷パブリックシアター


うっかりしていたらチケットが完売し、観られずに終わるところを、
友人のおかげで観劇に至る。

16世紀にイタリアで生まれ、ヨーロッパを席巻したとされるコメディア・デラルテ。
その後期、18世紀にカルロ・ゴルドーニが作った戯曲を、
20世紀の演出家ジョルジョ・ストレーレルが1947年に甦らせたのが、
演劇史の金字塔とも言うべき傑作『アルレッキーノ――二人の主人を一度にもつと』だ。

あらすじは・・・
アルレッキーノは、同時に二人の主人に仕えることで二人分の給料をせしめようとたくらむ。
今にもバレそうな状況の中、賢いのか間抜けなのかわからない振る舞いで周囲を煙に巻き、
幾度も危機一髪の難局を切り抜けるものの、やがて、コトは露見。
ところがそのおかげで、二人の主人は探し合う恋人同士であるとわかり、
めでたしめでたし・・・というもの。つまり、まさに荒唐無稽なドタバタ喜劇である。

この日、アルレッキーノを演じたのは、50年にわたって同役を務めている
伝説的な「アルレッキーノ役者」、フェルッチョ・ソレーリ。
79歳とは思えない溌剌とした演技を見せ、アクロバットも軽々とこなして見せた。
いやあ、お見事!!!

公演は終わってしまったが、過去の映像を貼っておくとしよう。
イタリア語が分からなくとも、ほとんど不自由を感じさせない豊かな表現力。
一つ所にいるのに、飽きるどころかぐいぐい引き込まれてしまう独特の魅力。

名人芸とはまさにこのことだろう。

Sipario : Ferruccio Soleri


余談だが、アルレッキーノの仮面は顔型に合わせて皮をなめして作るもので、
ソレッリは一度盗まれてしまったが、それでも同じものを30年間使っているそう。
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